研究活動
1.エイジング・イン・プレイス~住み慣れた地域で、その人らしく、最期まで~
この研究は、私永田が、「グループホームにおける認知症高齢者ケアプロセスガイドライン」作成のためにグループホームをフィールドとした調査研究実施の際に、利用者のご家族から「
そのため、私達の研究チームは、エイジング・イン・プレイスを「今いる場所で最期まで」と捉え,認知症対応グループホームや小規模多機能型居宅介護などの、医療機関とは異なる地域密着型サービスという介護事業所で、最期まで暮らすことはできないものか、と考えました。私共にできることとしまして、介護事業所で看取りを実現するための調査をしたり、教育プログラムを提供させていただいたり、といった活動を行ってきました。
文部科学省の科学研究費の助成を受けて、「エイジング・イン・プレイスを果たす地域密着型事業所別認知症高齢者ケアモデルの開発」(基盤C22592591)、「認知症高齢者のエイジング・イン・プレイスを果たす地域密着型事業所での看取りの実践」(基盤C25463554)、「地域密着型サービスを拠点とした認知症高齢者のエイジング・イン・プレイスの実現」(基盤C17K12397)、「エイジング・イン・プレイスを実現する地域密着型事業所拠点の看取り支援体制の構築」(基盤C21K10996)、そして2024年度に「エイジング・イン・プレイスを実現する地域ベースの看取り支援と認知症予防プログラム」(基盤C24K14031)が採択され、研究活動を継続できています。2021年度は1つの介護老人保健施設で、2022年度は富山県グループホーム協議会の公開研修として、初のオンラインでの「看取りの研修会」を実施いたしました。その結果を論文(PDFファイル)や第44回日本死の臨床研究会年次大会で発表してきました。
【研究成果報告書】
エイジング・イン・プレイスを果たす地域密着型事業所別認知症高齢者ケアモデルの開発
認知症高齢者のエイジング・イン・プレイスを果たす地域密着型事業所での看取りの実践
2017年度から行っている研究成果の論文は、ニュースで紹介しておりますので、ご覧ください。
2019年度~2020年度にかけて、看護小規模多機能型居宅介護を対象に質問紙調査とインタビュー調査をしました。質問紙調査で得られた結果を論文(PDFファイル)にまとめ、インタビューで得られた看取りの実践事例を事例集(PDFファイル)として発刊いたしました。どうぞ読んでいただき、ご意見・ご感想などがありましたら、下記の連絡先にお寄せいただければ幸いです。
2023年度は、山口県の宅老所・グループホーム協議会にお声かけし、共催で「看取りの学習会」を実施し、日本死の臨床研究会年次大会ようとしています。2023年度は初めてフォローアップ研修を開催し、新たな学びを得ました。2024年度にもう一度試み、確実な成果を得ようとしています。ご協力いただける方は、ぜひご連絡頂きたく思います。今後もHPで発信していきますのでチェックしていただけたら幸いです。(連絡先:Email nagata@ )
*Emailは@の後 yamaguchi-u.ac.jpでお問い合わせください。
2019年9月4日(水) RCN International Nursing Research Conference and Exhibition 2019 (Sheffield,England)
2024年3月9日 「看取りの学習会フォローアップ研修」
2023年9月16日 「看取りの学習会」in Yamaguchi
2018年9月6日(木) 看取りの学習会
2018年9月1日(土)宇部から発信
2017年9月2日(土)宇部から発信
2016年9月10日(土)宇部から発信
2015年7月18日(土)看取りの学習会
2014年12月6日(土)宇部から発信フォーカスグループディスカッション
2.認知症予防プログラムに向けて 試行
2023年度より新たな研究に取り組み始めました…。乞うご期待
3.要介護高齢者がパーソナルモビリティを活用してQOL向上を目指すサポートモデル
高齢社会において、老年期に身体機能が低下しても、極力自立して生活できるように、自分の意志で移動できる手段を社会的に確保し、整備することが求められます。
高齢者の移動手段を補うものにクリーンエネルギー(電気)を活用した電動車いす等のPersonal Mobility(以下PMと称す)も一般に市販されていますが、比較的重度の若い世代の障害者が使用するにとどまり、多くの人に利用されているとは言い難い状況です。そのため、平成22年度からPMの新たな活用方法を検討するとともに、QOLへの影響を明らかにすることを目的として、日本赤十字社熊本健康管理センターが調査研究代表者となって「電動バイク・電動車いす等の新たな活用法に関する実証調査」を平成25年度まで実施します。
私たち高齢者フィールドチームは、高齢者施設で、要介護高齢者が、移動手段として電動バイク・電動車いす(以下、モンパルと称す)を活用することで、その人のQOLの向上を図ることを目的としたサポートモデルの開発に取り組んでいます。無事に終了いたしました。結果をPDFファイルでアップいたしますのでぜひご覧ください。
実証実験で使用したモンパル1台を事業所に寄付いたしました。その後の状況もこのHPで紹介できればと、考えています。
4.認知症高齢者の在宅療養継続支援、および在宅移行支援のための医療と福祉(介護)、本人・家族との地域連携システムの構築
認知症疾患医療センターの現状を知りたいと考え、概要と課題、認知症者への実際のかかわりを知るためのアンケート調査および訪問調査を実施しました。これから、住み慣れた地域や自宅での暮らしを継続できるように在宅療養を支援し、入院した場合でも退院の意向があれば、適切な社会資源に結び付けて在宅移行を支援するなど、地域の実情にそった医療と福祉(介護)、本人・家族との地域連携システムを構築することを目的として、データを分析し、2014年3月に報告書を刊行いたしました。関心のある方はPDFファイルをご覧ください。
5.訪問看護師のスピリチュアルケア
がんで最終段階にある患者のスピリチュアルペインに、訪問看護師がどのように介入しているのかを調査し、M-GTAにより分析をし、そのプロセスを明らかにしました。その内容を2018年7月19~23日にメルボルンで行われたSigma’s 29th International Nursing Research Congressでポスター発表しました。久しぶりの国際学会でありましたが、一緒に行った同僚や、学会で知り合った研究者と親交を深めたことにより、今後も視野を広くもち、豊かな人間性を持ち合わせたバランスの良い人でありたいと強く思っております。
私がend-of life careに関心を持ちますのは、何と言いましても自分自身がその時を迎えた際に「ああ、よかった。ありがとう」とつぶやいてゴールを切れれば、と思うからです。
今後も草の根運動を継続し、仲間を増やすことができれば、と願っています。
終末期がん患者のスピリチュアルペインに向き合う看護師の臨床推論を明らかにするために、昨年度に実施した質的研究から作り上げた臨床推論のモデルを、今年度は量的研究により実証することを目指しています。私は、共同研究者として、訪問看護師から得られたデータを扱いますが、訪問看護師、病棟看護師、緩和ケア病棟看護師のデータを統合し、量的調査を実施中です。そのプロセスの一部を主任研究者の田中愛子先生が、RCN International Nursing Research Conference 2019で発表しました。
6.介護力量アセスメントスケール
介護負担に関する研究と介護力量に関する研究に共同研究者として加わっています。
同じくSigma’s 29th International Nursing Research Congressでの発表に共同研究者として参加しました。