系長挨拶
創成工学科 国土・環境デザイン系は、工学部の再編に伴い社会建設工学科と循環環境工学科の環境工学分野の統合により誕生しました。土木工学と環境工学を基盤に、高度な技術力を持つ技術者・研究者を育成し、研究成果を通じて社会に貢献することが使命です。
現代社会において災害の防止や軽減、老朽化する社会インフラへの対策、気候変動への適応、そして生物多様性の保全といった課題は、かつてないほどその重要性を増しています。そのような課題は単独で発生するものではありません。例えば西日本で夏場に大地震が発生したときのことを想像してみると、地震災害そのものだけではなく、高齢化による災害弱者増加、地球温暖化による夏期の高温化、蚊媒介感染症の増加、老朽化した水インフラの被災によるライフラインの途絶など、実際には様々な要素が複雑に絡み合いながら「複合的な危機」として私たちの前に出現します。このような危機を未然に防止するためには各要素の総合的な理解が欠かせませんが、当系には「環境・防災コース」が設定されており、必要な知識を修得することが可能です。
社会インフラは、人々の生活の質(QoL)を支えるだけでなく、生物のすみかをも創出する役割を担っています。しかし、高度経済成長期に築かれたインフラの老朽化は深刻であり、既存ストックの「保守・延命」と、次世代に向けた「新たな構築」の双方が急務となっています。この大きな転換期において、鍵となるのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。現代の土木技術者には、伝統的な土木工学知識に加え、情報工学などの領域を横断的に理解し、活用する「高度化・多極化」した技術力が求められています。当系に設置されている「社会基盤コース」ではこのような技術力を身につけることができます。
国土・環境デザイン系では、先端的な研究に取り組む教職員と、志を高く持つ学生が一丸となり、日夜研鑽に励んでいます。社会からの期待が益々高まっていることを真摯に受け止め、私たちは安全・安心で持続可能な社会の実現に向けて歩み続けます。
皆様におかれましては、今後とも当系へのより一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
国土・環境デザイン系・社会建設工学科紹介
国土・環境デザイン系は工学部の前身である官立宇部工業学校の創立から85年を超える歴史を有しており、国土・環境デザイン系の母体となった社会建設工学科の卒業生は4995人、修了生は1476人(2025年3月時点)に達しました。これは中国地方の土木工学を扱う学科では最多で、全国的にみても有数の規模と伝統を誇ります。社会建設工学科の卒業生は建設業を中心に各界において活躍しております。また、教育のグローバル化にいち早く対応すべく、2003年度に東アジア国際コースを開設し(現在、社会建設工学と東アジア国際の2コース制)、世界で活躍できる技術者の育成に取り組んでいます。さらに社会建設工学科の専門教育のプログラムは日本技術者教育認定機構(JABEE)によって国内だけでなく国際的に通用する教育水準を満たすものとして保証されております。これにより、社会建設工学科を卒業すれば、国家資格の技術士補(建設部門)の登録ができます。
2026年4月に社会建設工学科と循環環境工学科の環境工学分野が統合し、新たに国土・環境デザイン系が誕生しました。当系は社会基盤コース・環境・防災コースの2コース制となっております。国土・環境デザイン系についても現在JABEE認定への検討を進めています。
沿革
1939 現在の工学部の前身である官立宇部高等工業学校の採鉱科と鉱山機械科が設置される
1949 山口大学工学部が開設され、両学科を母体として土木工学科と鉱山学科が設置される
1964 鉱山学科が資源工学科に改称
1980 土木工学科に建設工学科が併設される
1990 土木工学科、建設工学科、資源工学科の一部、工業短期大学部土木工学科が統合して、社会建設工学科となる
2003 東アジア国際コースを開設,社会建設工学コースとの2コース制となる
2026 工学部再編に伴い循環環境工学科の一部と社会建設工学科が統合し、創成工学科国土・環境デザイン系となる
山口大学工学部
創成工学科
国土・環境デザイン系
系長
山本 浩一
