研究業績(2007-2009年)


竹谷 俊明(助教)


2007年11月2日 The internal ovarian conference 2007

優秀賞
“Influence of oxidaKve stress on oocyte quality and protecKve role of melatonin as an anKoxidant”




 平成19年11月2・3日、神奈川県箱根にある旧・箱根プリンスホテルにて開催されました“The Interna:onal Ovarian Conference 2007” におきまして“Influence of oxida:ve stress on oocyte quality and protec:ve role of melatonin as an an:oxidant”という演題でポスター発表を行い、優秀賞を受賞いたしました。国内外より多数演題応募があった上での本賞受賞には、大きな驚きを受け、また研究室にて日々行っていることが評価されたことで大きな自信になったことを覚えております。

 実験の内容は、簡単に言えば、生体内においてメラトニンという松果体ホルモンが非常に重要な役割を果たしているというものです。メラトニンが生体内で、特に生殖機能に対してどのような影響を与えているのかというテーマは、田村博史先生が中心となり、現在まで当研究室で研究を行っています。そのうち、本演題では主に卵胞液中のメラトニンが卵細胞の質に与える影響について、in vivoな視点とin vitroな視点から評価し、メラトニンが抗酸化作用をもって卵細胞の質向上に寄与しているという研究結果でした。卵に対してだけでなく、メラトニンが生体機能維持に非常に重要な役割を果たしている可能性があり、非常に興味深く注目されているところです。

 現在、田村博史先生は“メラトニンと生殖”の分野では世界的にも認められる第一人者であり、近況では数々の賞を受賞されております。このような先生の下、更なる研究を日々行っておりますと、そのうちとんでもなくすばらしい結果が出るような気がして、ドキドキの毎日を過ごしております。

 近い未来に、新たな成果を皆様方にご報告できますよう、日々邁進していく所存でありますゆえ、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。最後になりましたが、いつも研究資金の御援助を賜り、真仁会の諸先生方に厚く御礼申し上げます。


【杉野教授からのコメント】

竹谷俊明君(平成12年卒、助教)は、生殖内分泌グループで、昨年学位を取得しております。現在、ヒトの組織や細胞を用いて研究を行っています。ヒト黄体化顆粒膜細胞のプロゲステロン分泌に及ぼす成長ホルモン、活性酸素、メラトニンの影響、メラトニンが卵に与える影響、薄い子宮内膜における着床障害因子の探索などを行っています。メラトニンと卵の研究で、国際卵巣カンファレンスという国際学会で優秀演題賞を受賞しました。いつも、忙しく、臨床・研究を行っているのですが、“忙しい”とはまったく言わず、いつも“大丈夫です”と言ってがんばっている好青年です。