デンバー在住の山岸行輝さんと一緒に仕事をしたことがあります。フライフィッシャーマン誌日本版の編集のお手伝いです。山岸さんのオフィスに出入りしていたタッド・クボとはすぐに仲良くなって一緒に釣りに行きました。彼が入れ込んでいた女性と私の彼女が友達同士という関係だったので、彼の方に下心があったのかもしれません。オフィスには山岸さんの著作やら日本の釣り雑誌やらがならんでいて、よく借りて帰ってはむさぼり読んだものです。タッドから釣り場と実践を教わり、山岸さんのライブラリーで知識を仕入れたわけです。通っていた大学の図書館にフライフィッシャーマン誌のバックナンバーが揃っていて、これもコピーしまくって勉強しました。タッドが実はあんまり上手でなかったこともあり、初心者の私が頭でっかちの釣り人になることは当然でした。しかし短期間ではあったものの、山岸さんのオフィスで得た刺激は大きく、今の私の基礎となっています。ケン・イワマサも出入りしていたのにほとんど会話をする機会がなかったのが残念。
ロッドは自作のセージ590RPL。デンバーのショップ、コロラドアングラーのロッドビルディング教室に通った後、2級品のブランクを購入して組み上げました。後述するチーズマン・キャニオンを意識しての選択です。タッドの話では、山岸さんはこの川を釣るのに3番を主にお使いらしい。虫のサイズからいって、ライトタックルで大丈夫とのことでしょうか。でも日本式のスローアクションロッドじゃないと思います。遠投するわけではないので、川での釣りであれば、自分にとっては今でも5番が標準です。マジソンあたりでヘビーウエイトのニンフを投げるなら7番ぐらいの方が気持ちよく釣りができるのですが、コロラドは概してフライのサイズが小さいため5番で問題ないし、キャスティングが上手なら3番の方が細いティペットを守ってくれて有利なのかもしれません。
リールは何でもいいですが、ディスクドラッグがあった方が楽です。ここが日本の渓流と異なる点です。チーズマン・キャニオンで大物に突っ走られてバラした時は、クリックドラッグの設定がゆるすぎました。パーミングで対処するという手もありますが、普通のサイズならいざしらず、モンスターがかかる可能性を考えると、いいリールが欲しいと思います。私の第1号リールはサウスベンド社の超安物。タッドに連れていってもらった最初の釣行で壊れました。・・・だから私が「いいリール」と言うとき、それは必ずしも5万も6万もするようなシロモノではなくて、たとえばシマノのフリーストーンFVクラスで十分でしょう。ただしディスクドラッグの中には濡れると効かなくなるものもあるので要注意。私の第1号ディスクリールはアブガルシア社の安物でした。コロラド州ノースパークの湖(下に紹介したノース・ディレイニー)で産卵期のブラウンを狙った際に、ほとんどドラッグが効かず往生した経験があります。次々とかかる大物の走りを止められないのです。それはそれで楽しいし、パーミングの練習にはなりますが、あまりに自虐的です。
好きな釣り場(名前をクリックすると説明のページにとびます)
まずはコロラドから
サウスプラット川
キャッシュ・ラ・プーダー川
フライングパン川
ノース・ディレイニー・ビュート湖
ディロン・レザバー
ロッキーマウンテン国立公園