美術史2005


・     前回課題回収:概況紹介

3〜10点

西洋〜東洋

古代〜現代

「ストゥディウム」と「プンクトゥム」

"…貧しい私服の戦闘員たち、廃墟と化した街路、死者たち、苦悩、太陽、重たそうなまぶたをした インディオたちの眼などである。何千という写真が、そうした情報の場によって成り立っており、確かに私はそうした写真に対して、一種の一般的関心、ときには感動に満ちた関心をいだくことができるが、しかしその感動は道徳的、政治的な教養(文化)という合理的な仲介物を仲立ちとしている。そうした写真に対して私が感ずる感情は、平均的な感情に属し、ほとんどしつけから生ずると言ってよい。…(中略)…それはストゥディウム(studium)という語である。この語は、少なくともただちに《勉学》を意味するものではなく、あるものに心を傾けること、ある人に対する好み、ある種の一般的な思い入れを意味する。その思い入れには確かに熱がこもっているが、しかし特別な激しさがあるわけではない。…(中略)…第二の要素は、ストゥディウムを破壊(または分断)しにやって来るものである。…(中略)…実際、ここで問題になっている写真には、あたかもそうした感じやすい痛点のようなものがあり、ときにはそれが斑点状になってさえいるのだ。問題の標識や傷は、まさしく点の形をしているのである。それゆえ、ストゥディウムの場をかき乱しにやって来るこの第二の要素を、私はプンクトゥム(punctum)と呼ぶことにしたい。…(中略)…ある写真のプンクトゥムとは、その写真のうちにあって、私を突き刺す(ばかりか、私にあざをつけ、私の胸をしめつける)偶然なのである。"

ロラン・バルト『明るい部屋』、花輪光訳、みすず書房、1985年、37-39.

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(4/21/05)


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