日本の国際美術展(二)
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ


・配布資料:「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ関連資料抜粋


1.越後妻有アートトリエンナーレの舞台裏

・開催の政治的背景=平成の大合併

・国、県の主導による「地域の一体化」

越後妻有地域地図

合併前の6市町村長+新潟県知事

・美術展への地元の大反対

・地元の参加がない
・アートは町おこしになじみがない
・お金がかかりすぎる
・アーティストに払った金額を公開すべき
・シャトルバスに客が乗っていなくて無駄

出典:北川フラム「次は精神の火だ」、『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000』図録(越後妻有大地の芸術祭実行委員会、2001年)、17-19頁。

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009----第4回

会期:2009年7月26日(日)〜9月13日(日)(50日間)

会場:越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)

展示作品数:約370点(うち過去開催の恒久作品約160点)

参加作家:40カ国・地域、約350組(新規:27カ国・地域、約220組)
 

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012----第5回

会期:2012年7月29日(日)〜9月17日(月・祝)(51日間)


2.里山と現代美術

1. イリヤ&エミリア・カバコフ(ロシア)《棚田》(1)(2)、 2000年、(部分)(テキスト)

まつだい雪国農耕文化センター「農舞台」とイリヤ&エミリア・カバコフ《棚田》

2. 小沢剛《かまぼこ型倉庫プロジェクト かまぼこ画廊》 2003/09年、(部分1)(部分2)(部分3)

道路沿いに建ち並ぶかまぼこ型倉庫

3. 関根哲男《帰ってきた赤ふん少年》 2006/09年、(部分1)(部分2)(部分3)

4. ペルラ・クラウセ(メキシコ)《石と花》 2009年、(部分1)(部分2)(部分3)(部分4)


3.公共事業からアート事業へ

5. パスカル・マルティン・タイユー(カメルーン)《リバース・シティ》 2009年、(部分1)(部分2)

6. 大岩オスカール《かかしプロジェクト》 2000年、(部分1)(部分2)

松代城山の棚田風景

7. 田中信太郎《○△□の塔と赤とんぼ》 2000年

8. 依田久仁夫《希望という種子》 2000年、(部分)

 ・宮澤賢治「屈折率」
 ・宮澤賢治「月天子」

9. CLIP《遊歩道整備計画》 2000年

10. 小林重予《あたかも時を光合成するように降りてきた〜レッドデーターの植物より》 2000年、(部分1)(部分2)(部分3)


4.地域の再生

11. 名古屋工業大学伊藤孝紀研究室《ツマリ菜園》 2009年、(部分1)(部分2)(部分3)(部分4)(部分5)

12. 里山アート動物園:島田忠幸《対立遺伝子》 2009年、(部分)

13. スタシス&コウォジェイスキ / ヴィタシェフスキ(リトアニア/ポーランド)《訪問者》 2009年、(部分)


5.まとめ

 ・越後妻有アートトリエンナーレの舞台裏

―平成の大合併

―地域の疲弊・弱体化と統合

―公共事業からアート事業へ:景観づくり

―里山の再生:都会の若者を地方へ

 ・現代美術の野外展示

―地域の景観とのコラボレーション

―国内外の美術家が地域の歴史に着想を得て新作を発表

―会期のみの設置と恒久設置

―サイト・スペシフィック(場の特性に根ざした作品)


過去の講義ノートへのリンク

二〇一一年前期 <第一講> 日本の国際美術展(一)大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ

二〇一〇年前期 <第八講> 日本の国際美術展(三)大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ

二〇〇九年後期 <第一講> 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