本年は、2019年度から8年間にわたり進めてまいりました第2期プロジェクトの最終年度という、極めて重要な「社会実装の完遂」を期する年となります。当センターは「医学と工学の融合による未来医療への貢献」を旗印に、革新的な技術開発に邁進してまいりました。
2026年度、私たちは研究成果を真に社会へ届けるため、以下の実用化と起業支援を加速させます。

  • ベンチャー起業・事業化の強力なバックアップ: 2024年度に構築した企業会員制度や、先行して設立された「バイオメカ・トライテック」の知見を活かし、パートナー企業への紹介や出資希望者とのマッチングを積極的に推進します。また、センターが保有する高度な解析・実験設備を共同利用できる体制を整え、スタートアップや共同研究者が円滑に開発を進められる環境を提供いたします。
  • NGSとAIを統合した次世代がん治療: 大阪大学微生物病研究所との提携やゲノム解析技術を基盤に、次世代シーケンス(NGS)とAIを融合させた「実験×AI」サイクルを確立しています。これにより、がんの進行予測や効果的な薬剤の特定を数週間という短期間で実現し、副作用を抑えた「患者さまに負担の少ない」個別化医療の実装を目指します。
  • 生体動作解析による安全社会への貢献: 患者固有のモデル(FEM)や力学的解析技術をさらに発展させ、医療分野のみならず、自動車事故における安全性の高い装備の提案といった産業応用にも注力します。人体の複雑な変形や動態をシミュレーションする知見を活かし、人命を守るための技術を社会へ還元してまいります。

当センターは、2025年度の組織再編を経て、商品化や資金循環のシステムを強固なものとしてきました。本年はその総仕上げとして、地域経済の活性化や医療の高度化といった未来社会への貢献を具体化する決意です。
センター員一同、そしてパートナー企業の皆様と共に、医工学研究の新たな価値を創造してまいる所存です。本年も変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2026年1月 山口大学生命医工学センター長  水上 洋一