やまぐち学園
幼小中一貫教育
めざす人間像
~よりよい未来をともに作り出す人間~
研究主題
自ら学びをつなぐ子どもの育成~学びの過程に着目して~

山口大学教育学部附属山口小学校

最新情報

教育研究

令和7年度

【研究主題】自ら学びをつなぐ子どもの育成(3年次)~学びの過程に着目して~

【幼小中一貫教育研究主題】自ら学びをつなぐ子どもの育成~学びの過程に着目して

 私たちが考える「自ら学びをつなぐ」とは,子どもが問題に直面した際に,立ち止まるのではなく,保育・授業で体験したことや獲得したスキルを自ら活用して乗り越えていこうとする姿である。では,どのようなスキルを使って子どもは問題を乗り越えてくのか。この問いのもとに2年間研究を積み重ねてきた。その中で特に重要であると私たちが捉えたのが,幼児教育や各教科等における「見方・考え方」(以下「見方・考え方」)である。

 「見方・考え方」とは,幼稚園教育要領には「幼児が身近な環境に主体的に関わり,環境との関わり方や意味に気付き,これらを取り込もうとして,試行錯誤したり,考えたりするようになる」,と示されている。学習指導要領には「各教科等を学ぶ本質的な意義の中核をなすもの,教科等の学習と社会をつなぐもの」と示されており,学習内容を概念的に理解するための思考の枠組みである。これは,学んだ知識や技能を統合的に活用して現実の事象と結びつけ,他教科や社会生活とつながる深い学びへと導くものである。では,「見方・考え方」を自在に働かせる子どもを,どのように育てていけばよいのだろうか。私たちはその手がかりを,学びの結果ではなく過程に見いだした。なぜなら,深い学びの思考の過程にこそ,「見方・考え方」が豊かに働いているからである。しかしその思考の過程は目に見えないため,子どもたちは「見方・考え方」を大いに働かせていることに無自覚である。だからこそ,教師による意図的な支援によって、自らが「見方・考え方」を大いに働かせていることを自覚する必要がある。子どもたちが無自覚に働かせている「見方・考え方」に着目し,よさや価値に気付くことができるような支援を通して,「見方・考え方」を自在に働かせながら自ら学びをつなぐ子どもの育成を目指す。