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山口大学大学院創成科学研究科 工学系学域 循環環境学分野 環境化学・生化学プロセス工学教育研究分野 佐伯・貝出研究室 Dr. Saeki and Dr. Kaide's Laboratory |
<研究テーマ> 配管抵抗低減技術 ――界面活性剤を用いた流体輸送の省エネルギー |
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空調設備の循環水にLSP-01を添加することによって、流れの抵抗が著しく減少します。例えば50℃の温水が流れている直管(内径:20mm)にLSP-01を5,000mg/l添加した場合、流体摩擦係数はLSP-01を添加していないときに比べて70〜80%低下します。 実際の空調設備の配管は直管のみではなく拡大部、縮小部、曲がり管などの付属物があり、さらに管径も様々です。よってすぐさま70〜80%の省エネルギー化が達成できるわけではありません。これは適用する施設やその運転状況によって異なるということですが、実績値としてLSP-01を添加すると10〜30%の流量増加が達成されることが判っています。 既設の熱媒輸送動力(ポンプなど)が能力不足である場合は、LSP-01を添加するだけで流量が増加し、循環ポンプの能力不足を補うことができることになります(下図)。
既設の循環ポンプの能力が十分である設備においては、以下に述べる方法によって省エネルギー化を図ることができます。ここでは循環ポンプを4台備えた(予備なし)設備を例として説明します。この設備の循環水の総流量をQw、総動力をPwとします(下図)。
1.設備の保有水量に対し、3000〜5000mg/lの濃度でLSP-01を添加します。 2.1の操作によって、循環水の総流量 QLSP は15〜30%増加します。(ここでは仮に25%増加したことにします。)このときのポンプ動力 PLSP はLSP添加前と変わりません(下図)。
3.この設備は能力不足という問題があるわけではないので、QLSP という過剰流量は必要ありません。よって次に示す方法で流量を Qw に近づけます。 ● 省エネへのアクション:その1(台数制御) 4.4台の循環ポンプのうち、1台の運転を停止します。これによって理屈上は流量が3/4となり、1.25 × 3 ÷ 4 = 0.94となって、Qwに近い流量となります。この場合、停止した1台のポンプの電力がランニングコストの低減となります(下図)。
この方法はLSP-01を添加するだけで、ハードの変更なく達成できる省エネルギーですが、 1) 既設の循環ポンプの台数が少ないとき 2) 必要な循環水量の変動が大きいとき は注意が必要です。それはLSP-01による流量増加量が1台のポンプの吐出流量未満になる可能性があり、総流量が不足する場合があるからです。 ● 省エネへのアクション:その2(インバーター制御) 5.循環ポンプにインバーターを取り付け、ポンプの回転数制御によって流量コントロールを行います。この方法はインバーター設置という設備投資は必要になりますが、LSP-01による流量増加分に応じて無駄なく電力低減が行えるばかりでなく、空調設備の負荷変動にもフレキシブルに追従する設備が構築できます。この方法によって、これまでの実績として20〜65%のランニングコストの低減効果を達成しています(下図)。
図は1つの循環系に4台のポンプが接続されている例ですが、設備によっては空調設備内に複数の循環系統があり、この系統ごとに1つ、または複数のポンプが備え付けられている場合があります。このときは系統ごとにインバーターを取り付け、系統ごとの負荷変動に応じた運転制御をすることで、最適な省エネ化が達成されます。
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