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6月
New Study Shows Limitations of Naloxone in Reversing Overdoses From Powerful Synthetics
新しい研究により、フェンタニルやスフェンタニルのような強力な合成薬物が関与する場合、ナロキソンによるオピオイド過量の逆転が困難になるという課題が明らかになった
(Anesthesiology 2026;144[5]:1160-1172)。
「本研究は、現在使用されているナロキソンの投与量では、新しい合成オピオイドによる過量を十分に逆転できない可能性があることを示している。
30 名の参加者を対象としたこの研究では、ナロキソンは命を救う可能性がある一方で、強力な合成オピオイドによる呼吸抑制を単回投与で完全に逆転できない場合があることが示された。
研究では、オピオイドを使用したことがない人と、日常的に使用している人の両方でナロキソンの効果を検証した。
フェンタニルおよびフェンタニル類似薬は現在、米国の過量死の大部分を占めており、その割合は 60〜79% と推定されている。
これらの薬物はオピオイド受容体により強固に結合するため、特に高濃度に曝露された場合やより強力な薬物が関与する場合、標準量のナロキソンでは逆転が難しくなる可能性がある。
研究者らは、現在の過量対応ガイドラインは、より弱い古いオピオイドを前提に作成されているため、オピオイド乱用の状況が変化し続ける中で、実践の更新とより良いツールの開発が急務であると強調した。
U.S. Drug Spending a 2-Sided Coin
2 つの新しい医療費報告書は、一見すると相反する方向性を示しているように見える。
1 つは米国の処方薬支出が年間 1 兆ドルに向けて急増していることを示し、もう 1 つは病院コストのインフレを主導しているのはもはや薬剤価格の上昇ではないと結論づけている。
しかし、実際には「ケア提供場所(site-of-care)」の変化が両者をつないでいる。
What to Do When a Wrong-Sided Block Occurs
外科手術では常にヒューマンエラーが起こり得るが、区域麻酔ブロックを身体の反対側に誤って実施してしまうケースもその一つである。
「Navigating Risks: Wrong-Sided Blocks(リスクの航行:誤側ブロック)」と題したパネルディスカッションで、シカゴ大学医学部の麻酔・集中治療の臨床准教授である Jihye Ha 医師は、誤側ブロックが発生した際に取るべき適切な対応手順について、Society for Ambulatory Anesthesia 2026 年次総会で解説した。
「多くの人は、自分自身や自分のチームに起こるまでは、この問題を深く考えることはあまりないと思います」と Ha 医師は Anesthesiology News のインタビューで語った。
「しかし、誤側ブロックに関する文献を実際に調べてみると、どれほど頻繁に起こっているかが分かり、当然ながら絶対に避けたい事象だと痛感します。」
Ha 医師は、誤側ブロックを避けるためにはリスク因子を把握することが重要だと述べたうえで、それでも発生してしまった場合には、患者および外科医と率直に話し合い、最も安全で適切な対応策を検討することが重要だと強調した
Short-Course Antibiotic Therapy Appropriate For Hospital-Acquired Pneumonia in ICUs
1,420 名の患者をスクリーニングしたうち、最終的に 2022 年 8 月から 2024 年 11 月までに HAP に対して経験的に抗菌薬治療を受けた 180 名の成人が研究に含まれた。
HAP は入院後 48 時間以降に診断された。最も一般的な除外理由は、市中肺炎であったと Lammers 氏は述べた。主要評価項目は、30 日以内の肺炎再発であった。
研究者らは、短期抗菌薬治療と延長治療の有益性を比較するために、非劣性マージンを 12%に設定した。
短期治療群の抗菌薬投与期間は最長 8 日であり、延長治療群は 9〜15 日であった。短期治療群は 93 名、延長治療群は 87 名で、APACHE II スコアは両群で同程度であった(短期 15、延長 16)。
肺炎の再発率は短期治療群の方が低く、短期群 9.2%に対し延長群は 10.8%であった(リスク差 –1.6%、95%CI –10.3%〜7.2%)。この結果は非劣性の基準を満たしていた。
入院期間は短期治療群の方が短く(9 日 vs. 13 日、P=0.04)、ICU 滞在期間は両群で同程度であった(7 日 vs. 8 日、P=0.24)。30 日死亡率も同様で、短期群 10.8%、延長群 9.2%と差はみられなかった(P=0.73)
Psychological Risk Factors and Postoperative Pain: It’s Not All In Their Heads
最近のメタ解析では、鼠径ヘルニア修復術を受ける患者において、心理的リスク因子と術後疼痛との間に統計学的に有意な関連は認められなかった。
しかし、それでも術前にこれらの心理的リスク因子へ介入することは、術後疼痛の軽減に役立つ可能性がある。
不安や抑うつを軽減するための周術期介入が疼痛に影響を与えるという、低〜中程度のエビデンスがある。
年間 80 万件の鼠径ヘルニア修復術が行われている状況で、慢性疼痛がまったく起こらないと期待することは不可能。
だからこそ、私たちはこうした患者を思いやりをもって治療することにもっと注力すべき。
もし外科医がメッシュ除去のための十分な訓練や経験を持っていないのであれば、少なくとも患者の話を聞き、助けられる可能性のある医師を見つける手助けをすることはできる。
さらに、現在の文献では患者の特性と術後疼痛の因果関係を評価することはできず、予測的なものでもないが、心身のつながりはほぼ確実に役割を果たしており、疼痛管理に有用である可能性があると彼は述べた。
これは、Bruce Ramshaw 医師らによる研究を指しており、慢性疼痛のためにメッシュ除去術を受ける患者に対する術前認知行動療法(CBT)の影響を調査したものである(Surg Endosc 2020;34[7]:3145-3152)。
「129 名の患者データを品質改善の観点から見ると、CBT を受けた患者は全員が疼痛の改善を示した一方、CBT を受けなかった患者では 85%のみが何らかの疼痛改善を示した。
また、CBT を受けた患者では新たな術後疼痛が発生した例はなかったが、CBT を受けなかった患者では約 18%が新たな術後疼痛を発症したことも報告されている
Study Shows Pulse Oximetry Accurate on Hospitalized Newborns of All Skin Tones
重症新生児を対象としたこれまでで最大規模の前向きリアルワールド研究のデータにより、Masimo SET パルスオキシメトリーでは統計学的バイアスが全体で 1%未満であることが示された。
さらに、黒人またはヒスパニックの患者において、皮膚色素に関連した臨床的に意味のある乖離は認められず、隠れた低酸素血症イベントも発生しなかった。
全体としては、白人患者 1 名でのみ認められた(J Pediatr 2026 Apr 21. doi:10.1016/j.jpeds.2026.115114)。
研究者らは Masimo RD SET Neo センサーを Radical-7 Pulse CO-Oximeter および Root モニタリングプラットフォームに接続し、動脈血ガス採取の前後および採取中に末梢酸素飽和度(SpO₂)データを連続記録した。動脈酸素飽和度(SaO₂)は院内の検査機器で直接測定し、各採血の 30 秒前の平均 SaO₂ と対応づけた。
また、メラニン指数や individual typology angle(ITA)など複数の方法を用いて、各患者の皮膚色分類を客観的に評価した。
この前向き研究では、重症新生児を対象に厳密に対応づけた測定を行った結果、パルスオキシメーターは全体として動脈血酸素飽和度をわずかに過小評価するのみであり、皮膚の色素による臨床的に意味のある差はなかった
Revisiting Buprenorphine For Acute Pain: Effective And Less Addictive
臨床医たちが、完全作動薬のμオピオイドに比べてリスクの少ない有効な鎮痛オプションを模索し続ける中、一部の疼痛専門医は、急性疼痛におけるブプレノルフィンの役割を再評価すべき時期に来ているのではないかと述べている。Thomas Hickey 医師らが実施した最近のメタ解析は、ブプレノルフィンに対する見方を変える転機となったという。この研究では、ブプレノルフィンは急性術後痛の管理において優れた有効性を示し、安全性プロファイルも良好で、完全作動薬オピオイドよりも作用時間が長いことが示された(Reg Anesth Pain Med 2026;51[1]:1-16)。急性疼痛に対するブプレノルフィンの評価が進む中で、投与量、製剤、アクセス、患者選択など、重要な導入上の課題が依然として残っている。より差し迫った課題としては、最適な投与量や、低用量製剤への実際的なアクセスが挙げられる。彼は、舌下フィルムは低用量で正確に使用することが難しい一方、他の製剤は保険の制限により入手が困難な場合があると指摘
Prevalence and Risk Factors of Deep Spinal Infection after Single-shot Epidural Injections: A Nationwide Cohort Study of 3.8 Million Pain Outpatients
単回硬膜外注射後の深部脊椎感染の有病率とリスク因子:380万人の疼痛外来患者を対象とした全国規模コホート研究。
単回硬膜外注射後の深部脊椎感染は極めて稀であるが、 高齢・糖尿病・免疫抑制・脊椎手術歴などの患者ではリスクが有意に上昇する。
380万人規模の全国データに基づき、硬膜外注射の安全性とリスク層別化の重要性が明確に示された
Efficacy and Safety of Remimazolam Tosylate versus Propofol for Sedation of Postoperative Mechanically Ventilated Patients in Intensive Care Units: A Multicenter, Randomized, Single-blind, Noninferiority, Phase 3 Trial
ターゲットは、Agitation–Sedation Scale (RASS) of −2 to +1, were randomized (1:1) to receive intravenous remimazolam tosylate (loading dose, 0.08 mg/kg; maintenance, 0 to 2.0 mg · kg–1 · h–1) or propofol (loading dose, 0.3 to 0.5 mg/kg; maintenance, 0.3 to 4.0 mg · kg–1 · h–1) レミマゾラムトシル酸塩は、術後に人工呼吸管理を受けている集中治療室患者に対する短期鎮静において、プロポフォールと比較して非劣性の有効性を示し、良好な忍容性を示した
Feasibility of a Multicomponent Protocol to Promote Dreaming during Surgical Anesthesia
麻酔中の夢は偶然ではなく、ある程度“誘導可能”である。
これは、術前不安の軽減、手術体験の質向上、患者中心の麻酔(patient-centered anesthesia) に新しいアプローチを提供する可能性がある。
多要素プロトコルは 実現可能(feasible)、麻酔中の夢の発生率を 増加、患者満足度を 向上、安全性に問題なし、今後は 大規模RCT が必要
Anesthesiologists Play a Pivotal Role in Mitigating the Type O-Negative Blood Shortage
O型赤血球、特にO型Rh陰性血の慢性的な不足に直面しており、 麻酔科医はその不足を緩和し、貴重な血液供給を最も必要とする患者に届けるうえで重要な役割を担っている。
(Anesthesiology Open 2026;1[1]:e0010)
麻酔科医は全輸血の40〜60%を担当しており、これは他のどの診療科よりも多い. 麻酔科医として適切に輸血を指示できることが求められます。
さらに重要なのは、そもそも血液製剤の投与を必要としないようにするための手技や薬剤を適切に用いることが重要。
できるだけ早期に自身の血液型の輸血を受けられるよう、 血液型判定と交差適合試験を迅速に行うことが重要。
確立された血液節約技術を早期から組み込むことである。 特に出血リスクの高い患者では、失血血液の再輸血、セルセーバー(自己血回収)、止血薬の投与 などの介入。
必要がないのにO型Rh陰性血が使用されるケースは、望ましい水準よりはるかに多い(42-67%)
Airway on Demand: Radiation Changes Leading to Awake Intubation
放射線治療は気道管理要注意!!!
