美学・美術史講読二〇一〇


講読テキスト

馬渕明子『ジャポニスム―幻想の日本』(ブリュッケ、一九九七年/新装版二〇〇八年)

副読本

宮崎克己『西洋絵画の到来―日本人を魅了したモネ、ルノワール、セザンヌなど』(日本経済新聞社、二〇〇七年)

小山ブリジット『夢見た日本―エドモン・ド・ゴンクールと林忠正』、高頭麻子、三宅京子訳(平凡社、二〇〇六年)


授業予定

四・十二

   <零>   オリエンテーション (本の紹介/「1 ジャポニスムとは何か」配布)

四・十九

<第一講> 「1 ジャポニスムとは何か」

四・二十六

<第二講> 「2 ジャポニスムと自然主義」 

五・三

 (休講) 憲法記念日

五・十

 (休講) 第9回 ダッカールト―現代アフリカ美術ビエンナーレ調査

五・十七

<第三講> 「3 モネの《ラ・ジャポネーズ》をめぐって」

五・二十四

<第四講> 「4 A travers」

五・三十一

<第五講> 「5 モネのジャポニスム」

六・七

<第六講> 「6 ゴッホと日本」

六・十四

<第七講> 「7 クリムトと装飾」

六・二十一

<第八講> 「8 葛飾北斎とジャポニスム」

六・二十八

<第九講> 関連資料の紹介と討議(一)

七・二(月振)

<第十講> 関連資料の紹介と討議(二)

七・五

<第十一講> 副読本の紹介と討議(一)宮崎克己『西洋絵画の到来』

七・十二

<第十二講> 副読本の紹介と討議(二)小山ブリジット『夢見た日本』

七・十九

 (休講) 海の日

七・二十六

<第十三講> 総括

 

 

リンクシラバス


講読テキストの構成                         ※各章題のあとに節の見出しを記載。

1 ジャポニスムとは何か―序にかえて

ジャポニスムとは何か/「影響」の背景/日本の情報/日本に対する賛美と優越感/ヨーロッパが選んだ「日本」/共和主義と日本

2 ジャポニスムと自然主義

ヨーロッパと日本の自然主義/長崎と富士/動植物の世界/素早さ、偶然性、簡素さ

3 モネの《ラ・ジャポネーズ》をめぐって―異国への窓

がらくた/エキゾティシズム/対作品としての《ラ・ジャポネーズ》と《緑衣の女》/立ち姿の女性像

4 A travers―モネの《木の間越しの春》をめぐって

《木の間越しの春》の位置/〈すだれ効果〉/モネの視覚体験/イメージの重なり

5 モネのジャポニスム―自然と装飾

モネのジャポニスムの研究史/モネのコレクション/モネのジャポニズム―(視覚体験に基づく空間の表現/自然のなかの形/自然主義と装飾)

6 ゴッホと日本

ゴッホと浮世絵の出会い―ジャポネズリー/ゴッホにとっての日本のイメージ/アルル時代の様式―ジャポニスム/おわりに

7 クリムトと装飾 ―ウィーンにおける絵画のジャポニスム

ウィーンのジャポニスムの状況/クリムトの装飾活動/文様の機能/動きの文様/抽象的文様/「地」の役割/空間の装飾、装飾の空間/ウィーンの装飾志向

8 葛飾北斎とジャポニスム

オクサイ/ホクサイ?/モティーフの転用/画面構成の影響/シリーズ作家としての北斎


講読テキスト、副読本の図書館所蔵情報

1.馬渕明子『ジャポニスム』……山口大学総合図書館、山口県立図書館

2.宮崎克己『西洋絵画の到来』……山口大学総合図書館、山口市立図書館

3.小山ブリジット『夢見た日本』……山口県立図書館


提出レポート(要認証)

