摂食嚥下外来
山口大学医学部附属病院では、食べる・飲み込む機能(摂食嚥下機能)の低下に専門的に対応する
「摂食嚥下外来」を開設しました。
誤嚥性肺炎の予防と、「口から食べる」生活を支えることを目的に、
多職種が連携する専門外来として診療を行います。
実際の診療は、内視鏡検査や多職種カンファレンスを通じて、 安全性と専門性を重視して行っています。
なぜ「摂食嚥下外来」が必要なのか
誤嚥性肺炎は近年増加傾向にあり、高齢者の肺炎の多くを占めるといわれています。 誤嚥による肺炎は重症化のリスクがあるだけでなく、 誤嚥を繰り返すことで経口摂取が制限され、体重減少や低栄養、生活の質(QOL)の低下につながることも少なくありません。
多職種による専門チームで評価・支援します
「摂食嚥下外来」では、多職種が連携し、摂食嚥下専門の医療チームとして 口腔や嚥下の機能を総合的に評価し、原因に応じた治療方針を検討します。
- 耳鼻咽喉科医
- 歯科口腔外科医
- 摂食嚥下認定看護師
- 言語聴覚士
- 歯科衛生士
- 管理栄養士
患者さん一人ひとりの状態に合わせて、 嚥下リハビリテーション・食事指導・栄養指導を行います。
受診をご希望の方へ(予約・紹介状)
本外来は予約制です。原則として紹介状(診療情報提供書)が必要です。
受診をご希望の場合は、まず、かかりつけ医にご相談いただき、
紹介元の医療機関を通じて当院へご予約ください。
- 可能であれば、お薬手帳・これまでの検査結果・入退院歴が分かる資料をご持参ください
- 食事形態(常食/刻み/ミキサー/とろみなど)や体重変化が分かる情報があると評価がスムーズです
初診の流れ
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① 問診(症状・食事状況の確認)
飲み込みにくさや食事中のむせなどの自覚症状、現在の食事の形態、体重減少などについて詳しくお伺いします。 -
② 診察・嚥下機能評価
耳鼻咽喉科医が診察を行い、内視鏡検査などを用いて嚥下機能を評価します。 -
③ 口腔機能評価(必要に応じて)
歯科口腔外科医や歯科衛生士が、口腔の機能も評価します。 -
④ 追加検査(必要に応じて)
血液検査による栄養状態の評価や、CT検査で肺炎の有無を調べる場合もあります。 -
⑤ 方針決定
これらの検査結果に基づき、患者さんの状態に合わせた治療方針を立案します。
内視鏡検査による嚥下機能評価(VE)
当外来では、内視鏡を用いた嚥下機能評価(VE:Videoendoscopic Evaluation of Swallowing)を行っています。 実際に食物や飲料を飲み込む様子を観察し、誤嚥の有無、喉頭や咽頭の動き、残留の程度などを評価します。
検査はできるだけ苦痛を軽減するよう配慮して行います。 検査結果をもとに、食事形態やリハビリ内容を具体的にご提案します。
治療について
治療は、食事の形態や食べ方の工夫、嚥下リハビリテーション、栄養指導を中心に行います。
- 食事指導:姿勢・一口量・とろみ調整・食形態の最適化
- 嚥下リハビリ:嚥下機能に合わせた訓練・代償手技の指導
- 栄養指導:低栄養の予防、必要エネルギーの確保、体重管理
また、飲み込みの機能について改善が難しいと判断される場合には、 外科的治療(嚥下機能改善手術、誤嚥防止術)を検討することもできます。
治療後のフォロー
治療後は、経過を確認しながら継続的な評価と支援を行い、 誤嚥性肺炎の予防と「口から食べる」生活の維持を目指します。
よくある質問(FAQ)
Q1.どんな症状があれば受診した方がよいですか?
食事中のむせ、飲み込みにくさ、食後の痰が増える、声がガラガラする、食事に時間がかかる、体重が減ってきた、 肺炎を繰り返す、などがある場合はご相談ください。
Q2.受診には紹介状が必要ですか?
本外来は予約制で、原則として紹介状(診療情報提供書)が必要です。 まずはかかりつけ医にご相談いただき、紹介元医療機関を通じてご予約ください。
Q3.初診日にどんな検査をしますか?
症状や状態に応じて、診察・内視鏡検査による嚥下機能評価を行います。 必要に応じて口腔機能評価、血液検査、CT検査などを追加します。
Q4.治療はリハビリだけですか?
嚥下リハビリに加えて、食形態・食べ方の工夫、栄養指導などを組み合わせて行います。 状態により外科的治療(嚥下機能改善手術、誤嚥防止術)も検討可能です。
Q5.飲み込みの検査はつらいですか?
内視鏡検査は細いカメラを用いて評価します。苦痛をできるだけ軽減するよう配慮して行いますので、 不安がある場合は事前にご相談ください。
Q6.現在の食事内容が分からないのですが受診できますか?
受診は可能です。分かる範囲で結構ですので、普段の食事形態(常食/刻み/とろみ等)、 食事時間、むせの頻度、体重変化などをお知らせください。
Q7.薬を飲んでいます。初診時の注意はありますか?
お薬手帳をご持参ください。鎮静薬、睡眠薬、抗不安薬など一部の薬は、ふらつきや誤嚥リスクに影響することがあります。 内服状況を確認し、必要に応じて提案します。
Q8.肺炎を繰り返しています。受診のメリットはありますか?
嚥下機能と栄養状態を評価し、誤嚥性肺炎の予防に向けて、 食事・リハビリ・口腔管理・必要時の外科的治療まで含めた方針を検討できます。
(更新日)2026年1月 山口大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科