The Society for Pediatric Anesthesia Highlights New And Noteworthy Papers
Aggressive Calcium Supplementation Reduces Early Mortality in Trauma Patients
研究者らは、低力価O型全血(LTOWB)2単位あたり1 g以上の塩化カルシウム投与が、 24時間死亡率の最も大きな未調整低下と関連していた(P=0.006)ことを、 カイ二乗解析に基づき明らかにした。
注目すべき点として、この投与量は、 年齢、性別、受傷機転、ISS(外傷重症度スコア)、カルシウム補充戦略で調整した 多変量回帰分析においても、 早期死亡率を62%減少させる独立した関連因子であった(P=0.034)と報告されている。
Rajesh氏は、 「この投与プロトコールは、出血性ショックを呈する外傷患者の蘇生において、 臨床的に意味のある重要なターゲットとなり得る」患者の平均年齢は 38.7±18.7歳、71.2%が男性であった。
ISS(外傷重症度スコア)の中央値は 18(IQR 10–29)。 受傷機転は 鈍的外傷が55%、鋭的外傷が45% であった。
来院時のイオン化カルシウム値の中央値は 1.05(IQR 0.83–1.17)mEq/L であった。
Preventing Anoxic Brain Injury During Airway Emergencies
現在の ASA および DAS のアルゴリズムには、外科的気道確保(例:FONA)を実施しながら酸素化を維持するための声門下アプローチが組み込まれていない。
実際の FOVI(Face-Obscured Ventilation and Intubation)状況では、緊急外科的気道確保の確立が遅れることが多く、これはストレスによるパフォーマンス低下、コミュニケーションの破綻、エスカレーションへの躊躇、専門器具への即時アクセス不足、FONA 技術への不慣れといった人的要因によってさらに悪化する。 こうした遅れは有害事象の発生に寄与している。
³–⁷FONA は命を救う可能性がある一方で、クローズドクレーム解析や文献では、緊急 FONA がしばしば大幅な遅延を伴うことが示されている。
⁵ 切開までの時間ではなく、“有効な酸素化が再開されるまでの時間”こそが、無酸素性脳障害や死亡率を左右する最重要因子である。
たとえ最終的に確実な気道が確保されたとしても、酸素化不全が長時間続けば、不可逆的な障害が残ることが多い。
決定的な気道確保に先立ち、FOVI の状況では第一選択として酸素投与を併用した CONC(catheter-over-needle cricothyrotomy)を優先するアルゴリズムを提案している。
彼らは、FOVI が発生した際には、反復する声門上アプローチや前頸部気道確保(FONA)の遅れではなく、“迅速な声門下酸素化”こそが最優先されるべきであると結論づけている。
また、酸素投与を伴うカテーテル・オーバー・ニードル式輪状甲状膜切開は、迅速でシンプル、かつ生命を救う技術であると強調している。
私たちは、気道救命の真の基盤は換気ではなく酸素化であることを認識すべき時期に来ている。
酸素投与を併用した CONC は、多くの人が思うよりも実施しやすく、困難気道の場面で即座に利用可能な実践的かつ救命的な介入である。
ただし、この手技には大きな利点がある一方で固有のリスクも伴うため、術者の習熟と患者安全の確保のためにシミュレーションベースのトレーニングが強く推奨される
Tips for Identifying and Mitigating Risks in the Ambulatory Setting
最も重要なリスクを特定したら、次にリスクへの介入(リスクの“治療”)を行い、その管理状態を維持し、導入した変更が継続しているかをモニタリングする必要。
リスク軽減戦略の一つが インシチュ・シミュレーション(現場シミュレーション)、外来手術後回復プロトコル(ERAS)などの標準化されたパスウェイ、安全文化を促進することである。
これは、アウトカムに影響を与える行動・態度・認識を指し、まずは安全を最優先とするリーダーシップから始まる
Study Flags Predictors of Costly Super-Utilization After Ambulatory Surgery
2025年ASA年次集会(抄録 A3137)での発表において、Klein 氏は、27,860例(27.3%)が術後スーパーユーティライゼーションの基準を満たし、そのうち35.5%が術後30日以内に再入院。
単変量解析では、スーパーユーティライザーとなった患者は有意に高齢で(60.9歳 vs. 52.8歳、P<0.001)、閉塞性睡眠時無呼吸(20.6% vs. 15.3%)、糖尿病(43.7% vs. 33.4%)、高血圧(51.4% vs. 35.1%)の既往を有する割合が高かった。
また、術前にオピオイドを使用していた患者はスーパーユーティライザーで35.3%と、非スーパーユーティライザーの24.1%より有意に高かった(P<0.001)。
同様に、Medicare 加入者の割合もスーパーユーティライザーで有意に高かった(32.5% vs. 20.2%、P<0.001)。
一方、手術時間、PACU平均回復時間、推定出血量など、多くの術中・術後因子には群間差が認められなかった。
分類・回帰木モデルの解析では、術後スーパーユーティライゼーションの最も重要な予測因子は、手術診療科、50歳以上の年齢、人種、脳卒中の既往であることが示された。
Stringent Studies Needed to Show AI Has Patient Benefit
AIモデルが未来を予測することは非常に簡単です。例えば天気予報のように」と彼は述べた。
「同じ技術を使って患者の将来のアウトカムを予測することもできます。
しかし、複数のランダム化比較試験が示しているように、誰かが疾患や合併症を起こすと“予測するだけ”では、その患者の人生を実際に改善することにはつながらない。
最も難しいのは、開発されている膨大な数のAIモデルのいずれかが、単に情報を増やすだけではなく(私たちはすでに情報過多です)、ケアチームと協働して患者アウトカムを実際に改善していることを示すために必要な、厳密なランダム化比較試験を実施すること
What I Wish Someone Had Told Me When I Started in Anesthesia
麻酔による死亡率を “1万件に1件” から、現在の “10万件に1件未満” へと劇的に低下させてきた、数十年にわたる努力の結晶。
麻酔科は、最も深刻な人材不足に直面している医療専門分野の“トップ5”に入っている。
しかし、そのほかの4分野と異なり、麻酔ケアはほぼすべての大手術、そして多くの小手術でも必須。
Medicus Healthcare Solutions の2025年レポート(bit.ly/49xZFhK)によると、 2033年までに現在の麻酔提供者の22%が離職すると予測。
さらに、米国保健資源事業局(HRSA)は、2037年までに8,450人以上の麻酔科医が不足すると見込まれている。
成長し続けるのは、常に学び続ける人、世代を超えて関係を築ける人、そして臨床以外のキャリア領域にも、専門試験に臨んだときと同じ厳密さを持ち込める人。
患者が人生で最も恐ろしい日を迎えたときに、静かに信頼を寄せることを許される職業が医者。 その特権は、時を経ても色あせませないが、その価値を最大限に生かす。
Experts Highlight Buprenorphine as a Safer Frontline Perioperative Opioid
研究(Ann Surg 2020;271[2]:290-295)によると、術後に処方されるオピオイドが、患者にとって“初めてのオピオイド曝露”となるケースが多い。
実際、この研究では 2016年において患者の26.2%が、手術後に初めてオピオイドを処方。
「このデータは最新ではなく、現在ではその割合はさらに高くなっていると考えられる」。
さらに懸念されるのは、そのような患者の一部が“新規持続的オピオイド使用(NPOU)”へ移行する割合で、 Larach は Brummett らによる2017年の研究(JAMA Surg 2017;152[6]:e170504)を引用。
約32,000人を対象としたその研究では、NPOU の発生率は5.9〜6.4%で、手術を受けていない対照群の0.4%と比べて明らかに高い。さらに一歩踏み込んだ研究では、医原性の術後オピオイド使用障害(OUD)を調査しており、その発生率は 0.1〜0.8% と報告。「これらの研究のうち2つは比較群を設定。 そのうち1つ(Am J Addict. 2020;29[4]:295-304)は、手術を受けた患者の方が OUD の発生率が統計学的に有意に高い。 もう1つの研究(Ann Surg 2022;276[3]:e192-e198)では、カルテレビューによる確認を行い、術後にオピオイド処方を受けた患者は、受けなかった患者に比べて、術後1年間で OUD の発生率が4倍高い
Frailty With Dignity and the Role of the Anesthesiologist
2020年に発表された研究(JAMA Surg 2020;155[1]:e194620)により、フレイル(虚弱)患者が手術を受ける際に死亡が与える影響の重大さが鮮明に示された。
著者らは、手術による死亡リスクが100人に1人(1%)を超える場合、その手術は高リスクと分類できると仮定。
そして、健康な患者では死亡率が非常に低い膀胱鏡検査(低リスク)や胆嚢摘出術(中等度リスク)といった手技を調査。
研究では、「フレイル」患者では最も低リスクの手技でも約65人に1人が死亡し、中等度リスクの手技では約20人に1人が1か月以内に死亡。
しかし、「非常にフレイル」な患者では、最も低リスクの手技でも10人に1人以上が死亡し、中等度リスクの手技では1か月後に5人に1人という驚くべき死亡率。
さらに、3か月・6か月では死亡率はさらに上昇し、中等度リスク手技を受けた「非常にフレイル」患者では最大43%に達した。フレイルな患者に対して「低リスクの手術」は存在しない。
Higher versus Routine Intraoperative Blood Pressure Targets in Noncardiac Surgery: A Systematic Review and Meta-analysis with Trial Sequential Analysis of Randomized Trials
15件の試験(15,603人の患者)が解析に含まれた。
高めの血圧目標を設定しても、通常の血圧管理と比較して、急性腎障害(AKI)(RR = 0.95; 95% CI = 0.85–1.06; p = 0.36; I² = 16%)や急性心筋障害(RR = 1.02; 95% CI = 0.94–1.12; p = 0.59; I² = 0%)を減少させることはなかった。
この結果は試験逐次解析(TSA)でも裏付けられた。一方、高めの血圧目標は術後せん妄の有意な減少と関連していた(RR = 0.73; 95% CI = 0.54–0.98; p = 0.04; I² = 26%)。
しかし、TSA によれば、この効果について確固たる結論を出すには依然としてエビデンスが不十分であった。
院内死亡率または30日死亡率については有意差は認められなかった(RR = 1.00; 95% CI = 0.75–1.34; p = 1.00; I² = 0%)。
30日 MACE、脳卒中、入院期間に関するエビデンスも、明確な結論を導くには不十分であった。
待機的非心臓手術を受ける成人において、術中の血圧目標を高めに設定しても、通常管理と比較して主要な術後アウトカムは改善しない。
術後せん妄の減少が示唆されたものの、この効果を確認するには十分な規模の試験が必要である。
A Prospective Evaluation of Routine Extubation Criteria in Children with Upper Respiratory Symptoms Undergoing Elective Surgery
非上気道感染症状コホートでは、「Big Five」基準のうち3つ以上を満たした場合の抜管成功の陽性的中率は94.7%[95%CI 92.5–97.0%]であり、上気道感染症状コホートでは93.9%[95%CI 91.5–96.3%]であった。効果量と95%信頼区間は0.8%(95%CI −2.6%〜4.2%)であり、これは臨床的同等性マージンである5%を下回っていた。
「Big Five」基準のうち3つ以上を満たすことは、上気道症状のある患者においても、症状のない患者と同様に、覚醒抜管の成功を予測する指標として同等に有用であると考えられる。
・Big Five 基準(覚醒抜管の5条件)
Rapid Sequence Induction Practices and Outcomes in Abdominal Surgery Patients: A Multicenter Observational Cohort Study
13の医療機関・82,772件の症例のうち、9,352件(11.3%)で RSI(rapid sequence intubation)が記録されていた。
最も一般的に使用された筋弛緩薬(NMB)はスキサメトニウム(70.5%)であった。