 第一部 要旨

1 ジャポニスムとは何か―序にかえて
   前半(大野)/後半(鳥屋原

2 ジャポニスムと自然主義
   前半(米原)/後半(久保

3 モネの《ラ・ジャポネーズ》をめぐって―異国への窓
   前半(田村)/後半(土平

4 A travers―モネの『木の間越しの春』をめぐって
   前半(中村)/後半(馴松

5 モネのジャポニスム―自然と装飾
   前半(小川)/後半(田中

6 ゴッホと日本
   前半(冨田)/後半(横田

7 クリムトと装飾 ―ウィーンにおける絵画のジャポニスム
   前半()/後半(石井

8 葛飾北斎とジャポニスム
   前半(鬼崎)/後半(

 関連資料

葛飾北斎(古林

 副読本

宮崎克己『西洋絵画の到来』 V―1 「美術館」という願望(安藤

小山ブリジット『夢見た日本』 第一章 エドモン・ド・ゴンクール、日本美術が変えた人生(藤山

 第二部 感想

米原藤山鳥屋原大野田村田中古林久保小川鬼崎安藤石井横田馴松冨田


図版

 2 ジャポニスムと自然主義

図2 ジョン・コンスタブル《木の幹の習作》、1821-22年頃、ロンドン、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館

図3 雪舟《山水図》(要認証)、永正四年(一五〇七)三月二日了庵賛、紙本墨画淡彩、119.0×35.9cm、個人蔵

図5 ピーテル・ブリューゲル《種を播く人のいる風景》、1557年、サン・ディエゴ、ティムケン美術館

図11 フィンセント・ファン・ゴッホ《花盛りのアーモンドの枝》、1890年、アムステルダム、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館

図16 ポール=エリー・ランソン《ジャングルの虎》、1893年、個人蔵 ※リンク先はオベリン大学付属アレン記念美術館

参考作品:ポール=エリー・ランソン《エヴァ》

図20 ドーム《秋のマロニエの壺》、ナンシー美術館 展示風景

図26 アンリ・トゥールーズ=ロートレック《フォリー=ベルジュールのロイ・フラー》、1893年、アルビ、トゥールーズ=ロートレック美術館

 3 モネの《ラ・ジャポネーズ》をめぐって―異国への窓

図1 モネ《ラ・ジャポネーズ》、1876年、ボストン美術館

図2 モネ《カミーユ(緑衣の女)》(要認証)、1866年、ブレーメン、クンストハーレ 出典:『世界美術大全集22印象派時代』(小学館、1993年)、171頁。

図3 ジェームズ・マックニール・ホイッスラー《ばら色と銀色―磁器の国の姫君》、1864年、ワシントン、フリーア・ギャラリー

図4 エドゥアール・マネ《婦人と扇―ニナ・ド・カリアス》、1873年、オルセー美術館

図7 オーギュスト・ルノワール《花束と団扇のある静物》、1871年、ヒューストン美術館

図9 モネ《草上の昼食 下絵》(要認証)、1865〜66年、プーシュキン美術館
Source: http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/monet.html

図10 モネ《ゴーディベール夫人の肖像》、1868年、オルセー美術館

図11 モネ《散歩・パラソルの女》(要認証)、1875年、ワシントン、ナショナル・ギャラリー 出典:『世界美術大全集22印象派時代』(小学館、1993年)、179頁。

図12 モネ《パラソルの女・右向き》、1886年、オルセー美術館

図13 モネ《パラソルの女・左向き》、1886年、オルセー美術館

図16 モネ《庭の女たち》、1866-67年、オルセー美術館

図19 アルフレッド・ステヴァンス《一緒に出かけるの、フィド?》、1859年、フィラデルフィア美術館

図20 ギュスターヴ・クールベ《画家のアトリエ》、1855年、オルセー美術館

図21 カミーユ・コロー《青衣の女》、1874年、ルーヴル美術館

図22 エミール=オーギュスト・カロリュス=デュラン《手袋の女》、1869年、オルセー美術館

4 A travers―モネの 《木の間越しの春》をめぐって

図2 クロード・モネ《木の間越しの春》(要認証)、1878年、マルモッタン美術館 出典:『アート・ギャラリー 1 モネ』(集英社、1985年)、16頁。

図6 ギュスターヴ・カイユボット《ヨーロッパ橋》、1877年、フォートワース、キンベル美術館

図8 モネ《ポプラ並木》、1891年、フィラデルフィア美術館

図9 モネ《睡蓮》、1918〜25年、マルモッタン美術館

5 モネのジャポニスム―自然と装飾

図1 クロード・モネ《オンフルールのバヴォール街》、1866〜67年、ボストン美術館

図2 歌川広重《歌川広重 名所江戸百景 猿若町よるの景》(要認証)
Source: http://hansichi.hp.infoseek.co.jp/pics/saruwaka.jpg

