美術史二〇〇六


西欧美術史学の歴史(三)イコノロジー

一九世紀 リーグル『美術様式論』(一八九三年)

二〇世紀 ヴェルフリン『美術史の基礎概念』(一九一五年)

 

二〇世紀 パノフスキー『イコノロジー研究』(一九三九年)


エルヴィンパノフスキー(Panofsky, Erwin 1892-1968)

“彼(パノフスキー)は、形と意味の関係を複雑で多層的なものとして見ていた。”

"Mechanisms of Meaning: Iconography and Semiology (Introduction)," Ed. Donald Preziosi, The Art of Art History: A Critical Anthology (Oxford: Oxford UP, 1998): 230.

事例:

レオナルド・ダヴィンチ《最後の晩餐》、1495-97年、油彩、テンペラ、460×880cm、ミラノ、サンタ・マリア・デレ・グラツィエ聖堂

<1>晩餐の食卓を囲む十三人から成る一群が描かれた絵画

        ↓

<2>キリスト教における最後の晩餐の場面

        ↓

<3>レオナルドの人格の記録

<4>イタリアにおける盛期ルネサンス文化の記録

<5>特殊な宗教的態度の記録

<6>「何か別のもの」の一層特殊化された証拠

パノフスキー『イコノロジー研究 上』(筑摩書房、二〇〇二年) 、三九―四〇頁。


芸術論特殊講義二〇〇二

イコノロジーの位置づけとパノフスキーの生涯

美術史二〇〇四

日常生活を例にとった三層分析


参考図書

◆パノフスキー

アーウィン・パノフスキー『イコノロジー研究』上・下、浅野徹ほか訳(筑摩書房、二〇〇二年)

アーウィン・パノフスキー『イコノロジー研究―ルネサンス美術における人文主義の諸テーマ』、浅野徹ほか訳(美術出版社、一九七一年)

アーウィン・パノフスキー『芸術学の根本問題』、細井雄介訳(中央公論美術出版、一九九四年)

レイモンド・クリバンスキー、アーウィン・パノフスキー、フリッツ・ザクスル『土星とメランコリー 自然哲学、宗教、芸術の歴史における研究』、田中英道監訳(晶文社、 一九九一年)

アーウィン・パノフスキー『ゴシック建築とスコラ学』、前川道郎訳(平凡社、一九八七年)

アーウィン・パノフスキー『アルブレヒト・デューラー 生涯と芸術』、中森義宗ほか訳(日貿出版社、一九八四年)

アーウィン・パノフスキー『イデア』、中森義宗ほか訳(思索社、一九八二年)

ドラおよびエルヴィン・パノフスキー『パンドラの箱 神話の一象徴の変貌』、阿天坊耀ほか訳(美術出版社、一九七五年)

アーウィン・パノフスキー『ルネサンスの春』、中森義宗ほか訳(思索社、一九七三年)