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アメリカにおける暑熱ストレス対策



暑熱ストレスは、人間に熱中症を起こし、死亡にも至る重要な環境ストレスです。家畜では、ウシ、ブタ、ニワトリなどで問題になり、日本でも、北海道を含めた日本全国の畜産農家で夏場に暑熱ストレスの問題が発生しています。特に1994年や2010年には全国各地で深刻なダメージがありました。農林水産省が調査した2010年7月1日〜8月15日の畜産の暑熱死亡・廃用被害は、乳用牛が959頭で、前年同期比36.4%増です。このほかにも暑熱死亡・廃用被害は、豚が657頭、同24.7%増、採卵鶏が13万6000羽、同142.9%増、ブロイラーが28万9000羽、同70%増という大きな被害です。

角川教官は、社団法人畜産技術協会の要請を受けて、アメリカに訪問し、熱帯性気候のフロリダ州、砂漠性気候のアリゾナ州、コーンベルト地帯で夏場には暑熱の問題が発生するアイオワ州で、最新の暑熱ストレスに関する情報を収集しました。

この調査結果は、獣医・畜産関係のジャーナル等で日本語として発表しています。またフロリダ大学のHansen教授と議論を深めて、総説を執筆し、Animal Science Journalから出版されました(詳細はこちら)。

対策は大きく、”動物”と”施設”の2つに分ける事が出来ます。以下、幾つかの写真などを紹介します。

       
 激しい暑熱ストレス症状(流唾やパンティング)を示す乳牛  水をかけてもらい喜ぶ暑熱ストレス実験中の豚  しかし30分ほどの暑熱の再負荷ですぐにグッタリする  アメリカのように品種にこだわりの少ない国では、インド牛や交配種の受精卵を移植する事も、一つの繁殖問題対策になる可能性が


     
 フロリダ大学の乳牛舎。屋根が高く、ファンが多い。  アイオワ州立大学のフリーストール式の乳牛舎。ファンは牛床の上に設置し、斜め向きに設置する。屋根や壁の開口部も多い。  USDA亜熱帯農業研究センターの肉用牛のためのパドック。寒冷紗をあちこちで使う。



     
 トンネル型換気システムの構造  4300頭の搾乳牛を飼育するトンネル型換気牛舎  排気部のファン群



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