図3 モネ《サン=シメオン農場への道、雪の印象》、1867年、フォッグ美術館

図4 モネ《雪のアルジャントゥイユ》、1875年、国立西洋美術館

図5 モネ《王女の庭》(要認証)、オーバリン、アレン美術館
Source: http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/monet.html

図7 モネ《サン=タドレスのテラス》、メトロポリタン美術館

図8 モネ《かささぎ》、1868〜69年、オルセー美術館

図9 葛飾北斎《冨嶽三十六景 五百羅漢寺さざゐ堂》(要認証)
Source: http://www.yamagata-art-museum.or.jp/ja/kikaku/2007_08.html

図12 北斎《冨嶽三十六景 石班沢》(要認証)
Source: http://www.geocities.jp/zdh/fuji36.htm

図13 モネ《マントン近くの赤い道》(要認証)、1884年
Source: http://www.artchive.com/artchive/M/monet/red_road.jpg.html

図16 広重《木曾海道六十九次之内 本山》(要認証)
Source: http://fukuoka.cool.ne.jp/akumamoto/page002.html

図17 モネ《イタリアのボルディゲラ》(要認証)、1884年、個人蔵
Source: http://www.picturesdepot.com/tags/1/claude+monet.html

図18 広重《東海道五十三次之内 由井》(要認証)
Source: http://plaza.rakuten.co.jp/taizousan/10001

図19 モネ《ボルディゲラ》、1884年、シカゴ美術館

図20 モネ《エトルタの断崖》(要認証)、1885年、ウィリアムズタウン、スターリング・アンド・フラシーヌ・クラーク・アート・インスティテュート
Source: http://en.wikipedia.org/wiki/File:Claude_Monet_The_Cliffs_at_Etretat.jpg

図22 モネ《エトルタのマンヌポルト》、1883年、メトロポリタン美術館

図23 広重《六十余州名所図絵 相模 江之島岩屋の口》(要認証)
Source: http://blog.livedoor.jp/mainichi_art/archives/2009-07.html

図24 モネ《ベリールのポール=コトンの針岩》(要認証)、1886年
Source: http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/monet.html

図25 モネ《ベリール=アン=メール》、1886年、ブリヂストン美術館

図26 広重《阿波の鳴門之風景》(要認証)
Source: http://www.kantei7.com/?action=syosai&select_key=20100125162643

図27 広重《六十余州名所図絵 薩摩坊ノ津 雙剣石》(要認証)
Source: http://plaza.rakuten.co.jp/mieca60uca/diary/200907120000/

図28 モネ《ポプラ並木》、1891年、フィラデルフィア美術館

図29 渓斎英泉《木曽海道六十九次之内 板鼻》(要認証)
Source: http://blogs.yahoo.co.jp/houzan_ky/62920513.html

図30 モネ《睡蓮の間》、オランジェリー美術館

図31 モネ《七面鳥》、1876年、オルセー美術館

図35 モネ《舟遊び》、1887年、国立西洋美術館

図37 モネ《朝、しだれ柳》、1920〜25年、オランジェリー美術館

関連サイト:馬渕明子「モネのジャポニスム ― 自然と装飾(1887〜1926)」(社団法人 如水会)

6 ゴッホと日本

図1 歌川広重《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》(要認証)
Source: http://www.nagoyatv.com/ukiyoe/list/land/land_10.html

図2 フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲く梅の木》(要認証)、1887年、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館
Source: http://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=26129000282&GroupCD=0&no=

図3 広重《江戸名所百景 大橋 あたけの夕立》(要認証)
Source: http://hitorishiz.exblog.jp/10286464/

図4 ゴッホ《雨中の橋》(要認証)、1887年、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館
Source: http://eihei.way-nifty.com/eihei1/cat20954364/index.html

図5 渓斎英泉「花魁」(雑誌『パリ・イリュストレ』日本特集号
Source: http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~fujikawa/09/sl/sl0928.htm