しかし、スキサメトニウムの使用率は研究期間中に大きく減少し(2015年のRSI症例の85.4% → 2022年には37.3%、p < 0.0001)、代わってロクロニウムが使用されるようになった。
患者は通常、複数の鎮静薬を併用投与されていた。ビデオ喉頭鏡は RSI 症例でより頻繁に使用され(16.2% vs 非RSI症例の8.0%、p < 0.0001)、ロクロニウムはスキサメトニウムと比較して、死亡率(相対リスク 0.85; 95% CI 0.67–1.09)、低酸素(1.04; 0.61–1.77)、肺合併症(0.93; 0.81–1.06)、急性腎障害(AKI)(1.05; 0.84–1.31)のリスクに差をもたらさなかった。
米国の複数の医療機関において、RSI に対するロクロニウムの使用は増加し、最終的にはスキサメトニウムを上回った。
ロクロニウムの使用は、死亡率、低酸素、肺合併症、AKI のリスクと有意な差を示さなかった。
Methodologic Insights on Building and Evaluating Models for Early Warning of Hypotension during Surgery
非心臓手術コホートには1,017例、心臓手術コホートには563例が含まれていた。
両データセットにおいて、モデルの性能は、評価データに「進行中の低血圧」や「分類を変えてしまう介入(classification altering interventions)」が含まれているかどうかに強く依存していた。
トレーニング段階では、学習データから分類を変える介入を除外すると AUPRC が改善した(平均差 0.01、95% CI 0.007–0.012、ブートストラップ P < 0.01)。
一方、進行中の低血圧を除外しても AUPRC は変化しなかった(平均差 0.000、95% CI −0.003–0.004)。
評価にのみ用いられる心臓手術データセットでは、分類を変える介入を除外すると、学習済みモデルの AUPRC が平均で 15.5% 向上した(0.54[95% CI 0.53–0.55] vs. 0.47[95% CI 0.45–0.48])。
同時に、評価データに進行中の低血圧を含めると、AUPRC は平均で 72.2% 増加した(0.47[95% CI 0.45–0.48] vs. 0.80[95% CI 0.76–0.84])。
低血圧予測モデルの構築と評価においては、データ選択が極めて重要である。
臨床的に求められる「低血圧の早期警告」に対応する評価を行うためには、学習データ:分類を変える介入を除外する。評価データ:分類を変える介入と進行中の低血圧を除外する、という条件でモデルを構築・テストすることが推奨される。
AI Analysis of Perioperative Data Improves Prediction of Postoperative Complications
新しい機械学習アプローチが、約20万件の麻酔症例データで訓練され、リスクのある患者を特定し、どの予防治療が最も効果的かを明らかにできる可能性が示された。
しかし、スタンフォード大学の研究チームは、このような人工知能主導のシステムを広く導入するためには、いくつかの課題を解決する必要があることも認識していた。
こうした背景を踏まえ、Han ら研究チームは、スタンフォード大学の縦断的電子カルテ(EHR)データベースに含まれる199,993件の麻酔記録を用いてモデルの学習とテストを行った。
その後、Medical Informatics Operating Room Vitals and Events Repository(MOVER)に含まれる追加の52,751件の麻酔記録を用いて、モデルの外部検証を実施した。
要約された各患者の術前特性は、デキサメタゾン、オンダンセトロン、またはその併用による治療の傾向スコア(propensity weight)を算出するために用いられた。
次に研究者らは、これらの治療が術後悪心・嘔吐(PONV)に与える効果を推定するため、機械学習モデルを使用した。
解析は麻酔方法別に層別化され、Apfel らによる2004年のPONV試験(N Engl J Med 2004;350[24]:2441-2451)のデザインを反映する形で行われた。
研究チームはまた、術前の患者プロファイルと術中の生理学的データを組み合わせ、PONV、重度の術後疼痛、PACU滞在延長などのPACUアウトカムを予測した。
モデルの性能は、標準的な予測精度指標を用いて評価された。治療群のバランス調整に用いられた術前患者プロファイルは、PONVに対する制吐薬の期待される予防効果を再現した。
麻酔方法別に層別化した解析でも同様の傾向がみられ、術中生理データからは、亜酸化窒素、プロポフォール、セボフルランに関連する既知のPONVリスク差も捉えられていた。
Federal Cuts for Naloxone Funding: Costs and Concerns, Part 2: The True Costs of Federal Naloxone Cuts
ナロキソン(オピオイド過量救命薬)への連邦政府補助金削減が、実際にどのような影響やコストを生むのかを分析する記事・報告の第2部 過量死の増加リスク ナロキソン配布が減ると、救命の「最後の砦」が失われ、死亡率が上昇する。地域格差の拡大 都市部は寄付や非営利団体で補えるが、地方や低所得地域は供給が激減。
救急医療の負担増 現場での即時対応ができず、救急搬送や集中治療の増加につながる。
薬物使用者支援プログラムの縮小 ハームリダクション団体が配布量を減らし、 outreach(外展活動)が困難に。
医療費・社会的コストの増大 救命できたはずのケースが重症化し、結果的に医療費が跳ね上がる。
Amputation Rates Rising Among Opioid-Related Hospitalizations
研究期間中、全国的に粗切断率は上昇していたが、その増加はオピオイド関連入院でより急峻であり、2016年の1万件あたり55.6件から2022年には92.3件へと増加した。
オピオイド非関連入院では、粗切断率は1万件あたり58.9件から79.7件へと上昇した。
全国レベルでは、オピオイド関連入院と非関連入院の間の切断率の差分の差(difference in differences)は13.2(95% CI, 6.4–19.9)であった。
地域別では、北東部で18.4(CI, 4.4–32.4)、西部で19.1(CI, 3.3–34.9)であった。
オピオイド関連入院では、非関連入院と比べて、より中枢寄りの部位や上肢の切断が多く、上肢切断はそれぞれ8.5%対5.2%、膝またはそれ以上の切断は17.9%対14.6%、下腿切断は25.7%対20.4%を占めていた。
「このメカニズムは、おそらく注射を含む薬物使用行動に関連している」と Karandinos 医師は述べた。
対照的に、オピオイド非関連入院での切断は、足趾または足の一部に及ぶものが多く、61.7%であったのに対し、オピオイド関連入院では50.3%であった。
これは、薬物使用というより、糖尿病や末梢血管疾患との関連を示唆している。なお、この研究デザインでは因果関係を特定することはできず、リスク因子の一部を見落としている可能性がある。
The Wounded Healer: Confronting Compassion Fatigue and Moral Injury
最も献身的なケア提供者であっても、共感や技術、使命感をもって仕事に臨む人であっても、決して無敵ではない。
むしろ、最も献身的な人ほど、その仕事がもたらす情緒的負荷の影響を深く受けやすい。
苦痛、喪失、不正義、そして制度的制約に繰り返しさらされることは、単にレジリエンスを試すだけではなく、それを蝕むことさえある。
時間の経過とともに、絶え間ないケアの要求とシステムの不備が重なり、いまや広く認識されている「思いやり疲れ(compassion fatigue)」へとつながりうる。
そして、臨床家が自らの倫理的信念に反する行為を求められたとき、別の種類の傷害――「モラル・インジャリー(moral injury)」――が生じる。
これらはいずれも、個人の失敗を示すものではない。
Erector Spinae Plane Block Offers Opioid-Sparing Advantage But Limited Pain Reduction in Hernia Repair
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術後において ESP ブロックはオピオイド消費量を減らすものの、疼痛軽減は臨床的に有意とは言えず、開腹手術に対する有効性も不確実であると結論づけた。
現時点のエビデンスでは、脊柱起立筋平面ブロック(ESPブロック)を推奨するには不十分
5月
Clinical Decision Support to Reduce Opioid Prescribing at Discharge for Inpatients Undergoing Surgery (LESS Study)
手術入院患者の退院時オピオイド処方量を減らすために、臨床意思決定支援(CDS)を導入し、その効果を Interrupted Time Series(ITS)解析で評価した研究で、電子カルテ内の シンプルな CDS 介入だけで、過剰処方を大幅に抑制できる。病院全体のオピオイド管理戦略として有効。他施設でも導入可能な汎用性の高いアプローチ。
Opioid Free anesthesia in cardiac surgery: The OFACAR randomized clinical trial
320人のポンプ使用バイパス手術の麻酔方法でオピオイドフリー麻酔(ケタミン、ステロイド、マグネシウム、リドカイン)は、スフェンタニルの麻酔と比較して、心血管系合併症や消化管合併症を軽減、死亡も少なかった。大規模な研究がまたれる
Perioperative Challenges in Adults with Transposition of the Great Arteries
大血管転位症(TGA)を持つ成人患者における周術期(手術前・中・後)の管理上の課題
右心室が全身循環を担うため、右心不全リスクが高い、動脈スイッチ術後では冠動脈再建部の問題が残ることがある。心房内スイッチ術後は心房頻拍・徐脈・伝導障害が多い、ペースメーカー依存の患者もいる。前負荷・後負荷に対する反応が通常と異なる。麻酔薬の影響が大きく出やすい
Airway on Demand: Use of Transcutaneous CO2 Monitoring During Jet Ventilation
ジェット換気(Jet Ventilation)中に経皮的 CO₂ モニタリング(TcCO₂)を用いて、気道管理の安全性と精度を高める方法を解説した臨床的コンセプトで、CO₂ の蓄積(高炭酸ガス血症)をリアルタイムに把握しにくい問題を解決する
Rapid Response Can Help Tame Malignant Hyperthermia
病院の MH(悪性高熱症)管理プロトコルでは、 誘発薬剤の即時中止、積極的な冷却による体温の正常化、そしてダントロレンナトリウムの静脈投与が求められる。 ダントロレンは骨格筋弛緩薬で、再構成に1分未満で済む製剤と、10〜12分かかるが安価な製剤の2種類がある。
Musselman 氏は、MH が「非常にまれ」ではあるものの、迅速に認識され対処されなければ致死的となり、死亡率は80〜90%に達し得ると指摘した(Crit Care Med 2024;52[12]:1934-1940)。「だからこそ、MH の徴候と症状を理解しておくことが非常に重要」。
また、知識を得るための第一歩として、米国悪性高熱症協会(MHAUS.org)と関わることを推奨している。MHAUS は、MH に関する最も包括的な情報とガイダンスを提供する組織として広く認識されている
New Guidance Offers a Practical Approach to Genetic Testing for Malignant Hyperthermia
MHは感受性のある患者に生命を脅かす反応を引き起こす可能性がある。 そのため、事前に患者を特定し、家族歴を把握し、安全な麻酔を提供することが非常に重要。MHリスクのある患者は臨床的には全く健康に見えることが多く、予測が難しいと指摘。遺伝子検査の感度はおよそ70%です。つまり、疾患が強く疑われる状況で遺伝子検査が陰性でも、30%の確率で実際には疾患を持っている可能性がある。疑いのあるすべての患者に CHCT(カフェイン・ハロタン収縮試験)を提供することはできない
Optimal VTE Prophylaxis Timing After TBI Varies by Injury Severity, Early Trajectory
試験エミュレーションには合計 1,039,147人のTBI(外傷性脳損傷)患者が含まれ、そのうち 431,210人がICUに入院していた。これらの患者では、VTE予防開始までの中央値は48.4時間であった。 解析の結果、集団レベルでは、VTE予防を早期に開始するほど短期的な有害転帰のリスクが高いことが示された(ハザード比:24時間で1.36、48時間で1.15、72時間で1.08)。 一方で、72〜96時間の間で予防効果が現れることが確認された。研究者らが0〜24時間の臨床経過に基づいてクラスタリングを行ったところ、最適な予防開始時期が異なる5つの明確なフェノタイプが同定された:低重症度の外傷患者(n=108,422): 24時間後のCT再評価を経て、24〜48時間で最適な予防効果がみられた。中等度の多発外傷患者: 72〜96時間で最適な保護効果(HR 0.85)。重症TBIで早期に頭蓋内圧モニタリング/手術介入が行われた患者: 72〜96時間で最適な保護効果(HR 0.72)。出血コントロール経路で管理された患者: 保護効果が得られる時間窓は確認されず。マスエフェクトを伴う頭蓋内出血患者: 保護効果が得られる時間窓は確認されず。
