北九州市立美術館 連続美術講座
講座 現代美術史

1-2.ボランティアの国際性・欧米性

「ボランティア国際年」
 

出典:ボランティア国際年ホームページ
 

1.ボランティア国際年の制定

 平成9年11月、第52回国際連合総会において、我が国の提案に基づき、122ヶ国の共同提唱国を得て、2001年をボランティア国際年とすることを宣言する決議が採択されました。

 

2.目的

 各加盟国や組織に対して、ボランティア国際年に向け、次の4つの目的を掲げています。

(1)ボランティア活動に対する理解を深めること(recognition)

(2)ボランティア活動への参加を容易にすること(facilitation)

(3)ボランティア活動のネットワーク化(networking)

(4)ボランティア活動を促進すること(promotion)

 

 また、ボランティア国際年の準備、実施、フォローアップのための中心的役割を果たす国連内部の機関として国連ボランティア計画(UNV)が国連決議において指定されています。

 

3.背景

 現在、世界中の多くの人々が、自国内、国外を問わず、福祉、教育、環境、開発及び人権擁護等の社会の各分野において、ボランティアとして活躍しており、ボランティアは社会を支える不可欠な存在として認められています。

 我が国においては、95年の阪神・淡路大震災及び97年のナホトカ号油流出事故などに際して、多くのボランティアの方々が活躍し、国民のボランティアに対する関心が飛躍的に高まっていますが、国内におけるボランティア活動に対する関心と理解を一層高め、ボランティア活動を活性化するため、更に環境整備を進めていく必要があります。

 

4.国連決議の概要

 国連決議の概要は次のとおりです。

(1) 2001年をボランティア国際年とする。

(2) 各国政府、国連諸機関、国際的なボランティア組織及びNGO、その他地域社会に根ざした市民団体に対し、ボランティア国際年の準備と祝賀のために、ボランティアへの理解を深め、参加を容易とし、横のつながりを強化し、活動を促進するための方法を互いに協力し検討するように依頼する。

(3) 国連ボランティア計画(UNV)は、これまで担ってきた優先すべき職務に加えて、本件国際年の推進組織として、国連システム諸機関の協力の下、本年の準備と、実施、フォローアップを行う。また、ボランティア国際年の準備と実施に関しては、特に国連ボランティアが各国政府と国際、国内ボランティア、NGOとの緊密な協力とパートナーシップのプロセスを継続することを奨励する。

(4) 政策決定機関及び国連システムの関係機関は、それぞれの機関が独自の機能を有する分野において、1998年から2001年までの間に実施する既存の或いは新規のプログラムについては、本年の趣旨と目的を考慮するように特に配慮し、また、本年の趣旨が全ての国と人々に行き渡るように本年のフォローアップを行うよう要請する。

(5) 個人や団体が各自の時間を利用してボランティアとして参加し、恵まれない立場にある人々のために各自の資源、技能を提供し共有することを基礎とする2001年が、より良い生活を追及する全世界の人々に益する特別な年であることを強調するよう、加盟国及びすべての参加者に対して依頼する。

(6) 本国際年のために、地域、国家、国際レベルで、マスメディアの強力な参加のもと、共同に広報やインフォメーション・キャンペーンを実施するよう呼びかける。

 

5.ボランティア国際年ロゴマーク

IYV_logo

 国連のロゴであるオリーブの葉の中に、人間をかたどった3つのVを配し、ボランティアが活動している様子を表しています。ドイツ在住のアルゼンチン人グラフィックデザイナー、サンドラ・ロハス氏がボランティアで制作しました。

 

 

 

 

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