3/23-6/8 水戸芸術館現代美術ギャラリー
ミシマユキコ・ロングインタビュー 2028年6月28日
◆折り紙:戦闘機
会場写真
◆折り紙:ヘリコプター
エピソード1(生い立ち編)
1 誕生
2 小学生時代
3 中学生時代
4 高校生時代
5 大学生時代
6 松蔭教員時代
7 現在(帝塚山学院時代)
椹木野衣「イラク、その戦争のはらわた」
熊倉敬聡「『美学特殊C』―『教室』の可能性についてのある実験」
◆折り紙:ロケット
ドミニク・チェン「説話・ミシマユキコ序章『憂世』」
石橋源士「ミシマテツコ」
◆折り紙:野球帽子
図版
エピソード2(作家活動編)
1 平面の時代
2 アジアンフォーヴの時代
3 巨大ブロッブ(不定形な泡)の時代
4 ノイズ混入の時代
5 OSの時代 I
6 OSの時代 II
エピソード3(国連少年編)
森司「『国連少年』取り扱い説明書」
出品作品リスト:解説とデータ/森司
◆折り紙:ステルス戦闘機
椿組 データファイル
今村創平「『何でも入れられる器』批判」
◆折り紙:鶴
森司 2003.4.24
奥付
椿昇 2003.4.24
椿昇 2003.4.24
ディスコミュニケーションの進行と国連的なる普遍性の希求"学校の教師をしていて、ほんとうに腹が立ったのは教師も親もコミュニケーションをさぼっているという事実。忙しいという口実を設けて生徒から、子供から逃げてゆく大人たち。学校で、家庭で、職場で、国家で、恐ろしい速度でディスコミュニケーションが進行する。"
"はるか昔に国際連盟が崩壊し、やっと生まれた国際連合もアメリカの暴虐の前に崩壊の危機に瀕した今、「国連的なる普遍性」を求めてプロジェクトをスタートした。"
森司 2003.4.24
国連少年と折り紙
"1枚の紙が折り方で平和を意味する「鶴」になれば、戦争を記号する「ステルス」や「ロケット」になる。デザイナー松本弦人は、「国連少年」を咀嚼した証にデザインとして重要な部分に「折り紙」部分を挟み込み、全体をキリッとした構造に組み上げた。折り紙が折り紙のままであることの過激さが際立っている。"
誰も発言しないときに発言する必要性
"タイムリーと言われる本展は少なくとも2年前から下準備は始められている。タイミングに恵まれたと言われているが、本当は彼の行動が引き寄せたのだ。椿昇がチラシの文言を書いているときは、皆身動きできず模様眺めの状態に近かったと記憶する。誰も発言しないときに、発言する必要性の大切さを説く椿昇は、いつものようにそれを実践しただけだ。"
ミシマユキコ・ロングインタビュー 2028年6月28日
United Nations application
"新しい「国連」を提案し、その「軍隊」までも構築しようとするプロジェクト"United Nations application"の主催[ママ]者にして「事務総長・ミシマユキコ」。" ※この場合「主宰」か
"MY:私たちUNaのスポークスマンといった程度の理解でいいので、実在を証明する必要もまた無いのです。"
"MY:確かに日本語を習得しましたが、だからといって日本という個別の地域に帰属しているなどと短絡的に考えないほうがいいでしょう。これは私たちUNaの人間全てに言えることです。"
"MY:我々は5大国の否決権を拒否します。そしてアメリカ合衆国を始め、あらゆる国連加盟国の武装解除を提案します。"
"MY:我々の戦闘は国連理念以外に現行の資本主義的な意味での如何なる利潤も目的としてません。"
"MY:皆、自分のものではない欲望に振り回される徒労感から解放されたいと願い始めている。"
椹木野衣「イラク、その戦争のはらわた」
"…雨あられとミサイルが降り注ぐ。同時にその直下では多くの人が殺され、自然環境は回復不可能なまでに汚染される―そのことは何度強調してもしたりないくらいだ。けれども同時に、この戦争が、過去に例を見ないほど大規模な、考古学的なレベルでの文化財破壊であることは、もっと指摘されていよい。"
"…米軍とタリバンとで、いったいどちらが「野蛮」なのか。これは戦争なのだから副次的な損害は仕方がないというかもしれない。が、略奪を知ったうえで「自由とはそういうものだ」と語るラムズフェルド国防長官のことばを聞く限り、米国政府はこれらの取り返しのつかいない文化破壊、文明喪失をただ黙認したといわれても、いたしかたなかろう。"
"いずれ「民主化」されたバクダット市内には、数千年の歴史を誇る博物館のかわりに、バクダット市立現代美術館とか、そんな風な名前のアートセンターができ、メソポタミア文明の瓦礫を均して作られた土地のうえで、せいぜいが50年くらいでしかない「アメリカ現代美術」を法外な金額で購入し、後生大事に収蔵し、自由の文化の象徴として展示するのだろうか。"
"…今回のイラク戦争でのアメリカ政府の一貫して強硬な姿勢の背後には、様々な点で、かつての日米戦争とその後の占領と統治に成功した前例が、具体的に念頭に置かれているにちがいない。"
"…彼は<ヒロシマ・ナガサキ>の名を呼び、かつての原爆投下同様、住宅地での今回の空撃も、フセインが今後生き延びることによって想定される死者を減らすための方策と考えることもできると報道したのだ。なんという倒錯! ほとんど予言者の論理だ。"
"なぜ、われわれはこのような狂った論理にもっと反論してこなかったのか。「戦争責任」ならぬ日本の「戦後責任」が、21世紀初頭の混迷に及ぼしている影響は、想像以上に大きいといわなければならない。"
"…少し規模が大きいだけで展覧会を「ビエンナーレ」や「トリエンナーレ」と言い換えて、それでなにかが「進歩」し、自分が高められたと思い込んでいる日本人は、それが「アート」などと称されている分、ほんとうに惨めで、まるで奴隷のようだ。それは、かつて進駐軍のジープから放り投げられるチューインガムに群がることと、本質的にかわらない。"
(03/06/06)