図6 ゴッホ《花魁》、1887年、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館

図7 ゴッホ《カフェ「ル・タンブラン」に坐る女》、1887年、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館

図9 ゴッホ《タンギー親爺の肖像》、1887年、パリ、ロダン美術館

図10 ゴッホ《タンギー親爺の肖像》(要認証)、1887年、コンスタンティヌス・ニアルコス・コレクション
Source: http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/gogh.html

図11 ゴッホ《耳に包帯をした自画像》、1889年、コートールド美術研究所

図19 ゴッホ《坊さんとしての自画像》、1888年、ハーバード大学フォッグ美術館

図20 ゴッホ《ムスメ》、1888年、ワシントン、ナショナル・ギャラリー

図25 ゴッホ《洗濯女のいるラングロワ橋》、1888年、クレラー=ミュラー美術館

図27 ゴッホ《ゴッホのアルルの寝室》、1888年、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館

図29 ゴッホ《ダンス・ホール》、1888年、オルセー美術館

図31 ゴッホ《アリスカンの並木道》、1888年、クレラー=ミュラー美術館

図32 広重《義経一代図絵》(要認証)
Source: http://atsushikumamoto.hp.infoseek.co.jp/page032.html

図34 ゴッホ《花咲く薔薇の茂み》、1889年、国立西洋美術館

図35 ゴッホ《アイリス》(要認証)、1889年、ポートランド、ウエストブルック大学ジョン・ホイットニー・ペイソン・ギャラリー
Source: http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/gogh.html

図36 ゴッホ《花咲く梨の木》、1888年、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館

図37 ゴッホ《種播く人》、1888年、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館

図38 ゴーギャン《説教のあとの幻影》、1888年、スコットランド・ナショナル・ギャラリー

図43 ゴッホ《ドクロ蛾》、1889年、国立フィンセント・ファン・ゴッホ美術館

7 クリムトと装飾 ―ウィーンにおける絵画のジャポニスム

図1 グスタフ・クリムト《タオルミーナの劇場》(要認証)、1886-88年、 ウィーン、ブルク劇場
Source: http://www.salvastyle.com/menu_symbolism/klimt.html

図1 グスタフ・クリムト《成熟(ストックレ・フリーズのための下絵)》(要認証)、1905-09年、 ウィーン、オーストリア国立工芸美術館
Source: http://www.salvastyle.com/menu_symbolism/klimt.html

図7 クリムト《水蛇T》、1904-07年、 ウィーン、オーストリア絵画館

図9 クリムト《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像T》(要認証)、1907年、 ウィーン、オーストリア絵画館
Source: http://www.salvastyle.com/menu_symbolism/klimt.html

図16 クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》(要認証)、1907年、 ウィーン、市立歴史博物館
Source: http://www.salvastyle.com/menu_symbolism/klimt.html

図23 クリムト《女の生の三世代》、1905年、 ローマ、国立近代美術館

図35 クリムト《ダナエ》(要認証)、1907-08年、 個人蔵
Source: http://www.salvastyle.com/menu_symbolism/klimt.html

図36 クリムト《ユーディットU》、1909年、 ヴェネツィア、近代美術館(ペザーロ宮)

図35 クリムト《水の精》(要認証)、1899年、 ウィーン中央貯蓄銀行
Source: http://www.salvastyle.com/menu_symbolism/klimt.html

図41 クリムト《フリッツァ・リートラーの肖像》、1906年、 ウィーン、オーストリア絵画館

図43 クリムト《人生は戦いなり―「黄金の騎士」》、1903年、 愛知県美術館

図46 クリムト《ひまわりの咲く庭》、1905-06年、 ウィーン、オーストリア絵画館

図48 シーレ《ほおずきのある自画像》(要認証)、1912年、 ウィーン、レオポルド財団美術館
Source: http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Egon_Schiele_079.jpg

8 葛飾北斎とジャポニスム

図13 ドガ《たらい》、1885-86年頃、ヒルステッド美術館
Source: http://hubpages.com/hub/Impressionist-Art-Painters

図17 ドガ《出走前の競馬馬》、1866-67年頃、オルセー美術館

図29 ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山》、1904-06年、フィラデルフィア美術館