小児神経外科
こどもが脳・神経の病気になることは少ないです。でも大人の患者さんとは違う事がたくさんあるので、小児神経外科には専門家が必要です。そしてやっぱり、優しい先生がいいですよね。
@頭の検査
- 頭の検査といえば、CTとMRIが代表的です。
- CTは5分くらい、MRIは30分くらいじっとしていないと撮影できません。
- 私たちの技の見せ所です。安心してお任せください。
A入院
- 親御さんの付き添いあり・なし、どちらも受け付けています。
- お子様の治療には、親御さんのご協力がぜひとも必要です。
- 一緒に勉強して、一緒に治療を行いましょう。
B手術・術後
- 麻酔科の先生は、麻酔がかかるまで怖くないようにしてくれます。
- 手術の後の痛みや苦痛を軽くできるように、いろんな工夫をしています。
- 長い入院になる時は、院内学級も利用できます。
C長期の治療
- 病気の経過も見て、発達も見るため、通院は長期になります。
- 高額な医療費などには、さまざまなサポート制度があります。
D脳腫瘍
- 良性腫瘍も悪性腫瘍もあります。
- こどもは症状が分かりにくいので、見つかった時はとても大きくなっています。
- 悪性腫瘍だったら、急いで手術(開頭腫瘍摘出術)して、小児科の先生に化学療法をしてもらって、放射線科の先生に放射線療法をしてもらいます。
E脳卒中
- 脳の血管がだんだん細くなる病気があります(もやもや病)。
- 最初は泣いたときに急に手足が動かなくなって、時間が経つと治ります。
- やがて脳梗塞になりますから、その前にバイパス血管を作ります(血管吻合術)。
- 脳の血管に生まれつき弱い部分があり、脳出血を繰り返す病気もあります(脳動静脈奇形)。
- 脳動静脈奇形は開頭手術、血管内手術、放射線治療を組み合わせて治療します。
F頭部外傷
- こどもは転びやすいので、頭を打つことは何度もあります。
- 軽症だったら頭蓋骨が脳を守ってくれますが、強い外傷の時は入院が必要です。
- 頭の中に出血(硬膜外血腫、急性硬膜下血腫)したら手術(開頭血腫除去術)を行います。
- 学校生活やスポーツの注意点など、受傷後の指導を行います。
Gてんかん
- てんかんは急に発作を起こす病気です。
- 発作の種類はぼんやりする、倒れる、ひきつけを起こすなど、いろいろです。
- 小児科の先生が薬で治療してくれますが、効かないときは手術法もあります(焦点切除術など)。
H二分脊椎
- 二分脊椎は脊椎(背骨)と脊髄(神経)の生まれつきの病気です。
- 下半身が動かない、感覚が分からない、排尿排便ができない、などが症状です。
- 産婦人科、小児科、泌尿器科、整形外科、小児外科など、みんなで治療を行います。
- 手術の名前は脊髄髄膜瘤修復術や脊髄係留解除術といいます。
I水頭症
- 水頭症は頭に水が溜まる病気です。
- 頭が大きくなり、知的な発達が遅れます。
- 細いチューブを埋め込んで、頭の水を腹部内に流します(脳室腹腔シャント術)。
- チューブ埋め込みをしない方法(内視鏡手術)もあります。
J頭蓋骨癒合症
- 赤ちゃんの頭は短期間にどんどん大きくなります。
- 頭の骨が小さく固まる病気(頭蓋骨縫合早期癒合症)になると、脳が圧迫されます。
- 頭蓋骨を大きくする手術(拡大頭蓋骨形成術、頭蓋骨延長術)をします。
- 病気ではなくて、寝ぐせで頭の形が変形したときは、オーダーメイドのヘルメットで治します。
K脳性麻痺
- 胎児から新生児の間に発生した脳障害の後遺症です。
- つま先で歩く子や、全身の筋肉が緊張して、背中が海老反りになる子がいます。
- リハビリテーション、装具、局部注射(ボツリヌス)、脊髄の手術(後根切除術)、薬の入った埋め込みポンプ(バクロフェン療法)などで治療します。