防府天満宮展
山口県立美術館
◆授業の目標
企画展の「章立て」について理解する。
公立美術館の使命について考察する。
1.防府天満宮展
◆防府天満宮展の概要 @ 会場写真
企画展/単館開催
会期:9月22日〜11月6日
会場:山口県立美術館
主催:防府天満宮展実行委員会
◆主催、共催等の区別
主催=展覧会全体の責任を持つ
共催=展覧会の開催における責任を分有する
後援=展覧会の開催において便宜を図る
政府機関、地方自治体、教育委員会助成=経済的に支援する
財団、基金協賛=物理的な支援や業務上の協力を行う
企業協力=そのほかさまざまな形で支援する
機関、団体、個人
◆防府天満宮展の概要 A 会場写真
主催:防府天満宮展実行委員会(山口県立美術館、防府天満宮、読売新聞社、KRY山口放送、防府市、山口市)
協賛:防府信用金庫、一般社団法人防府市観光協会、大村印刷株式会社
助成:芸術文化振興基金、公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団
後援:防府商工会議所、山口商工会議所
◆防府天満宮展の章立て
第一章 松崎天神縁起絵巻の世界
第二章 防府天満宮の信仰と歴史
いにしえの天満宮
大内氏と天満宮
毛利氏と天満宮
幕末―維新の志士と天満宮第三章 描かれた天神さま
2.作品紹介
第一章 松崎天神縁起絵巻の世界
巻一 《松崎天神縁起絵巻》 鎌倉時代 応長元年(1311年) 、重要文化財、紙本著色、縦34.2cm、本紙全長1310.5 cm
1. 「道真化現」
2. 「幼少詩作」
3. 「良香邸弓遊」
4. 「五十賀祝」
5. 「法皇参内」
巻二 《松崎天神縁起絵巻》 鎌倉時代 応長元年(1311年)、重要文化財、紙本著色、縦34.2cm、本紙全長1430.5 cm
6. 「紅梅別離」
8. 「恩賜御衣」
9. 「天拝山」
巻三 《松崎天神縁起絵巻》 鎌倉時代 応長元年(1311年)、重要文化財、紙本著色、縦34.2cm、本紙全長1380.7 cm
10. 「時平抜刀」
13. 「官位追贈」
14. 「敷島盗衣」
巻五 《松崎天神縁起絵巻》 鎌倉時代 応長元年(1311年) 、重要文化財、紙本著色、縦34.2cm、本紙全長1331.8 cm
15. 「女房安産」
◆松崎天神縁起絵巻の構成
巻一 道真化現〜法皇参内
巻二 紅梅別離〜天拝山
巻三 時平抜刀〜時平薨去
巻四 虫喰和歌〜官位追贈、敷島盗衣
巻五 女房安産
巻六 松崎天神社縁起
巻六 《松崎天神縁起絵巻》 鎌倉時代 応長元年(1311年) 、重要文化財、紙本著色、縦34.2cm、本紙全長920.9 cm
16. 「勝間浦瑞相」
17. 「宝殿建立」
18. 「松崎天神社頭」(1)、(2)
◆鎌倉本と室町本の比較
左:《松崎天神縁起絵巻》 鎌倉時代 応長元年(1311年)
右:《松崎天神縁起絵巻(室町本)》 室町時代 (1500年代)左:《松崎天神縁起絵巻》 鎌倉時代 応長元年(1311年)
右:《松崎天神縁起絵巻(室町本)》 室町時代 (1500年代)
第二章 防府天満宮の信仰と歴史
19. 《金銅宝塔》 平安時代 承安2年(1172年) 重要文化財、銅造鍍金、総高43.9 cm
20. 《大日如来坐像》 平安時代 11世紀 重要文化財、木造漆箔 像高98.4 cm、膝張70.5 cm
21. 《獅子頭》 鎌倉時代 13世紀、重要文化財、木造漆塗漆箔、高32.9 cm、幅43.0 cm、奥44.3 cm
22. 《浅葱糸褄取威鎧》 鎌倉時代 13世紀、重要文化財、木造漆塗漆箔、高32.9 cm、幅43.0 cm、奥44.3 cm
23. 《毘盧遮那仏坐像》 高麗〜朝鮮王朝時代 14-15世紀 防府市指定有形文化財、銅造鍍金 像高76.9 cm、膝張50.2 cm
24. 《松藤蒔絵文台硯箱》 室町時代 16世紀、重要文化財、木造漆塗 (文台)縦33.2 cm、横56.4 cm、高10.7 cm(硯箱)縦25.7 cm、横12.7 cm、高8.6 cm
25. 伊藤石僊《天満宮社頭図》 大正3年(1914年)、絹本著色、縦86.4 cm、横114.0 cm
第三章 描かれた天神さま
26. 雪舟等楊 《束帯天神像》 室町時代 明応2年(1 493年) 紙本墨画淡彩 縦102.0 cm、横47.4 cm
27. 《三季天神像》 江戸時代 18-19世紀 紙本彩色 縦83.7 cm、横38.3 cm
3.まとめ
・企画展の章立て
―展示物を分類・整理して提示
―企画の内容を理解する手掛かり
―展示室や図録の「章解説」を読む
―章の構成=出品作品の検討=企画そのもの
・公立美術館の使命
―地域の美術史の紹介(=展覧会)
―地域の美術史の調査と研究
―地域の美術の保存と継承
―地域の美術活動の拠点や展覧会の会場
―国内や世界の美術の紹介、調査研究、保存継承
◆過去の講義ノートへのリンク ※山口県立美術館で開催された展覧会
二〇一〇年後期 <第七講> 「吉村芳生展―とがった鉛筆で日々をうつしつづける私」
二〇〇八年後期 <第六講> 「運慶流―鎌倉・南北朝時代の仏像と蒙古襲来」
二〇〇七年後期 <第一講> 「田中米吉−“ドッキング”からの視線」展/<第五講> 「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」
二〇〇六年後期 <第三講> 雪舟への旅
二〇〇三年前期(芸術論概説) コレクション101
二〇〇二年後期(美術史) ジャン=マルク・ビュスタモント展 プライベート・クロッシング