堤 宏守研究室(バイオ機能高分子)

大学院へのいざない


■2011年11月11日(金)実施の「大学院へのいざない」の配付資料
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■講義後の質問票への回答(順次 追加予定)(11月14日〜追加)

◆:皆さんからいただいたコメントや質問です。(修正せずにそのまま記載しています。)

○:回答や私からのお願いなどです.

◆研究テーマは,どのように決まりますか。
○これは,研究室に依っても,決めるプロセスは違うと思いますが,私の研究室では,大体,以下の通りです。
(1)皆さんの希望を聞きます。(研究室紹介などのパンフレットなど(例年,1月〜2月に3年生に配付)に記載のテーマから選ぶような形になります。)
(2)テーマの継続性などを考えて,担当者を調整します。場合に依っては,内容を一部変更して,テーマを設定し直すこともあります。
(3)もう一度,皆で調整し,各自のテーマを決めます。
(4)決めたテーマについて,より詳しい内容の説明や研究の進め方を話し合います。(論文や情報の探し方,試薬の基礎的な取扱,実験室における安全について,など基礎的な勉強も最初にします。)
(5)そして,実験!です。

■11月30日〜 追加コメントは,順に足しますので,古いものは,下の方にあります。新しいコメントほど,上の方に来るようにしました。
◆研究室の男女比は,どうなっていますか。
○これは,年度によってかなり異なっています。例年ですと,大体,半々です。
◆進学する人の割合は,どうなっていますか。
○これも,年度や景気によって異なります。例年ですと,学科全体で,6割から7割以上です。ある程度の力を持って就職することを考えると,やはり大学院進学が望ましいと考えています。経済的に厳しい場合は,奨学金などの制度を上手に利用して,自分の将来に対しての投資を行って下さい。奨学金制度もいろいろありますので,学生支援係で聞いてみて下さい(常盤工業会が支援する制度などもあります。)。また,募集の掲示などにも十分注意して手続きに遅れないようにしましょう。

◆この分野が興味をそそるものか疑問である。

○是非,あなたの興味のある分野を教えて下さい。私が話すことができる分野なら,いつでもお話しします。よろしくお願いします。

◆医学部と工学部の研究室の違いは。

○私の研究室は,医学系研究科に属していますが,場所も,やっていることも,基本的には工学部の化学系の研究室と変わりません。研究テーマは,医学系のものもあります。気になるテーマがあれば,研究室に見学に来て下さい。このご質問の別の意味を考えると,医学部の研究室の雰囲気という意味でしょうか。そうだとすると,私もあまりよく知りませんが,基本的には,いわゆるお医者さん(学部卒後,医師免許を持っているので,皆”先生”です。)が多いので,昼間は,病院で勤務されることが多いので,とてもお忙しいと聞いています。実験などは,夜間することが多いそうです。

◆研究室の雰囲気は,どんな感じですか。

○ある程度は,このWebページでも分かるかと思いますが,『百聞は一見にしかず』,是非,研究室に見学に来て下さい。研究室のメンバーにいろいろ聞いてみて下さい。

◆1年に何回くらい学会に行かれるのですか。
○学会は,実験の進行にもよりますが,修士2年間では,最低2回は,学会発表できるようにしています。多い人は,もっと多いです。(大きな学会,小さな学会合わせて,2年間に約8回くらいの人もいます。)
◆電池に関する研究で,他研究室との違いは,どこにありますか。
○この短いコメントや講義だけでは,伝わりにくい部分がありますが,大まかに言えば,新規な高分子材料の合成→材料の物性評価→電池などへの応用 という形で,研究を進めている,というスタンスが,我々の研究室です。どうしても,「有機化学」,「無機化学」という切り口で化学を捉えてしまいがちですが,人間の体を考えても分かるように,有機材料(例えば,酵素など)と無機材料(例えば,歯や骨)を,上手く使い分ける,あるいは組み合わせて使うことが重要と考えています。
◆就職活動の厳しさを教えて欲しい。就職活動で一番大切なことは何ですか。
○私が説明するまでもなく,就職活動は,いつの時代でも厳しいものと思います。少なくとも,いわゆる学生気分のままでは,就職した後の大変さを乗り切ることは難しいと思います。『就職すること』を最終目標に考えがちですが,そうではなく通過点に過ぎません。就職した後の人生設計をどう考えるのか,そこから逆に考えてみる必要があると思います。簡単な計画表(人生の設計図,例えば,**歳で結婚して,**歳で課長になって,こんな仕事をする等)を書き出してみるのも良いと思います。

 就職した卒業生が,大学を訪れて説明する,いわゆるOB,OG訪問がありますが,そのような機会に積極的に参加して,いろいろ質問してみることも重要と思います。その際の経験が,採用試験の面接の糸口になることもあるかも知れません。一番大切なことは,若者らしい元気さや真摯さと思います。

◆今日の講義の資料の中に「よく生きる」とありましたが,先生にとっての「よく」は,「良く,善く,好く,克く」のどれにあたりますか。
○なかなか鋭い質問で,どう答えるか,難しいところですが,1つは,場合に応じて,使い分けているというところでしょうか。辞書をひくと分かりますが,それぞれの漢字の意味にあった使い分けが行われています。「好く」は,好きなことをして生きる,といった意味合いが強いように思います。また,「善く」は,善悪の善と捉えれば,善い行いをするという生き方を指していると思います。「克く」には,「困難に耐えて,物事を成し遂げる」という意味合いが出てくると思います。どの形でも,「よく」には,しっかり一生を生ききる,という意味を感じています。