センター概要

AMEC3とは

 山口大学医学部附属病院 先進救急医療センター(Advanced Medical Emergency and Critical Care Center)は,1999年4月に国立大学医学部附属病院(当時)では初めて高度救命救急センターとして設置されました。前身は1990年に開設した総合治療センターであり,救急部(1982年設置),集中治療部(1980年設置),総合診療部を合わせて27床のICUとして始まりました。このセンターは従来の縦割りの医療ではなく,各診療科の専門性を背景に院内の最重点機関としての役割を果たしつつ重症患者の全身管理と全人的医療を実践し,内・外より高い評価を得ていました。その後,救急部門が発展する形で先進救急医療センター(高度救命救急センター)として,質の高い集中治療を提供しています。
 救急医療では,初期救急医療機関,二次救急医療機関,及び救急患者搬送機関との緊密な連携体制の下に,生命危機状態で高度な集学的治療を要する救急患者への医療を提供しています。大学病院の特徴を生かして急性期重症傷病患者に対して,高度で総合的・集学的な診断と治療におけるシンクタンクとして24時間,365日体制で運営しています。年々増加する患者に対応するため2007年にセンターを改修・グランドオープンした後は,年間1,000例を越す重症救急患者の診療を行っています。病院前医療としては,2003年より宇部市消防本部と連携したドクターカーシステム,2011年にはドクターヘリの運用を開始し,病院前救急医療体制の充実にも貢献しています。災害医療にも対応するため2005年より DMAT (災害医療チーム) 研修を受け,現在複数隊を有しています。
 救命救急医療を担う優秀な医療スタッフの育成も重要な使命と考え,ICLS・JPTEC・PEMEC・MCLS などの Off-the-job training course の開催も行っています。看護師研修のため人事交流も積極的に行っています(東京大学,東北大学,徳島大学の附属病院など,および関門医療センター,浜田医療センターなどの関連病院より)。また救急隊員の研修・教育にも尽力しています。
 なお,英文表記は Advanced Medical Emergency and Critical Care Center (AMEC3) であり,院内では「エーメック・スリー」という愛称で呼ばれています。

センター沿革

1994 全国で6番目(山口大学で20講座)の臨床講座として救急医学講座新設
1999 国立大学で初めての救命救急センターとして先進救急医療センター(AMEC3)を設置
2000 国立大学で初めての高度救命救急センターとして認可
2003 ドクターカー開始
  防災ヘリコプター「きらら」のドクターヘリ的運用を開始
  ICLSコースを開始
  山口県地域MC協議会設置
2005 DMAT1チーム目を結成
  完全2交代制勤務に変更
2007 病棟改修,グランドオープン
2011 ドクターヘリ運用開始
  鶴田教授就任
  ユニフォームを一新
2012 同門から熊本大学医学部附属病院 救急・総合診療部教授に就任
2014 ドクターヘリ格納庫完成
  院内ハリーコール「コードブルー」開始
2016 ドクターヘリユニフォームを一新
2019 新病棟(A棟)へ移転
  屋上ヘリポート完成
2020 コロナ禍
2023 同門から福島県立医科大学 法医学講座教授に就任
  同門から藤田医科大学ばんたね病院 救急科病院教授に就任

搬送患者・入院患者の内訳