ICU sleep evaluation scale(ISES)
 ICU患者の睡眠を的確かつ簡便に評価するための睡眠評価尺度
  研究室HP

ICU sleep evaluation scale(ISES)とは


ISESは、ICU患者の睡眠を的確かつ簡便に評価するために作成された睡眠評価尺度です。2つの睡眠評価シート(睡眠観察シート、睡眠自己評価シート)から構成されており、ICU患者の睡眠を客観的、主観的視点から測定することができます。
睡眠観察シートは、看護師が患者の夜間の睡眠を評価するものです。睡眠自己評価シートは、患者が起床時に自身の夜間の睡眠を評価するものです。


ISESの評価方法


1)睡眠観察シートの評価方法
・睡眠中の観察5項目、起床時の観察2項目で構成されており、評価スケジュールに準じて3時間毎に3回、起床時に1回評価してください。
・睡眠観察シートは、普段行っている看護師の睡眠観察・評価を、多角的視点からより的確に行えるようにしたものと捉えてください。
・個々の側面の正確な数字を測る(刺激があった時の反応が具体的に何秒あったかなど)ものではなく、3時間の観察期間内の反応・状態を通して、睡眠評価を行うものです。
・規則的な観察を3時間行い、3時間の観察期間を振り返った時に、その期間の睡眠の特徴をつかんだ代表的で印象に残る項目を選択してください。

→ 睡眠観察シート(PDF)

2)睡眠自己評価シートの評価方法
・患者が起床したら、睡眠自己評価シートを手渡し、夜間の睡眠について評価してもらうように説明し、評価してもらってください。
・身体的理由により、自身での筆記が困難な場合は、看護師が質問文および3段階評定尺度を読み上げ、患者に回答してもらい評価してください。

→ 睡眠自己評価シート(PDF)


計算方法(睡眠観察シート、睡眠自己評価シート)


評価後は、3段階評定尺度の1〜3を1〜3点とし、全項目の総合点を計算してください。総合点が高いほど、睡眠時間が長く、深い睡眠であったことを示します。。


睡眠評価尺度の限界と活用上の注意点


ISESは、患者の睡眠の量と深さの数量化を試みた測定ツールです。しかし、その測定結果は、患者の睡眠の良さを数量化したものではありません。測定結果が示す数値に囚われるのではなく、連日評価を行い、各項目の数値の変化を相対的に評価し、患者の日中の活動状況や精神状態なども加味して睡眠を総合評価することにその意義があります。


ISESの妥当性と信頼性


ISESは、測定ツール開発の手順として一定の手続きをきちんと踏んでいます。妥当性と信頼性についても、いくつもの側面から統計学的な手法を用いて検証しています。以下の検証データの一部を御参照してください。

1)ISESの妥当性(基準関連妥当性)



2)ISESの信頼性(内的一貫性)



著作権および研究でISESを使用される場合


ISESは、無料公開されている測定ツールで、使用目的が臨床実践なのか看護研究なのかを問わず自由に使う事ができます。従って、研究のための使用許諾は不要です。

但し、著作権は開発者にありますので、無断で内容や題号を改変する場合などは著作権を侵害することになりますのでご注意下さい。また、営業目的での使用はしないで下さい。書籍等に転載する場合は、開発者の許諾を得て下さい。論文等で引用する場合は、本サイトのURLを引用元にして下さい。

研究報告時には、「開発者が使用許諾が不要である旨を明記しているため、許諾を申請すること無くISESを用いた」などの文章を付けることによって、研究倫理上は問題ありません。

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