Novel Tool Measures Physical, Mental Fatigue Among Acute Care Physicians
2024年4月1日から2025年3月31日までの間に、10人の外科医が所属する単一施設で実施された530件の勤務終了時評価データを収集した。これらの医師は、1分以内で記入できる日々の勤務評価を行っていた。 勤務評価では、身体的・精神的・時間的負荷、努力、フラストレーション、パフォーマンスの6つの領域における作業強度を測定した。これらの領域は、NASA Task Load Index(NASA-TLX)の手法を用いて20点尺度で評価された。 研究者らはさらに、外科医が勤務後に送信した237件の自由記述コメントも収集し、質的分析に用いた。また、緊急一般外科、バックアップ当番、24時間当直の勤務で燃え尽き度が最も高かったことに加え、研究者らは医師への要求度が最も高かったのは24時間当直(13点、P<0.01)であることも明らかにした。 さらに、精神的負荷が最も高かったのは、緊急一般外科、外科系ICU(SICU)、24時間当直(いずれも13点、P<0.01)の勤務後であった。
Combating Misinformation in the Technology Age
COVID 以降、誤情報や偽情報の量が爆発的に増え、それが広がるスピードも非常に速くなっている。その増え方は指数関数的で、科学や医療従事者への信頼が低下し、代わりに仲間や友人への信頼が高まっていることを示す研究もある。世界的な“知識のエコシステム”が直面している脅威、特に医療分野における誤情報・偽情報の増加と、それが患者や一般市民に与えている影響に焦点を当てたインタビュー
Novel Tool Measures Physical, Mental Fatigue Among Acute Care Physicians
1日の勤務終了時に行う10点満点の評価を用いて調査したところ、救急一般外科、バックアップ当番、24時間当直の後に、最も高いレベルの全体的バーンアウトが測定された(P<0.01)。 この結果は、カンザス大学医学部(カンザスシティ)の外科准教授であり、救急一般外科部門長である Jennifer L. Hartwell 医師が発表した。研究者らはさらに、24時間当直が最も高い身体的負荷を要することを明らかにした(P<0.01)。 また、救急一般外科、外科系ICU(SICU)、24時間当直の勤務が、医師にとって最も高い精神的負荷をもたらすことも示された(いずれも P<0.01)。
Pediatric Anesthesia, Reported Neurologic Events in Chile, and the Mitochondrial Hypothesis
報告された神経学的所見には、覚醒遅延や、両側の大脳基底核損傷と一致する画像所見
ND4遺伝子(呼吸鎖複合体I)内に位置しており、SACH会長へのインタビュー(bit.ly/4aL5bP0)では「意義不明のバリアント(variant of uncertain significance)」と説明
この変異が揮発性麻酔薬に対する感受性を高める可能性が検討されている。しかし、現時点で明確な因果関係を示す論文は発表されていない
ASA, SPA Address Gene Mutation Linked To Complications After GA
「南米の麻酔学会からの最近の通達や米国での症例では、ベネズエラ系の成人および小児の健康な患者が、一般的に使用される揮発性麻酔薬への曝露後に、重度の神経障害や死亡を含む予期せぬ壊滅的な転帰を示したと報告、ASA(米国麻酔科学会)ミトコンドリア関連ハロゲン化薬剤感受性に関する特別委員会の委員長であるDebnath Chatterjee医師は Anesthesiology News へのメールで「母系のベネズエラ血統を持つ患者、または麻酔薬過敏症の既往がある患者に対しては、揮発性麻酔薬の使用を避け、脳波処理モニタリング(processed EEG)を使用することが、米国麻酔科学会および小児麻酔学会の現行推奨。特定の ND4 遺伝子変異について注意喚起すべきであると提案。ND4遺伝子とは、ミトコンドリアDNAに存在する「複合体I(Complex I)」の構成要素をつくるための遺伝子で、エネルギー産生に極めて重要な役割を持つ遺伝子
Giant Aortic Arch Aneurysm: Preoperative Three-dimensional Airway “Roadmap” for Safe Intubation
巨大な大動脈弓瘤は生命を脅かす気道圧迫を引き起こす可能性があり、周術期麻酔管理に大きな課題をもたらす。術前の三次元気道再構築は、気道圧迫の詳細な解剖学的情報を提供し、挿管戦略の選択に有用である。臨床では、冠状断再構成や多断面再構成をバーチャル内視鏡と組み合わせて用いることができる。まずバーチャル内視鏡で病変部位を特定し、軸位・矢状・冠状断で同期的に位置を確認する。特に軸位断では、狭窄の重症度と正確な解剖学的位置を評価できる。挿管は柔軟性気管支鏡ガイド下で行う必要があり、小さめの気管チューブを選択し、瘤破裂を避けるために極めて慎重に操作するべきである。ダブルルーメンチューブの挿入が困難な場合には、シングルルーメン気管支チューブ+気管支ブロッカー、あるいは VA-ECMO による侵襲的気道サポートを検討することも可能である。術中の柔軟性気管支鏡は、気道開存の確認、チューブ位置の調整、術後気管軟化症の検出に不可欠である。術前の三次元画像と術中の柔軟性気管支鏡を組み合わせて活用することで、周術期の気道安全性が大幅に向上し、気道関連有害事象のリスクを最小限に抑えることができる。
The Potential Fallout of UnitedHealthcare’s Billing Policy: When Reimbursement Ignores Risk
ユナイテッドヘルスケアの請求方針がもたらす潜在的な悪影響:リスクを無視した償還が引き起こす問題。償還方針は単なる会計上のツールではなく、診療行動を形成し、医療提供者の配置に影響を与え、患者安全にも影響を及ぼし得る。この方針が展開されていく中で、その影響を注意深く監視し、データの透明性を求め、コスト削減策が最も脆弱な患者のケアを損なわないようにすることが不可欠である。最も重症の患者には最高度の技術が必要であり、医療システムはその価値を診療と支払いの両面で反映すべきである。
Continuous Versus Intermittent Blood Pressure Monitoring to Reduce Intraoperative Hypotension
連続血圧モニタリングは、従来の間欠測定と比較して、術中低血圧の発生時間を有意に減らす。 術後合併症の改善は明確ではないが、血圧管理の質向上という点で臨床的価値が高く、特に高リスク患者での使用が推奨される。
Technology Can Aid Anesthesiologists if Implemented Right
今後 10 年で麻酔科医の不足が生じ、多くの医療機関が逼迫する可能性があることから、新しいテクノロジーは麻酔診療における重要な歯車であり続けると述べた。テクノロジーは失われつつある労働力の一部を補完できる。また、AI を活用することで、患者ごとに必要となる膨大な記録や情報を効率的に処理できる点も強調した。「私たちの仕事で最も危険な側面のひとつは“情報過多”。私たちは構造化されていないデータの海に溺れている」と 述べる。
Experts Deliberate Readiness, Usage of AI in Anesthesia
麻酔領域において、AI が患者安全を高める可能性は非常に大きいと考えています」と彼女は述べた。「AI は、低血圧、呼吸不全、出血、さらには死亡といった周術期合併症を予測する助けとなる可能性があります。私たちが望んでいるのは、その情報を活用して介入し、これらの合併症が起こる前に防ぐことである。生成AI(GenAI)と従来型ソフトウェアの違いを強調した。従来のソフトウェアシステムは、同じ入力に対して常に同じ出力を返すが、GenAI はそうではなく、学習したデータに基づいて入力に反応する。Ruskin 氏はまた、GenAI や大規模言語モデル(LLM)に広く知られている問題点として、特定領域の専門知識の欠如、幻覚(hallucination)や不正確さの問題、さらに 学習データに由来するバイアスや患者プライバシーの問題といった倫理的課題 を挙げた。
Researchers: Adding Acetaminophen or an Opioid To Ibuprofen for Children Doesn’t Add Up
子どもの約 3 分の 2 がイブプロフェン単独では十分な鎮痛が得られていないことを指摘。子どもの痛みを適切に治療することは非常に重要です」と彼女は述べた。「小児期に治療されなかった痛みは、成人期の慢性疼痛や医療への恐怖につながる可能性がある。イブプロフェン+ヒドロモルフォン群 4.8±2.6、イブプロフェン+アセトアミノフェン群 4.6±2.4、イブプロフェン単独群 4.6±2.3 と、いずれも同程度であったと報告した。また、ベースラインから vNRS が 2 ポイント以上改善した患者の割合は、イブプロフェン+ヒドロモルフォン群:44.9%、イブプロフェン+アセトアミノフェン群:47.0%、イブプロフェン単独群:48.5%であり、こちらも群間で大きな差は認められなかった。さらに、副次評価項目においても群間に有意差はみられなかった。
Single-Unit Blood Transfusion Found Effective for Non-Bleeding, Anemic Trauma Patients
フロリダ州アメリアアイランド発――出血していない外傷患者で無症候性貧血を有する場合、1単位の輸血は安全かつ有効であることが示された。これは、1単位輸血と2単位輸血を比較した研究によるもので、より制限的な輸血基準を支持する結果。彼らは、単位輸血を受ける前のヘモグロビン値が 7 g/dL 未満かつ 6 g/dL 以上である、循環動態が安定した成人患者を対象とし、1単位の赤血球濃厚液(PRBC)輸血と2単位輸血を比較
AI Accurately Predicts Difficult Airways Using CT-Based Radiomics
2400人の頭頚部手術を受ける患者で、12%に気道管理困難が発生。放射線画像解析(radiomics)に基づくモデルと、過去の困難気道歴を組み合わせることで、AUC 0.94、精度 0.83 を達成した。過去の困難気道歴が最も影響力の大きい予測因子として特定され、次いで、上気道の表面積を示すメッシュ体積、上気道の容量を示すボクセル体積、球形からの偏位を示す球状度、上気道の最大距離を示す3D最大径、そして圧迫の程度を示す扁平度が、重要度の高い順に続いた。放射線画像解析(radiomics)単独でも、困難気道を90%以上の精度で予測できた
Managing Drug Waste in the Modern Health System
部分使用された薬剤バイアルによる廃棄物の発生を避けること、そして複数の診療拠点における医薬品廃棄物処理という同様に困難な課題——この2つの別個だが関連する問題は、今日の医療システムが直面する持続的な運用上の課題である。薬剤廃棄の最大の原因の1つは、部分的に使用された薬剤バイアルの継続的な廃棄。ミダゾラム廃棄の85%、ヒドロモルフォン廃棄の79%が、バイアルのちょうど半量を廃棄するケースであり、著者らはこれを『包装や投与量の標準化介入によって改善可能な、部分投与廃棄の体系的パターンと指摘。最も安い購入価格はどれか』ではなく、『貴重なリソースを活かしつつ、効率的な運用の中で最も適した選択は何か』を考える必要あり。
Airway on Demand: Vocal Cord Lesion Removal During THRIVE
THRIVE 中の声帯病変切除
New Data Reveal Suzetrigine Shows Promise In Reducing Postoperative Opioids
スゼトリジン(Journavx, Vertex)は、広範な再建・美容外科手術を受けた患者において、最大14日間の非オピオイド阻害薬治療により、90.9%の患者がオピオイドを使用せずに回復したことが示された。電位依存性ナトリウムチャネル1.8の強力かつ高選択的阻害薬であるスゼトリジンは、成人の中等度から重度の急性疼痛を治療するための50mg経口錠として、2025年1月にFDAにより初めて承認された。オピオイドを急性期に減らすが、この薬剤の位置づけをより確固たるものにするには、美容外科、外反母趾手術、腹部形成術だけでなく、他の外科手術にも対象を広げた研究が必要だろう。関節置換術でのデータが見られれば
Preoperative Psychological Well-Being Related to Postoperative Pain Levels
