山口大学 大学院医学系研究科 器官病態外科学講座 (第一外科)

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海外学会参加報告

米国血管外科学会 – 溝口高弘

 

2019年6月12日から15日までアメリカ合衆国のワシントンD.C.郊外で米国血管外科学会(Society of Vascular Surgery)が主催するVascular Annual Meeting(VAM)2019に参加させて頂きました。私は自身の投稿した演題が不採択となり、落胆しておりましたが、濱野教授にご高配を頂き、演題の採択された山口県立総合医療センターの竹内由利子先生とともにご同行させて頂きました。成田空港からワシントンD.C.までは約13時間で到着しました。日本との時差は13時間で、滞在中は蒸し暑くはありましたが、山口より幾分か涼しく感じました。

会場はワシントンD.C.郊外で、ポトマック川という大きな河川沿いの街であるNational Harbor(メリーランド州)にあるGaylord National Resort & Convention Centerでした。リゾートホテルが併設された非常に大きなConvention centerでとても驚きました。竹内先生はInternational Poster Competitionという米国国外からの参加者のための優秀賞選考のあるポスターセッションで発表されました。発表内容は当科で行っているアクセスルートに片側の閉塞病変を合併する腹部大動脈瘤症例に対する分岐型ステントグラフト内挿術の治療成績についてです。これまでステントグラフト内挿術のアクセスルートとなる腸骨動脈に片側の慢性閉塞病変を合併する腹部大動脈瘤症例に対しては、開腹での修復術もしくは直線型ステントグラフト留置に非解剖学的バイパスを組み合わせた治療がされていましたが、前者は侵襲的であり、後者はグラフトの開存率などで課題がある状況でした。そこで当科では技術的には難易度の高い閉塞病変を合併する腹部大動脈瘤に対して血管内アプローチにより慢性閉塞病変を再疎通し、通常通りに分岐型ステントグラフトを留置して低侵襲に治療を行ってきました。今回はその成績をretrospectiveに検討した結果を発表されました。竹内先生の発表には多くの質問があり、我々の行っている取り組みは海外からも注目される内容であることを改めて認識しました。

学会の合間には、ホワイトハウスやスミソニアン博物館などワシントンD.C.内の見学をしました。アメリカの首都を肌で感じることができ感激しました。

今回、濱野教授をはじめ多くの先生方のご協力で学会出席の機会を頂き、誠にありがとうございました。今後の臨床・研究においてとてもいい刺激になりました。

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