『ハンニバル』
著者:トマス・ハリス
訳者:高見浩
タイトル:『ハンニバル』
発行所:新潮社
発行年:2000年
定価:上:705円(税別)、下743円(税別)
読了:2000年4月15日
p.43(上)
きみがFBIに惚れ込んでも
FBIのほうはきみに惚れ込みはしない
――FBIの退職カウンセリングにおける警句
p.245(上)
世俗的な名誉など屑も同然と悟ったとき、人はいかに振る舞えばいいのか? そう、後世の人間の評価など当代の人間のそれにしかずと、マルクス・アウレリウス同様に信じるに至ったときは?
p.311(下)
ある個人の武器が、生き残った戦友に遺贈されるという行為には、伝統の重みと畏怖に似た不可思議さがある。それは一個人の生死を越えて、一つの共通の価値観が継承されていくことと関係があるのだろう。
他人の努力で安全が保証された世の中に生きている人間には、それは理解しがたいかもしれない。
p.403(下)
それとも、クレンドラー、並びに他のすべての権威やタブーは、"天井が低くて、窮屈な――とレクター博士が見なす――生き方"にクラリスを封じ込める力を賦与されているのだろうか?
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