本研究は、術前の心理的健康状態が術後の疼痛レベルおよび生理学的パラメータと関連していることを示している」と著者らは述べている。「特に両側乳房切除術を受ける患者においては、術前の看護ケアに心理的評価とサポートを組み込むべきである
Combining Cannabis With Opioids Doesn't Reduce Pain for Knee Arthritis
動物実験では相乗的な効果を示したオピオイドと大麻だったが、人において副作用が強く痛みに対して有効でなかった(TKA手術を対象)
Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation Alleviates TKA Pain
結果として、TENS 群では痛みの強さ、悪心、嘔吐、不安、恐怖、絶望感といった複数の否定的アウトカムが軽減されたことが示された。一方で、睡眠の質および疼痛治療への満足度は、対照群と比較して TENS 群で有意に高かった(P<0.05)。両群とも、非薬物的鎮痛法として祈りと冷罨法を好む方法として選択していた。
Technology Allows Doctors to 'Touch' Patients From Afar, Reducing Pain Symptoms
remote therapeutic monitoring(RTM)とは、治療計画に関連する“非生理学的データ”を遠隔でモニタリングする医療サービス。 痛みの程度、運動療法の実施状況、服薬アドヒアランス、機能回復の進行など、患者が自宅でどのように治療に取り組んでいるかを継続的に把握するために用いられる。研究者らは、2021年11月から2025年5月までに Adhere+ プラットフォームで収集された 270万件以上の電子的患者報告アウトカム(ePRO)を解析した。コホートには、米国各地のクリニックから約84万4,000人のユニーク患者が含まれていた。18週間の観察期間において、患者は不安(–30.4%)、抑うつ(–17.1%)、疲労(–17.2%)、痛み(–6.1%)の症状に統計学的に有意な改善を示した。RTM アラートは、監視されたケースの35%以上で医療提供者による対応につながった
Beyond Unconsciousness: Optimizing Antinociception during General Anesthesia
手術中の侵害受容(痛み刺激の神経系への入力)をどう最適に制御するか を論じたレビュー論文。• 意識消失だけでは麻酔管理は不十分であり、侵害受容の最適化が不可欠。現在の臨床は経験則に依存しており、 より精密なモニタリングと個別化された抗侵害受容戦略が必要
Artificial Intelligence–driven Avatar Simulation for Preanesthesia Assessment Training
AI による対話型アバターを用いた仮想患者シミュレーションが、教育の質を高める手段として注目。AIアバターを使った麻酔前評価トレーニングの 実現可能性(feasibility) を検証。学習者(麻酔科医・研修医)が どの程度リアルに感じ、教育効果を得られるか を評価。AIアバターは高いユーザビリティを示し、研修医の満足度も高く、患者応答のリアルさも高評価も誤情報を生成するリスク や 完全な代替にはまだ課題
Federal Cuts for Naloxone Funding: Costs and Concerns, Part 1: How Many Lives Does Naloxone Save?
政府はナロキソンの使用を減らしていく方向の政策を打ち出す。ナロキソンがどの程度人を救ったか?に関する議論
Exploring the Promise and Pain of GLP-1s
GLP-1薬にまつわる利点と欠点:23,025 人の調査により、GLP-1阻害薬の継続率は低く、1年31%, 2年18%, 3年8%だった。薬剤師さんの重要な役割を説明。両方の薬剤を同時に使用しても臨床的な利益はなく、費用が増える点を説明
4月
Top of April
Painful DPN Predictors Elucidated in New Study
501,518人のDM患者を分析。1/3は有痛性末梢神経障害を呈する。痛みの部位数が多いことを痛みのリスク因子として特定したのは本研究が初めてであり、これは中枢性感作(centralized pain)の関与を示唆している可能性がある。混合性疼痛(侵害受容性、神経障害性、ノシプラスティック疼痛の組み合わせ)は、より支配的な疼痛発生源として機能する可能性がある。 その結果、他の疼痛発生源が表れにくくなったり、隠れてしまう可能性があると研究者らは推測した。また、抑うつスコアが高い患者の方が痛みのリスクが低下し、逆に強度の高い身体活動を行っている患者の方が痛みを発症するリスクがやや高いという結果は予想外だった。この結果は、痛みを伴うDPNと抑うつの間に正の相関を示してきたこれまでの研究とはやや矛盾
The Policy and Financial Pressures Reshaping Patient Access in 2026 and Beyond
2026年以降、患者の医療アクセスを再構築する政策的・財政的プレッシャー、高額な自己負担は、患者が最初の処方薬を受け取らない主な要因。人々が自分に合った適切なプランを探し、選択するのを支援するサポートで、低所得者向けの特別加入期間は終了。 さらに、現在進行中のメディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)による規則では、壊滅的補償プラン(catastrophic plan)の自己負担上限が1万5,000ドル超に引き上げられ、標準化されたプラン設計が廃止される
Patient Outcomes as Healthcare’s Satirical Solution
患者アウトカムこそ医療の風刺的“解決策。年間4.2兆ドルが医療費として支出されており、これは国の国内総生産(GDP)の16.5%を占めている。この驚異的な数字は、技術革新や科学的進歩といった他の分野で達成できたはずの発展を確実に押し下げている。これらの医療費の大部分は民間または政府の医療保険によって補填されているものの、約8%は十分な医療保険に加入していない人々が負担しており、深刻な経済的困難を招くことがある。多くの場合、十分な保険に加入していない人々はその負債を返済できず、医療機関にとって大きな収益損失の原因となっている
Exploring Gamification of the Incentive Spirometry Tracker Device: A Survey of Patients, Providers, and Healthcare Employees
ISTracker は、多様な集団において IS(インセンティブスパイロメトリー)への参加を高めることを目的として作られた。 ゲーミフィケーションとデータ取得を組み合わせたこの仕組みは、標準的なスパイロメーターでは利用できない機能を備えており、周術期ケアの改善や今後の研究の方向性を示す有望なアプローチである。
Quantitative Electroencephalogram Changes before and after Postoperative Delirium: A Prospective, Multicenter Cohort Study
379人の手術を受ける患者を対象に18%が術後認知機能低下を示した。本研究では、術前のベータ振幅に基づく結合性の低下が、術後せん妄(POD)に対する神経生理学的脆弱性の指標となり得ることが示された。 しかし、定量的 EEG 指標において有意な経時的変化が認められなかったことから、この集団では術後3か月の時点で、安静時 EEG ネットワークが機能的に回復、あるいは代償している可能性があることが示唆される。
A population-based cross-sectional analysis of extended-release opioid dispensing incidence, prognostic factors, and variation after total joint arthroplasty
カナダにおける229,995人の股関節または膝関節の人工関節置換術後、10人に1人の患者が ERO(extended release opioid:徐放性オピオイド)処方を調剤しており、この実践には大きなばらつきが見られる。 そのばらつきは患者要因ではなく、主に施設ごとの慣行や外科的実践パターンによって左右されている。神経ブロックやAPSは保護的に働くが(ASA3は危険因子)。今後の研究では、施設レベルでの適正使用(スチュワードシップ)、標準化された退院プロトコル、そして多職種連携を通じて、術後の不必要な ERO への曝露を減らす方法を検討すべきである。
Determining the Optimal Block for Breast Surgery
術式に応じてブロックの種類を使い分けることが重要(前鋸筋ブロック、PECSブロック、ESP)など、傷の大きさや拡大手術に応じて対応する
Short-Course Abx Therapy Appropriate for Hospital-Acquired Pneumonia in ICUs
院内感染の肺炎に対して有効なのは、長期間より短期間の抗菌薬投与群で、再発も少なく病院滞在日数も減少。
New Liposomal Drug Delivery Enhances Bioavailability
月に1回の皮下投与で肝臓での初回通過効果を回避する高度なリポソーム送達システム。 代謝は大幅に少なく、その結果として90%以上という驚くほど高いバイオアベイラビリティが得られる薬剤を紹介。この送達システムが特に有効となる患者はいるのか、また、より従来型の投与経路が最適となる患者群は存在するのか、が今後の課題
Optimizing Trauma and Burn Care for Children Will Require System-Level Change
小児の外傷、熱傷センターは成人とは異なる医療レベルを要求される。小児医療は季節性の需要変動が大きく、特に呼吸器ウイルス流行期に深刻な逼迫が起こる。 これに対応するためには、MOCC のような広域調整機能と、小児虐待スクリーニング・外傷ケアの質改善・州レベルの準備状況の把握など、多面的な取り組みが必要である。
Announcing Allowable Blood Loss in Timeout Reduces Cesarean Transfusions
タイムアウトで出血の可能性(低いHb管理)を報告しておくと、帝王切開における輸血量を減らすことができる
Balancing Artificial Intelligence With Human Decisions
麻酔の安全性を向上させるためにどのようにAIを使用すべきかを議論する。現在は現実的な麻酔状況とAIの設定には乖離がある。
Perspectives of Children, Parents, and Healthcare Providers on Outcomes after Anesthesia for Surgery: An International Mixed Methods Stakeholder Engagement Study from the Pediatric Perioperative Outcomes Group
国際的なステークホルダーへの半構造化インタビューから得られた見解は、アウトカム評価調査の結果を補完し、小児周術期研究におけるコアアウトカム選定を支えるための、幅広く客観的で基盤となるステークホルダーの視点を提供するものである。これらの結果は、小児周術期ケアにおける最終的なアウトカム測定の関連性、包括性、そして患者中心性を高める可能性がある。
Evaluating the Acute Effects of the Cannabinoid Dronabinol and the Opioid Hydromorphone Alone and in Combination: A Double-blind, Randomized, Placebo-controlled Trial in Knee Osteoarthritis
オピオイドとカンナビノイド使用で相乗効果が期待されたが、OAを有する患者には無効であることが判明(これは以前の研究結果と異なる)。単独よりむしろ副作用が強く生じた
Intranasal Naloxone Reversal of Opioid-induced Respiratory Depression in Opioid-naive Individuals and Self-reported Daily Opioid Users
経鼻のナロキソン投与は呼吸抑制患者に有効であるが、オピオイド使用量が多いケースやスフェンタニル使用患者には注意が必要
High-flow Nasal Oxygenation in Infants Undergoing Tracheal Intubation: A Single-center Randomized Controlled Trial
小児の気管挿管に通常のマスク換気とネーザルハイフローを用いた導入のRCTを行うもSpO2の低下に差はなし(胃内への空気流入は減少)
A Review of Regional Procedures for Cardiac Surgery: What Works Where?
