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難治性がん性疼痛に対する神経ブロックについて

 現在、がん性疼痛の治療は、世界保健機関(WHO)のがん性疼痛緩和ガイドラインによる薬物療法を基本として行われています。この方法により、70%以上の患者さんのがん性疼痛をコントロールすることが可能となりました。しかしながら、10-30%の患者さんは薬物療法で鎮痛効果が十分に得られない、副作用のために十分な薬剤が投与できないなどが原因となり、痛みのコントロールが不十分と報告されています。このような患者さんをどのように治療するかは、重要な課題です。インターベンショナル治療法(interventional治療法:侵襲的治療法)は、薬物で治療困難ながん性疼痛によい適応があります(がん性痛に対するインターベンショナル治療ガイドラインより)。
 当院緩和ケアセンターでは、このような難治性のがんの痛みを有する患者さんに対して、インターベンショナル治療法を施行しています。県内すべての医療機関からの紹介に対応しておりますので、適応のある患者さんについてはご相談ください。
 感染症などによりブロック後の感染が問題になる場合や出血傾向がある場合はインターベンショナル治療の適応がありません。また、インターベンショナル治療の種類によっては運動機能障害や膀胱直腸障害など重篤な合併症があるものもあります。直接受診する前に、まずは主治医から診療情報を提供していただけますと大変助かります。

当院の難治性がん性疼痛に対する神経ブロックの実施状況

2021年度:施行なし
2020年度:内臓神経ブロック2例
2019年度:施行なし
2018年度:施行なし
2017年度:施行なし