舌下免疫療法外来
近年アレルギー性鼻炎患者は増加しており、スギ花粉症は罹患率が高い「国民病」となっています。 抗原特異的免疫療法は、アレルギー性鼻炎に対して原因治療(体質改善)を目指せる治療法です。 当科では、保険適用となっている スギ・ダニの舌下免疫療法(SLIT)を中心に治療を行っています。
舌下免疫療法(SLIT)とは
従来の皮下注射による免疫療法に対し、舌下免疫療法はアレルゲンを舌下から投与する方法で、 有効性と安全性が示され、患者さんの負担が軽減される治療として注目されています。 スギ花粉症は2014年10月、ダニは2015年11月に保険適用となりました。
当院での対応
舌下免疫療法は、皮下注射と比べ副反応が軽い傾向がありますが、副作用が起こる可能性はあります。 当科では導入時に十分な時間をかけて説明し、検査で適応を確認したうえで治療を開始します。 夜間も耳鼻咽喉科医が常駐しており、急な体調変化にも対応可能です。
現在、ダニアレルギーには アシテア®・ミテキュア®、 スギ花粉症には シダキュア® を用いた治療を行っており、多くの患者さんが通院されています。
治療の流れ
- ① 初診・診察
症状の確認、治療歴の聴取を行います。 - ② アレルギー検査
血液検査などでスギ・ダニに対する感作を確認します。 - ③ 適応判断・説明
検査結果をもとに適応を判断し、治療内容・副作用について説明します。 - ④ 治療開始(初回導入)
初回は院内で内服し、一定時間経過観察を行います。 - ⑤ 自宅での継続治療
毎日1回、決められた方法で内服を継続します。 - ⑥ 定期通院・経過観察
効果や副作用を確認しながら治療を継続します。
初回予約時の注意(内服中のお薬について)
舌下免疫療法を安全に開始するため、以下の点について初診時に必ずお知らせください。
- 現在内服中の薬(花粉症治療薬、喘息治療薬、降圧薬など)
- β遮断薬を内服中の方
- 全身性ステロイド薬を内服中の方
- 気管支喘息、自己免疫疾患、重篤な心疾患の既往
お薬の種類によっては、舌下免疫療法が適さない場合や、他科との連携が必要となる場合があります。 お薬手帳をお持ちの方は、初診時にご持参ください。
よくある質問(FAQ)
Q1.舌下免疫療法は誰でも受けられますか?
アレルギー検査でスギまたはダニに対する感作が確認され、症状と検査結果が一致する方が対象となります。 年齢や基礎疾患、内服薬の内容によっては適応とならない場合があります。
Q2.治療期間はどのくらい必要ですか?
効果を十分に得るためには、3〜5年間の継続治療が推奨されています。 途中で中断すると、効果が十分に得られないことがあります。
Q3.どのくらいで効果が出ますか?
早い方では数か月で症状の軽減を実感されますが、多くの場合は1シーズン以上の継続で効果が明らかになります。 効果の現れ方には個人差があります。
Q4.副作用はありますか?
口の中のかゆみ、腫れ、違和感などの軽度の副作用がみられることがあります。 重篤な副作用はまれですが、当院では導入時に十分な説明と経過観察を行っています。
Q5.治療中は通院が必要ですか?
初回導入時および定期的な経過観察のために通院が必要です。 治療が安定すれば、通院間隔を延ばすことが可能な場合もあります。
Q6.他院で治療を始めていますが、継続できますか?
はい、可能です。治療内容が分かる紹介状や治療経過の情報をご持参ください。
Q7.花粉症の薬は併用できますか?
抗ヒスタミン薬や点鼻薬など、多くの薬剤は併用可能です。内服中の薬については初診時に必ずお知らせください。
Q8.スギの舌下免疫療法は、いつから始めるのが良いですか?
一般に、スギ花粉の飛散期を避けて開始するのが望ましい場合があります。 開始時期は、症状の状況や治療歴も踏まえて外来でご相談ください。
Q9.小児(子ども)でも受けられますか?
年齢や内服の確実性、喘息などの合併症の有無を含めて判断します。 小児での治療をご希望の場合は、受診時に年齢と既往歴をお知らせください。
Q10.妊娠中・授乳中でも治療できますか?
妊娠中・授乳中は、治療の開始や継続について慎重な判断が必要です。 状況により方針が異なりますので、受診時に必ずご申告ください。
受診をご希望の方へ
舌下免疫療法をご希望の患者さんは、当院を受診ください。 現在ほかの医療機関に通院中の場合は、診療情報提供書(紹介状)をご持参いただくとスムーズです。
- アレルギー検査歴(採血、皮膚テスト等)が分かるものがあればご持参ください
- 内服薬・点鼻薬の内容が分かるお薬手帳があると便利です
(更新日)2026年1月 山口大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科