北九州市立美術館 連続美術講座
講座 現代美術史
クラウスのグリーンバーグ批判
"歴史主義に深く根差していたグリンバーグの方法は、芸術の領域を、時間を超越すると同時に、絶え間なく変化するものと見做している。ということは、一方ではある一定の事、すなわち芸術それ自体、絵画、彫刻、傑作などが、普遍的で超歴史的な形式だということであり、しかも同時に、これらの形式の生命が、まさに生き物と同じように、絶え間ない再生に依存しているということが断言されることになる。"
"グリンバーグをして、批評の意義は方法にあり判断の内容にはないという考え方を、断固として否定するに至らしめたのは、このような、芸術の存在論的な地位、その裂き難い縫い目のない連続性の宣言にほかならない。"
(ロザリンド・E. クラウス『オリジナリティと反復 ロザリンド・クラウス美術評論集』、小西信之訳、リブロポート、1994年11月、p.9)