MICSではESP, PECS II, and serratus anterior plane (SAP) ブロックがオピオイド使用量を減らすのに有用。正中切開では約8-10%が慢性痛に移行し、オピオイド使用あり。米国の年間750,000件を解析
Anesthesiologists Are Uniquely Positioned to Help Reduce Opioid Overdoses
麻酔科医が一番オピオイドの過量投与を未然に防げるポジションで仕事をしている。47,600 in 2017 to 80,186 in 2022に増加で、特に若い人の過剰摂取が増加し死亡率の上昇と関連があり。2024年には27%減少もまだまだ死亡は継続
光生病院で卵
Operating Under Observation: Privacy And Professionalism in a Recorded OR
手術室における録音に関する記事。医療者を守る法律も必要?
2022年3月7日、ニューヨーク市のメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターで、ジェニファー・カパッソというトランスジェンダー女性が手術を受けた。カパッソ本人以外は誰も知らなかったが、彼女は麻酔をかけられる前にスマートフォンの音声録音を開始していた。その後に起きたのは、手術室スタッフがカパッソの身体についてコメントしたという、広く報道された出来事であり、最終的には医療機関に対する訴訟に発展した。しかし、差別の問題を超えて、この事件は現代医療における重要で進化しつつある問いを浮き彫りにした――たとえ患者が意識を失っているように見えても、医療者は「聞いているかもしれない患者」に対してどのような義務を負うのか、という点である。不安を覚えるような出来事ではあるが、このような事例はもはや孤立したものではない。
スマートフォン、ウェアラブルデバイス、デジタル記録システムがほぼ普及したことで、手術室におけるプライバシーの概念は大きく変化した。患者は意図的または偶発的に会話を録音する可能性があり、医療機関も品質向上、教育、AIによる記録のために音声・映像技術を利用することが増えている。今日の手術室は、ますます「録音される環境」となりつつある。麻酔科医にとって、この変化は新たな、そしてしばしば不確実なプライバシー環境を生み出しており、それは従来のHIPAA準拠をはるかに超えた、法的・倫理的・専門的な問題を提起している。
New Ketamine Study Shows No Superiority to Placebo
1522人の腹部手術を対象にRCT.プラセボと比較して、病院滞在日数、オピオイド消費量に差はなし。むしろめまいなど副作用が多く、ERASプロトコールには適応なし
ERAS Program Shows Promise Reducing Surgical Site Infections
SSIは米国において5%から2%に減少。ERASプロトコールの導入により成功
年間160,000 to 300,000 件の手術のうち
Why We Need a Breath of Fresh Air in Inhaled Anesthetic Research
吸入麻酔薬の需要は190憶ドルから2030年までに320億ドルまで伸びる。sevoflurane, desflurane and isofluraneで85%を占めている。現在においが優れて、低血圧を起こさない吸入麻酔薬の開発が行われている現状を説明
世界中で年間3130000000件の手術が行われている(31億件)
Lancet. 2019;393(10170):401. doi: 10.1016/S0140-6736(18)33139-8.
New Ketamine Study Shows No Superiority to Placebo
腹部手術において、ERAS管理においてケタミンとプラセボの導入を比較したRCT
1522人を解析し、病院滞在日数やオピオイド使用量減少させなかった。イレウスを減らさず、めまいや幻覚などの副作用が発生し、むしろICU入室も増加した
Bluesight Report: Hospitals Step Up Diversion Surveillance
病院は薬剤の不正使用流出の監視を強化し、6%は処方間違いが発生している。フェンタニル、ミダゾラム、モルヒネ、プロポフォールが注意薬として挙げられている
Opioid-Free Anesthesia Study Suggests Opioids Optional in Selected Patients
腹腔鏡下手術においてオピオイドなしの麻酔管理と通常の管理において、術後の痛みスコアに差はなし。オピオイドフリー群はDEXを手術開始から使用。術後はエスケタミンを使用。76人のRCT
Airway on Demand: Endoscopy Converts Awake Intubation to Routine Induction
従来は意識下挿管していた症例も、ビデオ喉頭鏡の進歩で減少している
Top of March
The Frost Series: Right Internal Jugular Central Line Entering the Left Subclavian Vein
右内頚静脈からの中心静脈カテーテルが左鎖骨下静脈へ迷入。要因として解剖学的問題、手技に係る問題、異常な静脈フローや圧迫が挙げられる。きちんと確認し、リスクを同定し、予防していくことが重要
Nonsterile Ultrasound Gel Linked to Ongoing Infections
エコーを使用する際に、非清潔のゼリーを使用するとバークホリデリア属の最近のコンタミネーションが発生する。病的意義があるかは、不明であるが、手術の際の不必要な抗菌薬使用が要因となっている可能性あり
3月
Pharmacogenetic Algorithm May Help Predict Opioid and Pain Risks After Lumbar Spine Surgery
205人の腰椎手術を受けた患者を分析。術前情報、臨床症状、遺伝定素因、表現型の相違、オピオイド使用量を用いて、異なる機械学習で術後のPONV,呼吸抑制、オピオイド障害、長期の痛み、身体機能低下の予測モデルを作成
術前のオピオイド使用有無、痛みの強さ、不安度、破滅的思考、うつの点数に加えて遺伝的素因を調べるかは?コストと照らし合わせて(200ドル以下)考慮すべき
Up to 1 in 4 Patients Experience Complications After Major Surgery, Analysis Shows
7年間における1,214,539人の術後患者の25%が術後合併症を併発。30%はPONVあり。心臓の手術が多く、呼吸器合併症が最多で年齢とともに増加傾向
Reforming Healthcare: Dissecting the Medical Industrial Complex
米国で保険制度の見直しが現在なされている現状を議論。企業主体の保険は切り捨て、国家主導の保険を作り直すべきと提言
Anemia Linked to Higher Risk for Postoperative Cognitive Decline, Study Finds
1064人の予定手術で、年齢別、ASA, 貧血、教育レベルが術後の認知障害と関連あり。36.9%が術後1週間のPOCDがあり、3か月では8.4%であった。術前の貧血補正はアウトカムを改善するのか?
Palonosetron-Dexamethasone Cuts Late PONV Better Than Ondansetron Combo
パルノステロンとデキサメタゾンの組み合わせは、オンダンセトロンのコンボより術後48時間のPONV頻度を軽減する
palonosetron is long-acting and ondansetron is short-acting
Perspectives of Children, Parents, and Healthcare Providers on Outcomes after Anesthesia for Surgery:
An International Mixed Methods Stakeholder Engagement Study from the Pediatric Perioperative Outcomes Group
小児手術の麻酔後のアウトカムについて、子ども・保護者・医療者の視点を調査した国際的混合研究法によるステークホルダー参加型研究
(小児周術期アウトカムグループによる研究)で、痛み、合併症、メンタルヘルスと情緒的状態、そして環境というテーマが、関与したすべてのステークホルダーにとって重要であることを明らかにした。
また、医療提供者と患者・保護者の間では重視するテーマに違いがみられた。情緒的な健康、痛み、日常生活への復帰といった要素は、現在の研究アウトカムにおいて過小評価されている可能性がある。
Severe Postoperative Bleeding after Heart Transplantation
446人の心移植患者を後方視的に分析。25%が重度の出血を合併。メカニカルサポート必要患者が危険因子で予後不良1.9倍高い
Mechanical Power and the Association with Postoperative Impaired Oxygenation and Pulmonary Complications in Orthopedic Patients: Post Hoc Analysis of a Cluster Factorial Randomized Trial
整形外科手術を受ける2582人患者を分析し、術中のメカニカルパワーが高いほど、術後の酸素化不良とPPCと関連があることを明にする。Driving pressureは重要
4 Types of Burnout and Tips for Beating Them
麻酔科医の28%は一度は離職したいと考えたことがある、と調査により明らかになる。以前の2.3倍増加している。
4つのタイプがあり、身体的(physical burnout)・精神的(mental burnout)/燃え尽き症候群(attitude burnout)/技術的(skill burnout)に分類される
Food Insecurity a Key Socioeconomic Factor in Long-Term Pain Development
長期の痛みに関与する因子として食事の不安定さと孤独感を含む精神的な要素と鞘海経済的な要素が重要。641人の慢性痛患者に78の質問を行い、83%が食の不調を訴える
Data Support Removing Preoperative Gabapentin for Ambulatory Surgery Patients
術前のガバペンを中止したほうが救急の手術を受ける患者において、術後の回復が早く在院時間が短縮した
What Interventional Pain Anesthesiologists Need to Know About the Ambulatory Specialty Model
慢性の腰痛に対して、救急に来られた場合に、どの痛みのインターベンションが有効であるかについて理解するべき。考慮すべきこと:値段/腰痛の要因/成功すべき要素が整っているか
If You Assess a Patient and It’s Not Documented, It Didn’t Happen
アキレス腱手術の際に膝窩部の坐骨神経ブロックを併用したケースで、ブロック記録に全く問題はなかったが、術後の痛みが継続し1か月後にCRPSと至った症例を紹介。
ブロックが要因でないという麻酔科医と主治医の乖離があり、裁判となる。記録を残す重要性を強調
IV Fluid Shortage Linked to Jump in Postoperative Kidney Injury
ASA3の46,345 cases (38,068人)を分析し、輸液は1735mlから1036mlへ減少。コロイド使用の増加とAKIが関連あり
Frequency and Management of Maternal Peripartum Cardiac Arrest during Anesthetic Care: A Multicenter Retrospective Cohort Analysis
周産期における心停止症例を分析。60施設における778,102人を評価し、87例の心停止をレビュー。10万件に11件発生。40%が出血で30%が羊水塞栓。11%が麻酔に関連して発生。
67%は帝王切開中に発生。77%が後遺症なく回復する。40歳以上、BMI40以上、非白人、肺高血圧の合併や癒着胎盤が関連
Incidence of Pain during Cesarean Delivery with Neuraxial Anesthesia: An International, Prospective Cohort Study
3693人のC/Sを分析。7.6%が術中に痛みを訴える(予定:3.7%, 緊急5.7%).10%が術中管理に不満足。脊椎麻酔単独が低く、硬膜外を併用すると痛みの訴えが多い傾向
Deciding the Best Anticoagulation Agents in a Perioperative Setting
出血時の抗凝固療法の決め方とリバースの方法を解説
ASA Session Highlights Top Recent Studies in Critical Care Medicine
Perioperative Pulmonary Hypertension Signals Cardiac Risk During GI Surgery
非心臓手術における周術期の肺高血圧症の頻度は増加傾向で、アウトカム(2%心血管系合併症)に影響している
