耳管開放症外来

耳管開放症による自声強聴や耳閉感でお困りの方へ。
当院では専門的な耳管機能評価を行い、症状に応じた治療を提供しています。
手術治療にも対応しており、中国地方で最初に認定された実施施設です。

耳管開放症とは

耳管開放症とは

耳管(Eustachian tube)は、耳と咽頭(のど)をつなぐ細い管で、 中耳の気圧調整、粘液の排出、中耳の換気といった重要な役割を担っています。

通常、耳管は安静時には閉じており、嚥下やあくびなどの際に一時的に開くことで機能します。 しかし、何らかの原因により耳管が開いたままになる状態を耳管開放症と呼びます。

主な症状

主な症状

耳管開放症では、以下のような症状がみられます。

  • 自分の声が響いて聞こえる(自声強聴)
  • 耳がつまった感じ(耳閉感)
  • 自分の呼吸音が聞こえる
  • 話すと耳の奥がガサガサする感じ

多くの場合、横になると症状が軽くなる・消失するという特徴があります。

当院での診断について

当院での診断について

当院では、耳管機能検査装置を用いた客観的評価を行い、 症状・診察所見・検査結果を総合して診断を行っています。

「耳管開放症かどうか分からない」
「他院で診断がはっきりしなかった」
という方も、まずはご相談ください。

治療について

治療について

保存的治療

初期治療として、内服薬・点鼻薬などによる保存的治療を行います。

手術的治療(難治例)

保存的治療で改善しない場合や、他院で治療を受けても症状が持続する場合には、 患者さんの希望を踏まえ、手術的治療を検討します。

  • 耳管ピン手術
  • 耳管補綴剤挿入術

これらの治療は、日本耳科学会が認定した医師・施設のみで実施可能です。
当院は中国地方で唯一の認定実施施設として、2023年より手術治療を開始しています。

受診をご希望の方へ

現在治療中の医療機関がある場合は、紹介状(診療情報提供書)をご用意のうえ、 当院耳鼻咽喉科外来までご相談ください。

「長年つらい症状に悩んでいる」「どこに相談してよいか分からない」 という方にも、適切な診断と治療方針をご提案いたします。

よくある質問(FAQ)

Q1.耳管開放症かどうかは、どのように診断するのですか?

症状の内容に加えて、耳管機能検査を用いた客観的評価を行います。 自声強聴や呼吸音聴取といった自覚症状、診察所見、検査結果を総合して診断します。 他院で診断がつかなかった場合でも、検査を行うことで評価が可能な場合があります。

Q2.横になると症状が楽になるのはなぜですか?

体位変化により耳管周囲の血流や組織の状態が変化し、耳管が閉じやすくなるためと考えられています。 この特徴は耳管開放症に比較的典型的で、診断の参考になります。

Q3.治療は必ず手術が必要ですか?

いいえ。多くの場合は保存的治療から開始します。 内服薬や点鼻薬による治療で症状が改善する方も少なくありません。 手術治療は、保存的治療で十分な効果が得られない場合に、患者さんの希望を踏まえて検討します。

Q4.耳管ピン手術・耳管補綴剤挿入術とはどのような治療ですか?

耳管内に器具や補綴材を留置し、過剰に開放している耳管を物理的に調整する治療です。 これらの治療は、日本耳科学会で認定された医師・施設のみで実施が可能です。 当院では2023年より手術治療を行っています。

Q5.他院で治療を受けていますが、受診できますか?

はい。現在治療中の場合でも受診は可能です。 これまでの経過が分かる紹介状(診療情報提供書)をご持参いただくことで、 より適切な評価が可能になります。

Q6.初診時に必要なものはありますか?
  • 紹介状(診療情報提供書)
  • これまでの検査結果や画像データ(お持ちの場合)

大学病院の専門外来のため、紹介状をお持ちいただくことをおすすめしています。

Q7.手術を希望すれば必ず受けられますか?

診察・検査結果を踏まえ、適応を慎重に判断します。 症状の原因が耳管開放症以外である場合や、 手術による利益が少ないと判断される場合には、手術を行わないこともあります。

Q8.受診するか迷っています。相談だけでも可能ですか?

はい。まずは診断と病状評価を目的とした受診が可能です。 症状の原因を明らかにし、治療の選択肢について丁寧に説明いたします。

2023年12月 山口大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 菅原 一真(2025年12月17日更新)
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