重症花粉症への対応(抗体製剤など)
花粉症(アレルギー性鼻炎)は多くの方が経験する疾患ですが、
中には毎年強い症状が続き、日常生活や仕事・学業に大きな支障が出る「重症花粉症」の方もおられます。
当科では、標準治療(内服・点鼻・点眼など)を基本としつつ、
症状や治療歴に応じて抗体製剤(ゾレア®)などの専門的治療も含めた治療選択肢をご提案します。
このような方はご相談ください
- 鼻閉が強く睡眠が妨げられる
- くしゃみ・鼻水が止まらず日常生活に支障
- 目のかゆみ・涙が強く外出が困難
- 内服薬や点鼻薬を使っても症状が強い
- 薬の眠気など副作用で継続が難しい
- 医療機関で治療しているが毎年悪化する
重症花粉症に対する抗体製剤(ゾレア®)
2019年12月より、重症の花粉症患者さんに対する新しい治療法が可能になりました。
花粉症の症状発現には血液中のIgEという蛋白質が重要ですが、
抗体製剤はIgEを標的とした「ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤」を用いる治療です。
既存の治療でも症状が改善しない方が対象となります。
| 治療の目的 | 重症花粉症の症状を軽減し、生活の支障を減らす |
|---|---|
| 対象 | 標準治療(内服・点鼻など)で十分な効果が得られない重症例(適応は診察・検査で判断) |
| 進め方 | 治療歴・重症度・検査結果を確認し、適応を判断のうえ説明します |
| 備考 | 安全性に配慮しながら実施します(詳細は外来で説明) |
外部情報:ゾレア®に関する情報
その他の治療選択肢
重症花粉症の治療は、抗体製剤だけではありません。症状の型(鼻閉優位など)や生活背景に合わせて、 いくつかの選択肢を組み合わせて行います。
- 薬物療法:内服薬・点鼻薬・点眼薬の最適化(眠気など副作用にも配慮)
- 生活対策:曝露(花粉を浴びる量)を減らす工夫
- 舌下免疫療法(SLIT):体質改善を目指す治療(スギ/ダニ)
舌下免疫療法について:→ 舌下免疫療法外来
受診をご希望の方へ
抗体製剤をご希望の方は、現在通院中の医療機関の担当医を通じて紹介状(診療情報提供書)をご用意いただくとスムーズです。
まずは診察・検査で適応を評価し、治療のメリット・注意点を丁寧に説明します。
- これまでの治療内容(内服・点鼻・点眼、使用期間、効果)
- 眠気など副作用の有無
- アレルギー検査結果(お持ちの場合)
- 喘息など併存疾患、内服中の薬
よくある質問(FAQ)
Q1.誰でも抗体製剤(ゾレア®)を受けられますか?
適応は診察・検査と治療歴を踏まえて判断します。標準治療でも十分に改善しない重症例が対象となります。
Q2.まずは相談だけでも可能ですか?
はい。まずは現在の症状・治療歴を整理し、治療の選択肢をご提案します。
Q3.紹介状は必須ですか?
原則として紹介状をご用意いただくと、これまでの治療経過を把握しやすくスムーズです。
Q4.舌下免疫療法との違いは何ですか?
舌下免疫療法は体質改善を目指す治療で、数年単位の継続が基本です。 抗体製剤は重症例で症状軽減を狙う治療選択肢の一つです。適応や目的が異なるため、外来で整理します。
(更新日)2026年1月 山口大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科