メンバー紹介

研究者紹介

永田 千鶴

 神経内科病棟看護師、医療法人堀尾会保健師、訪問看護ステーション訪問看護師を経て、大学教育の場に入りました。2014年より本学に赴任しております。本学では、在宅看護学とともに地域・老年看護学講座の一部を担当しています。これまでの、実践家当時の仲間や大学の同僚、突撃型調査研究で出会ったたくさんの専門職の皆様とのつながりが、今の私の教育活動、研究活動、人としての営みを支えてくれています。座右の銘「志あるところに道はある」を生涯の達成課題として歩むつもりです。

問い合わせ先 永田千鶴研究室 TEL/FAX 0836-22-2830  Email nagata@
*Emailは@の後 yamaguchi-u.ac.jpでお問い合わせください。

堤 雅恵

 2008年に山口大学に着任し、老年看護学を担当しております。高齢者の特性および特性に応じたケアの手法には未解明な部分が多く、解決すべきさまざまな課題が存在します。そのため私は、特例許可老人病院の看護師であった1980年代から、睡眠障害の実態解明と改善への試みをはじめとする多様な研究に取り組んできました。また、介護福祉士養成の経験をとおし、一人ひとりにとっての「幸福」とは何かについて深く考えるようになりました。これまでの経験を踏まえながら高齢者ケアの魅力を多くの若者に語っていきたい、研究を重ねて臨床現場に結果を還元したい、という思いをますます強くしているところです。

問い合わせ先 Email tutumi@
*Emailは@の後 yamaguchi-u.ac.jpでお問い合わせください。

田中 愛子

 看護職として人生の最終段階のケアに携わり、研究活動を継続してきました。そして、在宅で母を看取り、グループホームで父を看取りました。その体験から、「生活者としてのその人を支える」ということについて考え、2021年からメンバーに加わり、活動を続けています。

問い合わせ先 Email aitanaka@
*Emailは@の後 yamaguchi-u.ac.jpでお問い合わせください。

野垣 宏

 神戸大学医学部を卒業して医師になって30数年、そのほとんどを出身地にある山口大学医学部及び附属病院で過ごしてまいりました。神経内科学、老年病学、リハビリテーション医学を専門にしておりますが、最近はそれらに加え、看護学関連の研究のお手伝いもしております。よろしくお願いいたします。

問い合わせ先 Email nogaki@
*Emailは@の後 yamaguchi-u.ac.jpでお問い合わせください。

太田 友子

 2023年9月に講師として着任いたしました。精神看護学分野での経験が長く、精神特化型訪問看護ステーションで訪問看護の経験があります。人の「突然の死」を経験し、病院以外での看取り、死の受け入れ・受け止め方、色んな体験を教えていただきたいと思っています。地域で暮らす療養者のやってみたいこと・なりたい自分を応援できる看護職であり続けるために努力します。

問い合わせ先 Email oota@
*Emailは@の後 yamaguchi-u.ac.jpでお問い合わせください。

共同研究者紹介

共同研究者

清永 麻子

 病院で看護師として勤務するなかで在宅看護に興味を持ち、大学院修士課程で、在宅看護学を学びました。2015年に山口大学に着任し、老年看護学および在宅看護学の教育・研究を行いながら、在宅移行支援(退院支援)をテーマとした研究で博士保健学の学位を取得しました。現在は、九州看護福祉大学にて成人看護学(慢性期)、在宅看護学を担当し、慢性期疾患をもつ方々が医療機関から在宅へ、そして在宅生活を継続できるようなかかわりができるような教育・研究を実践していきたいと思っています。

問い合わせ先 Email a-kiyonaga@
*Emailは@の後 Kyushu-ns.ac.jpでお問い合わせください。

松本 佳代

 大学病院で8年間看護師として勤務し、その後看護教育の場に入りました。永田先生のエイジング・イン・プレイスの研究に参加させていただく中で、認知症高齢者の尊厳を守り、その人らしい生活を支えるために看護職が果たすべき役割は何か、探究したいと思うようになりました。現在、「独居高齢者のサービス選択支援」や「認知症の人の意思決定支援」について研究を進めているところです。

問い合わせ先 Email matsumoto.k01@
*Emailは@の後 kumamoto-hsu.ac.jpでお問い合わせください。

澤﨑 美香

 介護保険制度がまだない新人看護師時代に父を癌で亡くしました。入院中に「家に帰りたい…」と話した父の思いを叶えてあげられなかった経験から「誰もが自分の望む場所で最期を迎えられるように」と願い、在宅支援への道を進み始め、関わる全ての方々から多くの「学びと感動」をいただいています。

