漬物のつくり方
大根、蕪、キュウリの漬物の作り方基本方針
(1) 塩分を少なくし、狭い面積に圧力をかけ、強い圧力で水分を出し(パスカルの原理)、漬物のテクスチュア(食感(歯応えなど)、材質感)を整える。 具体的には、細長い容器を使い、重石を重くする。
(2) 脱水により、材料からは水分が出ないようにして(たれは吸い込まれるだけでたれが薄まらないようにして)、たれを繰り返し再利用する。
(3) たれがすでにある場合には、作業時間は大根等を切る時間とあまり変わらないようにする(5−10分)。
原理: 漬物作りは、@浸透圧の差による細胞からの水分の吸出し、A細胞壁の破壊、B味成分の細胞内への流入、という3つのプロセスから成り立っている。通常は、この3つのプロセスを同時に行うが、本法では、@、AとBを別々に行うことにより、手間の軽減、減塩、経済性の向上を実現する。
@、Aでは、テクスチュアの調整が、Bでは味付けが行われる。
(@Aについては、テキスト3章7節 「浸透と浸透圧」を参照。)」手順
(1) 皮むき器で皮を薄くむいた大根、蕪、キュウリ(皮は剥かない)、苦瓜などを食べやすい大きさに切り、円筒形の容器(直径が10−15cm)に入れる。(3百ー5百gくらいまでが適当?)(皮をむくのは水分が抜けやすいだろうと考えたため。むく必要はないのかもしれない。)(2) 材料百g当たりに食塩を3g(キュウリの場合は 2.5g)加え、スプーンで軽くかき混ぜる(食塩は材料から出る水分に溶けるので、混ざっている必要はない;後で水洗する時に塩味を感じない量)。
(3) 形がコンクリートブロックに近い段ボール箱を用意する。(段ボール箱の壁に沿って板を置くと、コンクリートブロックが板に当たって、倒れない。)
(4) 円筒形の容器(直径 10-15 cm)を段ボール箱に入れる。
(5) 円筒形の容器に押すための器具(ガラス瓶に缶詰の空缶を入れたものなど)とコンクリートブロックを1-2個乗せる。
(6) 夏季は半日程度、冬季は1日-2日程度脱水する(出た水分が濁っている場合には、発酵が起こっている)。取り出した材料は水洗し、手で絞って水分を除く(塩分を極力少なくするため)。(長く脱水するほど固くなる。)
(7) 好みのたれに半日-1日浸しておく。取り出す際には、トングを使うと便利。
(漬物は、各家庭ごとに秘伝の作り方があると聞いていたので、他人の作り方は調べなかった。)
※ たれは、時々金網(味噌漉しなど)で漉し、電子レンジで加熱殺菌しながら、何回でも繰り返しなくなるまで使う。味が薄くなったら、調味料を適宜追加する。
※ @Aで脱水したものは、冷凍保存による味の劣化がほとんどない。
※ 切干大根(乾燥大根)をたれに投入しただけのものもかなりおいしかった。
段ボール箱と板 入れ物と押すための瓶と空き缶 容器内の材料に圧力を加える
◎ たれ作成の例:● 市販のだしの素 100 mL
● 砂糖 20 g
● ミカン酢(自家製のスダチの絞り汁; 冷凍保存しておいたもの;無ければポン酢など)10 mL
● グルタミン酸モノナトリウム(味の素) 4 g
● 水 50 mL(量はだしの素の濃縮度に依存。なめた時のたれの味は漬物の味と同じと考える。水を加えるのは初回だけ。)
味が薄くなったら、味をみながら、だしの素、砂糖、酸味、グルタミン酸ナトリウムを追加する。
◎ おいしさについて
自分の好みにテクスチュアを整え、自分の好みに味付けをするのだから、おいしくなかったら、どこかに不適切なところがある。
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この絵は、画像ソフト(Photoshop Ver.4.0) を使って描いたCGです。