アズレン誘導体の簡便合成法の確立

 精油や医薬の分野では、カマアズレンやグアイアズレン、アズレンスルホン酸ナトリウム
といったアズレン誘導体がアロマオイルやうがい薬、目薬の成分に使われています。
一方、近年になって有機エレクトロニクス材料の観点から、
アズレンの特異な電子構造が注目されるようになりました。
しかし、有機合成化学的な観点に立った場合、アズレンに置換基を
直接導入できる位置は限られており、置換部位によってはアズレン骨格形成を経る
多段階合成を強いられるため、置換アズレン類の簡便合成法を早急に確立することが必要です。
私たちは、有機金属化学的な手法を用いて、従来法では入手が困難なアズレン類の
様々な簡便合成法を開発しています。また、典型元素の超原子価特性を活かして、
アズレニル基をσ-リガンドとする有機典型元素化合物の合成と構造特性、
ならびに反応性に関する研究も同時に進めています。

 最近の研究成果として、イリジウム触媒によるアズレンのポリボリル化が
進行することを明らかにしました。
また、ボリル化したいくつかのアズレン類については、
カップリング試薬としての有用性の観点から、特許出願を行いました。


【アズレン誘導体いろいろ】

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