End Game: The Final Chapter of the Private Anesthesia Group vs. Hospital System vs. Private Equity Firm Trilogy
米国では2024年全体の42%がフリーターに所属(2012年は60%)し、減少傾向。
Buprenorphine Safer for Managing Cancer Pain, but Access Problematic
レペタン(舌下投与や経皮タイプ)はオピオイドを使用しているがんの疼痛治療に有効であることが示されているが、実際には保険適応がない現状の問題点が示される(FDAは認可していない)
Durable Outcomes Reported in 5-Year Study of 60-Day PNS
603人の腰痛患者のうち79%が、末梢神経刺激術を60日間行い、手術を回避し痛み、QOL,身体機能、気分や睡眠を改善する SPRINT PNS treatmen
A Novel Role of Dexmedetomidine in the Modulation of Morphine Reward Memory via Gamma-Aminobutyric Acid Transporter-1
オピオイドによる報酬系の記憶は側坐核におけるドーパミン放出増大が関与している。
DEXはα2経路と無関係のγアミノ酪酸を細胞内に取り込むトランスポートを介して、オピオイド依存を解決する可能性あり
Diversion Software Success Hinges on Trust, Workflow, and Follow-Through
薬剤に関するDiversion Software が成功するためには、信頼性、効率的な業務プロセス、そして確実な実行が不可欠だ。
Diversion Software = ゲーム開発・3D制作向けの高速クラウド型バージョン管理システム
Association of Peripheral Nerve Block with Postoperative Myocardial Injury in High-risk Cardiac Older Adults Undergoing Hip Fracture Surgery: A Two-center Retrospective Cohort Study
股関節の骨折手術において、全身麻酔または腰椎麻酔に末梢神経ブロックの単回投与を加えると、心血管系リスクのある患者の術後心筋障害を軽減するという後方視研究(痛みと心筋障害の関係)
Evidence-Based Strategies Refine Care For Patients With Acute Lower GI Bleeding
チームでのアプローチが必要:輸液・循環管理を行いつつリスクを同定。CTアンギオ施行して出血点の同定し、塞栓も考慮。安定した後大腸カメラを行い、必要なら手術。出血が継続するケースもあり
New Liposomal Drug Delivery Enhances Bioavailability
リポ化した薬剤の生体内における具体的な親和性についてレビュー。肝臓通過後90%以上が代謝されず、生体内(特に脳で)利用される。
2月のTop5麻酔ニュース
ER Injectable Buprenorphine Fails in Clinical Trial, But May Still Have Use for OUD
オピオイド依存の患者にERでレペタンを使用して効果が不十分であるにかかわらず、メサドンやレペタンがいまだ使用されている現状を紹介
Opioid-Free Anesthesia Matches Opioid-Based Regimens for Postoperative Pain
腹部手術において、オピオイドフリー麻酔は術後にオピオイドを使用する麻酔方法に比べて慢性痛になりやすいJAMA Surg 2023;158(8):854-864。35,632 を解析し、
13%がOFAを施行。けたミン、アセトアミノフェン、DEXを使用する。PONVの頻度は下げるが、痛みの持続は長い傾向にあり
2月
Reasons Behind the Selection, Avoidance of Certain Blocks
麻酔科医は全員が末梢神経ブロックを希望しないのは、エビデンスやそのブロックに関する利点を理解するだけの教育が足りていないからだとレビュー。PGAmeetingで議論される
Plan Ablock, Plan B, Plan Cを考えることが重要
Research: The Future of Healthcare
医学の進歩に研究は欠かせない。無菌状態、インシュリン、抗生物質の開発は医療を発展させ、手術療法、ワクチンの開発へとつながり、多くの死が防げることとなった。
今後も研究をもとに新たな治療法が開発される流れをレビュー
Novel Study Highlights Increasing Rates of MOUD for Surgical Patients
術後疼痛のプロトコールが確立したにもかかわらず術後のオピオイド使用に関する問題は増加している現状を報告。
810万人の保険データから分析。2016年は154.4 per 100,000→2022年は240.8 per 100,000。術後不適切なオピオイド使用に関する教育がまだまだいきわたってないことを指摘
Preoperative Hypnosis versus Mindfulness for Reducing Postoperative Symptoms in Breast Surgery: A Randomized Clinical Trial
乳がんの術後痛を減らすのに、術前の瞑想の方が、マインドフルネスより有効であることを示す。全身倦怠感や、精神的なストレス、フェンタニルの量を減らす
Processed EEG Indexes Show Limited Utility in Predicting Delayed Neurocognitive Recovery
Processed EEGは術後認知機能低下を予測するには限られている。area under the receiver operating characteristic curve (AUROC)は0.21-0.69. 術後に認知機能障害を呈した24人中の脳波を解析する
New Anesthesia Protocol Shows Strong Outcomes in Hip and Knee Replacement
906名の患者に導入
SOLIS protocol combines short-acting spinal chloroprocaine, opioid- and benzodiazepine-free anesthesia, large-dose local anesthetic infiltration, and propofol sedation
オペ当日に歩けなかったのは1.3%. PACUで18%しかオピオイド必要なし。ERASプロトコールの3-5倍2時間以内のオピオイド使用量が少ない。尿閉0.9%, 起立性低血圧4.6%、DVT0.2%, PE0.1%
Mode of Anesthesia for Patients with Placenta Accreta Spectrum Undergoing Cesarean Hysterectomy: A Report from the Multicenter Perioperative Outcomes Group
43施設1257例の癒着胎盤症例を解析。33%が最初から全身麻酔、26.5%が脊椎麻酔、40%が脊椎麻酔から全身麻酔へ移行。
先日同様の症例が当施設でもあり。前置胎盤やASA重症度が高いほど全身麻酔へ移行。
Impact of Preoperative Functional Capacity on Postoperative Mortality and Morbidity: A Prospective Cohort Study
術前の機能評価にmetabolic equivalents of task (MET) を使用(1~9点以上)。術前のMET低下は30日死亡率(0.6%)と1年死亡率(5.4%)と関連あり。
低下するほど死亡率の上昇と関連あり。リスク因子の一つとしてMETは考慮すべき
Nutritional Drink Reduces Health Disparities in Rural West Virginia
栄養障害のある患者は術後3-5倍合併症の発生率が高い。術前に栄養の改善を行うことで死亡率を減らし70%合併症の発生率を軽減
AI Emerging as a Powerful Patient Safety Tool in Pediatric Anesthesia
小児麻酔におけるAIが予測に優れた点は、酸素レベルのモニタリング、術後の痛みのモニタリング(88%の信頼度:FLACC/Wong-Baker FACES )、
チューブのサイズや固定の位置に関して有用。意思決定支援を行う。
U.S. Maternal Care Requires Transformative Change, Experts Say
米国における母体死亡率は高く(出血や高血圧、痙攣)、70%に合併症を併発。
人種の違いによるところもあるが、一律に管理を行う政府の取り組みと、妊婦の痛みや不安を取り除くことを課題と挙げた
Intraoperative PRBC Transfusion Raises Delirium Risk, but Only Above 7.3-g/dL Hemoglobin Threshold
42,313 中16.5%が輸血を受け、6.8%が術後せん妄となった。輸血無し6.1%, 2単位の輸血8.5%, 4単位で10.5%, 6単位以上13%. 輸血の閾値が7.3g/dlの場合に限る
An Anesthesiologist’s View: This Baby Is Fine Without a Gastrostomy Tube
7か月の未診断の気管食道廔(E型)症例。H型はVACTERLの多数の奇形を合併。DEX、ケタミンを使用し、セポフルランで自発呼吸を温存してBF施行。H型の診断に至り、胃切除をせずに修復可能。
Surgery Still Gold Standard in the Age of GLP-1s, Experts Say
体重減少の効果に関してはGLP-1受容体作動薬(10-15%減少)より手術の方が成績が優れる
Preparing for a DEA Hospital Audit
病院薬剤師の役割をreview. 注意すべき薬剤(オキシコドン、フェンタニル)や薬剤のインシデントをまとめて、医療事故を減少させる役割を説明。周術期における薬剤師の役割は重要
Elucidating the Value of Perioperative Medicine for Patient Care and Anesthesia
周術期における術前評価をきちんと行うことの利点(安全性の担保)と欠点(手術延期やコスト上昇)を考慮し、年齢や手術内容を考慮して検査を行う方向性。
文化や外科医の希望、病院の方針、州ごとの方針で検査が異なる。術前業務は麻酔科の新たなサブスぺの一つとして注目されている
Weighing Spinal Versus General in the ASC
救急病院において、全身麻酔を選択するか、腰椎麻酔を選択するかの議論。安全性、有効性、経済的な観点、患者の希望、施設の方針、技術的な問題から総合判断。
TKAでの高齢者が受ける際に全身麻酔、腰椎麻酔科による死亡率や合併症の発生率に関する見解は結論未。
Antepartum Psychiatric Meds Linked to Elevated Risk for Hypertensive Disorders in Pregnancy
妊婦さんの抗うつ薬と抗不安薬使用は高血圧関連あり、妊娠中毒症の発症とも関連。
158,088 人の妊婦さんを解析。抗うつ薬使用(n=24,770), 抗不安薬使用anxiolytics (n=10,191), 療法使用 (n=4,943), and 使用無し (n=118,184)。薬をやめて認知行動療法?
Elucidating the Value of Perioperative Medicine for Patient Care and Anesthesia
perioperative medicine (POM)に関するreview. 198年台より麻酔の安全性にフォーカス、術前検査は過剰のコストや処置の遅れにつながるときもあり、
術者の考えや、手術内容、術前状態から病院のコンセンサスを得たプロトコールが作成しにくい
Overview on Neuromuscular Blocking Agents Points to Bright Future
筋弛緩剤の始まりは1940年代に導入。筋弛緩剤はコリン作動を介して、炎症を促進する作用あり。筋肉への影響だけでなく免疫システムにも影響している
Top5 paper 1月
Advice for Identifying High-Risk Cardiac Events
術後心血管系合併症を同定する手段を紹介
Fluids and Vasopressors Both Linked to Complications In Liver Transplantation
肝移植において輸液量と昇圧剤が術後合併症に関与。
863人の多施設観察研究。グラフト機能に影響はなかったが、低血圧と多量の昇圧剤、輸液過剰は他の合併症(AKI以外)と関連があり→RCT必要
Clearing the Air – The Science and Sustainability of Desflurane in Anesthesia
麻酔薬の選択は全身状態、手術内容、患者背景による。デスフルランの利点は早期覚醒で外来患者に有用。環境面の問題は挙げられるが、禁忌ではないか?