問い合わせ先 Email murase@
*Emailは@の後 kumamoto-hsu.ac.jpでお問い合わせください。

北村 育子

 大学卒業後、行政職の地方公務員として働きましたが、思い立って渡米しコロンビア大学でソーシャルワーカーの養成課程を修了しました。その後、高齢者福祉の現場を経て1998年から3年間を熊本で過ごし(熊本学園大学)、2001年から日本福祉大学に移り現在に至ります。高齢者福祉分野における援助、主に認知症高齢者の支援や終末期ケアに関することに取り組んでおり、月に1回大阪の特養でグループワークのお手伝いをするとともに、認知症のお年寄りとのコミュニケーションにはバリデーションを活用しています。

本郷 秀和

 大学卒業後、熊本学園大学(修士課程)と岡山の吉備国際大学(博士課程)の大学院に通いながら熊本のNPO法人で社会福祉士(相談員)・介護福祉士(介護職員)として働いていたこともあり、高齢者支援、介護サービスを実施するNPO法人の研究に関心を持っています。現在は福岡県立大学人間社会学部社会福祉学科(同大学院修士課程:社会福祉専攻)で教授として働いておりますが、大学院では「高齢者福祉研究・演習」「特別研究(修士論文指導)」等の科目を担当しています。また、デイサービスや老人ホーム、訪問介護等を行うNPO法人の理事代表も務めさせて頂いております。趣味は、たまにNPOのサービス利用者の方とゆっくりとしたペースでお話しすることと庭いじりです。最後にホームページをみられた皆様方、今後ともどうぞご指導の程を宜しくお願いいたします。

中原 恵美

 九州がんセンターで看護師として臨床経験を経て、現在は育児に専念しておりますが、いずれは復帰予定です。永田先生のもとで修士課程を修了し、共同研究者として迎えていただきました。介護保険施設における看取りに焦点をあて、研究を進めています。共通する専門分野の先生方とともに、健康問題や障害を持ちながらも、高齢者が尊厳を保ちその人らしい生活が継続できるケアシステムの構築と支援方法について探求していきたいと思っています。

師匠 忍 博次 先生

 30年ほど前、看護師さんの専門意識を調べたことがありました。看護師さんの多くは最新の医学に触れていなければ看護の専門性に後れを取ると思われていたようでした。わたくしは最新の外科技術などを思い浮かべ、今後、医学のように看護学も専門別にわかれていくのは必然かなと思いましたが、看護の本質は別にあるようにも思いました。その思いはわたくしがリハビリテーションの場で看護師さんをはじめ学際的な研究・実践をしていたからかもしれません。リハビリテーションの思想は医学リハから自立生活モデルへ、そして社会モデルへと、その概念は広く深く発展してきました。急性期、リハ期そして自立生活を通じて看護のもっとも本質的側面は広い意味でのケアを通じて、クライエント自身の治癒への自己努力、健康へのモチベーションに働きかけること、そして医療資源・社会資源を自立のためにどう調整するか。そんな視野が特に地域・老年看護学講座に求められているように思われてなりません。
 わたくしは後期高齢者です。わたくしの経験から高齢者の発達課題考えてみましょう。①まず経済的縮小。多くは年金に頼る生活です。生活保護も高齢者の割合が高く、医療扶助も高齢者に多いと思われます。②心身の虚弱化。人間は生き物。歳をとれば徐々に弱くなり、未来への時間を意識します。③孤独化。長生きすればいつかは配偶者の死に直面しますし。友人知己の死は限りなく寂しい。④社会の変化、若者とのギャップ。競争社会の中ではだんだん適応が困難になり、引きこもりになったり、社会的排除を意識したりします。全部喪失経験かもしれませんね。そしてこれらは全て健康に影響を与える要因です。
 素人が生意気言って申し訳ない。老年看護学がこれらを意識しているのかどうかわかりませんが、実践的にはサイコロジストやソーシャルワーカーとの協働は欠かせないでしょうし、学としても学際的アプローチを忘れてはならないでしょう。老年看護学の体系化は難しいと思いますが、大いに期待しています。
 ただわたくしごとですが、もう一つ言いたいのは、老年期は悲しみばかりではないということです。もちろん、城山三郎氏の「亡き妻への遺稿」のような悲嘆や親友の死に落ち込む自分がありますが、それらを含めて、老年になって初めて知る人間観や社会的洞察もあるのです。死の想念からくる宗教意識もそうかもしれません。社会の騒音から離れ、一人沈思する自由は老年期の特権かもしれないと思っています。