堤 宏守研究室(バイオ機能高分子)

極細中空繊維


■右の走査型電子顕微鏡写真は,酸化銅からできている極細中空繊維です。繊維の直径は約2μm,内径は,約1μmと極めて細いものです。(髪の毛が,最も細いもので,直径50μmと言われています。)
 このような金属,あるいは金属化合物極細中空繊維は,高性能な電池用電極,触媒,中空部分を用いた物質輸送,物質分離などに応用できると考えられており,私たちもそれを目指して研究を行っています。
極細酸化銅中空繊維のSEM画像
■では,このような金属極細中空繊維をどのように調製しているのでしょうか。その概略を下の図に示します。2つの技術(電界紡糸法と無電解めっき法)を利用して,この極細中空繊維を調製しています。
(1)電界紡糸法を用いて鋳型となる極細繊維を紡糸する。
(2)(1)で得られた鋳型繊維表面に無電解めっきにより,金属層を析出させる。
(3)加熱による熱分解あるいは,鋳型繊維の良溶媒による溶解処理により,鋳型繊維を除去する。
(図をクリックすると拡大されます。)
■この研究に関連した主な論文や特許
1)町田悟史,堤 宏守,「電界紡糸法と無電解めっき法を組み合わせ調製した極細酸化ニッケルチューブ」表面技術,61, 435-440 (2010).
2)小野秀仁,堤 宏守,「電界紡糸法により調製したファイバーを鋳型とした極細酸化銅中空繊維の作製とその特性」,銅と銅合金,49, 172-175 (2010).
3)特許公開2010−37592,「連続した長尺の金属ナノチューブ製造方法およびこの方法で製造した長尺の金属ナノチューブ」