AI Simulates Oral Board Exams With Promising Early Feedback From Trainees
口頭試問や筆記試験をAIが作成し、実際に教育者からのフィードバックを直後に得られるシステム。
Simulated Mock Anesthesia Readiness Tool (SMART)はChat GPTから生み出される。実際の緊張感がないのが欠点では?と指摘あり
Practical Advice for Anesthesiologists Concerning Malpractice Lawsuits
麻酔科医が巻き込まれる訴訟ケースの対応をまとめる。記録の保持、起こしたプロセスに問題がないか、専門家の判断を取り入れて対応していく。自分一人で抱え込まない
Emerging Role of Electroencephalographic Aperiodic Activity in Anesthesia: A Narrative Review
全身麻酔中の脳波解析のreview. 規則的な脳波と不規則な脳波の変化は術後の認知機能障害や麻酔深度の変化、せん妄や脳機能の異常を予測できる
1月
Critical Closing and Tissue Perfusion Pressures in Sepsis: Implications for Risk Stratification—A Retrospective Cohort Study
CCPが上昇するとTPP減少。敗血症において死亡率と逆U関係
Blood Pressure Drop Between OR and ICU Tied to Postoperative Death Risk
12740人の術後患者を後方視的に解析。オペ室退出30分前とICU入室30分を解析。MAPの減少が30日死亡率と関連。6-10mmHg下がる(17%)-6mmHgが閾値
Percutaneous PNS Provides Long-Term Relief Post-TKA
10-20%が難治性疼痛を合併。末梢神経刺激が60日後の痛みをベースラインの60%減少。60日間留置。抜去後に早く、遠く歩くことが可能
Liposomal Bupivacaine, Plain Bupivacaine, and Saline for Transversus Abdominis Plane Blocks: The CLEVELAND Randomized Trial
手術前の単回ブロックの術後鎮痛効果は生食と変わらず。80ml生食群と変わらず・・・
Fewer Complications for Hip Fracture Patients With Anesthesiologist-Led Care
麻酔科医が関与する股関節骨折患者は全身評価が優れているので、合併症が軽減する。59%肺や心血管合併症現象。5時間早くオペ室へ入室。早期に係るほうが良い結果をたどる
Navigating Billing for Regional Anesthesia Is Challenging, Complex, and Essential
多くの神経ブロックの種類があるがコストをどのように決めたらよいか?エコーを使用しないと厳密にできないブロックもあり、世界的に複雑で解決すべき問題が山積み。よく効くほどコストは高くあるべき
Magnetic Tattoos and Cosmetics Pose Hidden MRI Risks, Researchers Warn
MRI撮影の入れ墨やネイルを使用患者が危険であることを警告。10症例を振り返り。磁石付きのネイルは外すべき。埋め込み型の入れ墨はやけど要注意。アーチファクトも生じて撮影がきれいにできない
Pediatric Regional Block Workshop Held at ASRA
小児の末梢神経ブロックワークショップ。インドの麻酔科医プレゼン。現実的な発生する問題について議論。アウトカムに対する影響や安全性、量について共有。禁忌やブロックの種類の選択に関して
FDA Approves New Fibrinogen Concentrate for Congenital Fibrinogen Deficiency
先天性フィブリノーゲン欠損症に新しい製剤が発売。Fase3まで進行(36人)の患者様
Experts Set Minimum Anesthesia Standards for Cesarean Delivery
帝王切開に必要な麻酔薬、モニター、気道確保の器具、施設に特異的な麻酔機器をまとめる
Is Artificial Intelligence Coming to (or Already in) an Anesthetizing Location Near You?
現在の麻酔環境におけるAIの役割は、学びや理解力を向上させ、問題解決の道筋や意思決定権のサポートに貢献し、創造性や自動化を目指す過程にある。
車や飛行機の運転自動化が進む中麻酔領域も実現性が向上。手術のリスク・患者リスク、バイタルサイン、モニターのサインをもとに麻酔薬の投与・輸液・循環作動薬の調整が自動化に舵を切る。
挿管手技・神経ブロックや血管穿刺のロボットによる自動化・体位変換時の調整など少しずつ技術の革新が行われている
The Management of Interstitial Lung Disease in the ICU: A Comprehensive Review
間質性肺炎のICU管理をまとめ:最後は肺移植。つなぎがECMO
Healthcare Tourism: There Is More to the Story
海外で受ける医療の死亡率や合併症に関する意識改革。価格やサービスは各国で異なる。価格が重要。ケアの質、言語問題、道徳観など異なる。ガイドライン必要
ASA Session Highlights Most Significant Anesthesia Papers Published in 2025
オレキシン受容体2アゴニストはオピオイドの呼吸抑制を鎮痛効果減弱なしに改善
白人に比較するとスペイン人や黒人はPONV予防が少なく頻度が高い
慢性腎不全患者は予防的NO投与が腎機能障害増悪を予防
高齢者の9人に1人が無兆候の脳梗塞を発症。せん妄や認知障害と関連
HPIガイドの循環管理は術後腎障害や予後の改善無し
The Importance of a Psychotropic History Before Anesthesia
精神科の薬は術後認知障害、術後痛、覚醒遅延、再入室率、離脱症候群に注意
薬剤( serotonin syndrome, hypertensive crisis, and medication toxicity.)
精神安定剤、合法、眠剤(ベンゾ)、抗うつ薬
Link Found Between Depression and Postoperative Pain in Rotator Cuff Patients
肩の回旋筋断裂の術後痛にうつと痛みの関連性
voxel-wise fMRIで脳の体積を評価する方法。dorsal anterior cingulate cortex (dACC), primary somatosensory cortex, precuneus, and cerebellumの変化が痛みの強さと関連。前帯状皮質
Making the Most of CDI Therapies In High-Risk, Recurrent Patients
Fidaxomicinダフクリア…RNAポリメラーゼ阻害 ・バンコマイシン…細胞壁合成阻害 どちらもC.Difficileの増殖を抑制しますが、作用機序が異なります。
ダフクリアはRNAポリメラーゼ阻害剤です。
細菌由来のRNAポリメラーゼの働き(mRNA転写→タンパク質生成)を妨げて抗菌作用を発揮 vancomycin, 30%; fidaxomicin, 5%; relative risk, 0.18; 95% CI, 0.04-0.75; P=0.02
再発率がバンコマイシンに比較して低い
Surgeons Warn New CMS “Efficiency Adjustment” Will Trigger Deep, Recurring Cuts
米国においてもCenters for Medicare & Medicaid Services’ (CMS’)コストカットの波が押し寄せている。
ストレスが多い職場は変わらず。テクノロジーの進化はあるが手術時間は長くなっている。コストはどうなのか?立法の努力と術者の協力が必須
Effect of S-Ketamine on Postoperative Delirium in Elderly Patients Undergoing Arthroplasty: A Randomized Controlled Trial
ケタミン0.2mg/kgの投与はTHAを行う高齢者の術後3日目までのせん妄を抑制する効果あり、幻覚、めまい、悪夢を見る頻度は増しているようだが・・・抗神経炎症効果がある
機能の回復やNRSを改善する作用もあり
Gut–Brain Axis Offers Clinical Meaning for Patients With CSS
脳と腸は自律神経系や液性因子(ホルモンやサイトカインなど)を介して密に関連していることが知られている。
この双方向的な関連を“脳腸相関(brain-gut interaction)”または“脳腸軸(brain-gut axis)”と言う。
つまり、消化管の情報は神経系を介して大脳に伝わり、腹痛・腹部不快感とともに、抑うつや不安などの情動変化も引き起こす
脳腸相関をよく理解することは、線維筋痛症のようなcentral sensitization syndrome (CSS)を治療するうえで重要。
治療プラン low-FODMAP (fermentable oligosaccharides, disaccharides, monosaccharides and polyols) diets, probiotics, neuromodulators and visceral physical therap
Evaluating the Acute Effects of the Cannabinoid Dronabinol and the Opioid Hydromorphone Alone and in Combination: A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Trial in Knee Osteoarthritis
ハイドロモルヒネとカンナビノイドは臨床的に侵害刺激に対して相乗的な効果は示さない
hydromorphone (2 mg), and dronabinol (10 mg)
Airway on Demand: Elective Tracheostomy Via SGA
正しい位置の確認ときちんと気管切開チューブが挿入できたかの確認が可能
Association of Peripheral Nerve Block with Postoperative Myocardial Injury in High-Risk Cardiac Older Adults Undergoing Hip Fracture Surgery: A Two-Center Retrospective Cohort Study
weighted logistic regressionを使用 重み付き回帰分析 ばらつきが多い場合に使用
1467人の股関節骨折の手術において、PNVのワンショットが痛みと心筋障害の発生を軽減する。術後の心筋障害は12%に発生(PNV)しない群は21%発生。
Developing a Framework for Career Fulfillment in Academic Anesthesiology: Findings from a Single-Institution Focus Group Study
UCSFにおける大学病院での麻酔科医としてのキャリを作る重要な要素をまとめる
昇進の基準や生活との関連性が重要。個々人のモチベーションを上げることが重要
Pain Medicine Physicians Fear Federal Cuts to Naloxone Funding Will Lead to More Deaths
ナロキソンは安い薬だが、オピオイドの過剰な薬剤摂取を防ぐ薬剤はブプレノルフィンとナロキソンで、ナロキソンにかかる費用を削減することで多くの死がもたらされている
The Future of Anesthesia: Embracing Innovation for Safer, Personalized Perioperative Care
麻酔の将来に関して:AIは迷った際の判断の決定に有用で、クローズドループシステムによる薬剤の投与、輸液・循環作動薬の調整、身につけられるワイヤレスデバイスによる循環のモニタリング、
いかに起こりうることを正確に予測し、個々の合併症や特徴に応じて対応することが安全性の向上につながる
The Impact of GLP-1 Medications on Surgical Care: Expert Panel Maps Hybrid Future
誤嚥のリスク、中止のタイミングや外科手術比較したときの臨床的意義など現在も明確な結論は出ていないが、今後も検討必要
Airway on Demand: Incidental Laryngeal Mass Follow-Up
予想できる場合は対応しやすいが、予想できない場合は恐ろしいですね。喉頭腫瘍は本当に要注意ですね
Identifying the Preoperative Risk of Hypotension With Ultrasound
低血圧を予測するために術前にエコーを活用して、IVC系の評価や左室の状況をcheckし、低血圧を回避する。目標指向型の循環管理の作成(収縮期90以下、mAP<65, ベースラインの30%以上の血圧低下)
WHO Addresses Cannabinoid Hyperemesis Syndrome
慢性カンナビノイド中毒患者が妊娠悪阻に伴い、腹痛と繰り返す嘔気・嘔吐に特徴的な症状で認知されている概念。2016年に報告され毎年49%上昇(13-21歳)。2006年~2020年までに28%上昇(15-24歳)。
救急でよくみられる疾患。日本も若年者の薬物依存が問題になっていますね
The Potential of Epidural Steroid Injections for Acute Shingles: A Call for Broader Awareness
帯状疱疹の急性痛に硬膜外ステロイドの可能性:あまり推奨されていないが、症例によっては痛みの軽減やPHNへの移行を防ぐ可能性があり、今後も多施設研究をすべきである
ガイドラインの推奨も少ないため、医療者への教育も重要か?