好きな言葉: 学んで思わざれば即ち暗く、
思うて学ばざれば即ち危うし(孔子)
他人のまねだけでは独創的なことはできないし、自分の独善的な判断だけでは成功する確率が低い。何事かをなしとげるには、必要な知識の吸収と自らの思考・判断の両者が同時に並行して行われる必要がある。
よい教育とは、この両者のうちの「考える力」の養成により重点をおいたものではなかろうか。
さらに、この言葉は、他人の助言に真摯に耳を傾けることと、納得した部分を謙虚に受け入れることの重要さをも指摘しているものと思う。
彼を知り、己を知れば、百戦して殆うからず(孫子)
周囲の状況と自分の立場や能力を、主観的願望を交えずに、冷静かつ的確に分析できることは、目的遂行のための必要条件である。戦略と展望をもたない「夢」は、「虹」に過ぎない。
空を飛ぶ鳥のように自由に生きる
私の若い頃(1960年代末)、若い者どうしのお別れ会などでは、「今日の日はさようなら」という森山良子のフォークソングを合唱して散会することがよくあった。
この歌の歌詞に「空を飛ぶ鳥のように自由に生きる」という語句があった。この語句のところに来ると、前後の歌詞の意味とは無関係に、胸を締め付けられるような感慨を覚え、「自分もそのように生きたい」、「誰からも支配されたくない、そして誰も支配したくない」との思いを強く抱いたものであった。そして、その思いは今も変わらない。
ただ、そのような生き方ができるためには、そのための準備と努力が必要であろう。
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いつまでも絶えることなく友だちでいよう/ 明日の日を夢見て 希望の道を/
空を飛ぶ鳥のように自由に生きる/ 今日の日はさようなら またあう日まで/
信じあうよろこびを大切にしよう/ 今日の日はさようなら またあう日まで/ またあう日まで
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足るを知る者は富む(老子)
中学時代に教師から聞いた加齢とともに共感を増す言葉である。確かに、所与の状況に満足して生きることは、"充実した人生"の一つの形態といえる。
老子の思想としては、「小国寡民」にも共感を覚える。「国は小さく国民の数は少なくても、民は幸せでいられるのだ」という主張への共感は、戦前の日本が膨張を目指しながらも国民は必ずしも幸せとは言えなかった、との認識に由来するのであろう。