芸術史(現代美術史)2003


概要

山口は現代美術の隠れたメッカ。山口県立美術館や秋吉台国際芸術村、今年11月オープンの山口情報芸術センターなど、国内でもユニークな活動を展開している施設が集まっています。この授業では、それぞれの施設の活動を紹介するとともに、20世紀後半から現代までの美術動向、今注目を集めているアーティストについて解説します。


目標

近隣の芸術関係施設の活動について理解を深める。また、20世紀後半の美術史に関する基礎知識を身につけ、歴史的背景を踏まえた上で、同時代に活躍する作家とその表現、自らを取り巻く環境における芸術活動に対する関心を高める。


講義ノート

10/3 オリエンテーション:現代美術の知的な誘惑
  受講票集計結果
10/10 近隣施設の活動1:山口県立美術館
10/17 近隣施設の活動2:秋吉台国際芸術村
10/24 「The Order from Cremaster 3」/マシュー・バーニー「クレマスター3」リミックス版DVD
10/31 近隣施設の活動3:山口情報芸術センター/オープン直前紹介
  マシュー・バーニー「クレマスター3」再上映
11/7 近隣施設の活動4:山口情報芸術センター/オープン・イベントを振り返る
  マシュー・バーニー「クレマスター3」解説
11/14 近隣施設の活動5:秋吉台国際芸術村/ブギ・ウギ・ワンダーランド
  ブギ・ウギ・ワンダーランド紹介/ゲスト:辻憲行(秋吉台国際芸術村)
  「CONTACTS.」: Sophie Calle上映
11/21 近隣施設の活動6:山口現代芸術研究所
  「CONTACTS.」: Sophie Calle解説
11/28 (休講)
12/5 戦後美術の流れ1:60年代―アメリカン・ポップ席捲!
  「ハピネス」展紹介
  講義のまとめ
12/12 戦後美術の流れ2:70年代―芸術、その概念が問題だ
  URL再通知
  「CONTACTS.」: Nan Goldin上映
12/19 戦後美術の流れ3:80年代―具象絵画の復活
  「CONTACTS.」: 杉本博司上映
1/9 戦後美術の流れ4:90年代以降―グローバリ ゼーションとともに
  「八谷和彦作品集:OPEN SKY」上映
1/23 まとめ:今、注目のアーティストたち
(補講)  
   

〜試験告知〜
 

日時:2004年1月30日(金) 7・8限(14:30〜16:00)

場所:共通教育棟1番教室

付記:持込不可
 

〜試験内容〜

筆記試験

問題用紙及び解答用紙を当日配布する

 

問1 講義で紹介した作品画像を教室正面に投影する。各自その作者名を解答欄に記入せよ

(5問×5点、計25点)
 

問2 講義で解説した内容(近隣施設の活動+戦後美術の流れ+映像作品)について○×問題

(15問×2点、計30点)
 

問3 山口県立美術館、秋吉台国際芸術村、山口情報芸術センターから1施設を選び、各自の自宅から所在地までのアクセス方法を略述した上で、施設の活動内容について200字程度で述べよ

(15点)
 

問4 60年代、70年代、80年代、90年代から1つを選び、その時代の美術作品の特徴について自分の言葉を用いて200字以内で説明せよ

(15点)
 

問5 自らを取り巻く生活環境や社会環境と、現代美術との接点について、この講義を通して得られた知見をもとに、各自の考えるところを自由に述べよ(字数制限なし)

(15点)
 

※誤字・脱字等は各-1点の減点対象とする


〜成績評価方法について〜
 

試験:100点満点×0.8(計80点)

出席:11回=11点(1欠席毎-1点 ex.欠席3回=出席点8点)

※最初の2回をカウントしない
 

授業態度等の調整点:全回出席者に+2点

そのほか授業への参加度をアンケートの回答等をもとに7〜9点の範囲で加算

※アンケートの回答は、3の感想欄に記入された授業内容への提言や質問、4の講義外での近隣の文化施設の利用度、イベントへの参加度等について点数化


参考図書

<現代美術>

・山口裕美『現代アート入門の入門』(光文社新書)、2002年

・末永照和監修『カラー版 20世紀の美術』、美術出版社、2000年

・ロバート・アトキンス『現代美術のキーワード』、美術出版社、1993年

・松井みどり『アート:芸術が終わったあとのアート』、朝日出版社、2002年

・椹木野衣『日本・現代・美術』、新潮社、1998年
 

<美術史>

・グザヴィエ・バラル・イ・アルテ『美術史入門』、白水社、1999年

・高階秀爾・三浦篤編『西洋美術史ハンドブック』、新書館、1997年

・マルシア・ポイントン『はじめての美術史』、スカイドア、1995年

・高階秀爾監修『カラー版 西洋美術史』、美術出版社、1990年
 

<博物館学・学芸員・ボランティア>

・増田洋『学芸員のひとりごと 昨今美術館事情』、芸艸堂、1993年

・朝日新聞 マリオン編集部編『増補版 美の裏方 学芸員からのメッセージ』、ぺりかん社、1993年

・並木誠士、吉中充代、米屋優編『現代美術館学』、昭和堂、1998年

・長谷川栄『新しいソフト・ミュージアム 美術館運営の実際』、三交社、1997年

・嶋崎吉信、清水直子編著『がんばれ美術館ボランティア』、淡交社、2001年

・淡交社美術企画部編『私も美術館でボランティア』、淡交社、1999年
 

<その他>

・橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』(ちくま新書)、2002年

・トマス・ホーヴィング『にせもの美術史―メトロポリタン美術館長と贋作者たちの頭脳戦』(朝日文庫)、2002年

・平田オリザ『芸術立国論』(集英社新書)、2001年

・若林直樹『退屈な美術史をやめるための長い長い人類の歴史』、河出書房新社、2000年


・期末試験(1/30実施)