当教室について
山口大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の新たな歩み
― 地域医療と先端研究の融合を目指して
当教室は、本学の前身である山口県立医学専門学校の開校から1年半後の昭和20年9月に設立され、昭和24年2月に故・本庶正一先生によって教室の形が整えられました。令和6年11月現在、教室には医師17名、事務補佐員2名、技術補佐員1名が在籍しています。また、附属病院では言語聴覚士2名がフルタイム、1名がパートタイムで診療に携わっております。
耳鼻咽喉科は、耳、鼻、喉(咽頭・喉頭)に加え、頭部および頸部の臓器や構造を対象とする専門分野です。この領域には、聴覚、平衡感覚、嗅覚、味覚、音声・嚥下機能など、生活の質(QOL)に密接に関わる感覚や機能が含まれます。また、頸部には甲状腺、唾液腺、リンパ節などの重要な臓器が集中しており、それらに関連する疾患の診断と治療も行っています。治療の対象は炎症性疾患やアレルギー性疾患から、腫瘍性疾患(良性・悪性)や遺伝子疾患まで多岐にわたります。特に近年では癌治療をはじめとした頭頸部外科分野の重要性が増しており、放射線治療や化学療法、再建手術など、多職種との連携による集学的治療が不可欠となっています。このような背景を受け、当科では令和5年に附属病院の診療科名を「耳鼻咽喉科」から「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」に変更し、頭頸部外科分野のさらなる発展に注力しています。
また、当教室は伝統的にめまいの研究・診療に力を入れており、最近では新たな診断装置の開発を行い、市販化に成功しました。入院診療においては、内視鏡を用いた低侵襲手術や人工聴覚器医療などの先進的な治療法を導入し、患者様のQOL向上に寄与しています。
さらに、基礎研究にも積極的に取り組んでおり、難聴モデル(マウス、ゼブラフィッシュ)を用いた難聴発症機構の解明と治療法の研究、薬効物質スクリーニング研究、難聴遺伝子を持つゼブラフィッシュを活用した機能解析研究を進めています。これらの研究を通じて得られる科学的探究心は、教室員の臨床業務にも大いに生かされていると考えています。
当教室は、山口県内の患者様の健康を支えるため、地域の関連施設の先生方と連携しながら、診療と研究に努めてまいります。皆様には、今後とも当教室の活動にご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
山口大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学教授
菅原一真
スタッフ
教授 | 菅原一真 | ||
准教授 | 橋本 誠 | (教育主任・医局長) | |
講師 | 津田潤子 | (外来医長) | |
堀 健志 | (病棟医長) | ||
助教 | 竹本洋介 | ||
山本陽平 | |||
沖中洋介 | |||
松浦貴文 | |||
診療助教 | 橋本智子 | ||
小林由貴 | |||
潘 友季 | |||
野村一智 | |||
柳生健吾 | |||
清水菜津子 | |||
田中梨夏子 | |||
大学院生 | 西村省吾 | ||
坂本めい | (診療助教) | ||
研修医 | |||
言語聴覚士 | 中津愛子 | ||
福田 彩 | |||
瀧野ひなた | |||
事務職員 | 三輪生子 | ||
福永 綾 | |||
技術補佐員 | 武藤和子 | ||
(2024年12月1日) |
スタッフ写真
スタッフ集合写真(2024年11月)