肝疾患診療に関する Q&Aコーナー

肝臓病教室にて質問があったものに関するQ&A

 ここでは、当院の肝臓病教室で質問があったものを中心にQ&A形式で掲載しています。
 一般的な回答を掲載しており、詳しくはかかりつけの先生にご相談することをお勧めします。
  
 
Q1. NASHとは何ですか?
Q2. 肝臓疾患患者はなぜ生魚が禁止なのですか?
Q3. なぜ、C型肝炎の人は鉄制限食が必要なの?
Q4. 肝臓にいいサプリメントはなぁに?ウコンは本当に肝臓にいいの?
Q5. なぜ、脂肪肝の人は運動が必要なの?
Q6. 適度な運動とは、どのくらいが目安になるの?
Q7. BCAAってよく耳にするけど、何のこと?
Q8. 肝硬変の人は、なぜBCAAを摂取する必要があるの?
Q9. コーヒーは摂取しても良いの?
Q10. 食事に酢を使ってもいい?
Q11. 肝疾患の人はみな、鉄制限食が必要ですか?



Q1. NASHとは何ですか?
 
A1. 非アルコール性脂肪肝炎(Non alcoholoc steatohepatitis)のことです。
お酒をあまり飲まず、ウイルスや自己免疫性などの肝障害の原因がない方で、脂肪肝から肝炎を起こしたものです。



Q2. 肝臓疾患患者はなぜ生魚が禁止なのですか?
 
A2. 非代償期肝硬変症では肝機能の低下に伴い。免疫力の低下が引き起こされます。門脈圧亢進に伴う側副血行路(シャント)によって腸管から吸収された雑菌、エンドトキシンといった菌体成分が肝臓を通ることなく全身をめぐることがあります。



Q3. なぜ、C型肝炎の人は鉄制限食が必要なの?
 
A3. 最近、C型肝炎では、鉄分が肝臓に過剰に蓄積し、必要以上に溜まった鉄は病気を悪化させることが分かりました。そこで鉄制限食(目標6㎎/日)といって食事によって体内に取り込まれる鉄をコントロールすることがすすめられています。



Q4. 肝臓にいいサプリメントはなぁに?ウコンは本当に肝臓にいいの?
 
A4. 健康食品・サプリメントには鉄分の含有量が多いものがあるので注意が必要です。また、不純物の蓄積により肝機能障害をきたすことがあります。
ウコンは、アルコールの分解を促進する「解毒効果」があるため、昔から肝臓に良い食品として知られています。しかし、C型肝炎の患者にとって問題になるのが、ウコンには多くの鉄分が含まれているということです。C型肝炎の人が、ウコンを長期間、大量に摂取することはすすめられません。



Q5. なぜ、脂肪肝の人は運動が必要なの?
 
A5. 中性脂肪が肝臓にたくさん溜まると、脂肪肝になります。脂肪肝を放っておくと、慢性肝炎や肝硬変、肝がんを発症することがあります。
肝臓に溜まった中性脂肪を減らすには食事療法と運動療法を組み合わせて行うことが効果的です。
脂肪を燃やしてエネルギーを利用するためには歩行・ランニング・水泳などの酸素を十分に取り込んで全身の筋肉を使う運動(有酸素運動)が効果的です。



Q6. 適度な運動とは、どのくらいが目安になるの?
 
A6. 「歌うー話す」方法といって、運動時の指標となるものがあります。運動中に歌を歌うことができるなら、運動強度が弱すぎ、反対に運動中に会話が困難になれば運動強度は強すぎます。
(※心拍数の上昇を抑える薬物を使用している場合は、心拍数は運動強度の指標に不適)
主治医に相談しながら、無理のない運動をしましょう。



Q7. BCAAってよく耳にするけど、何のこと?
 
A7. 必須アミノ酸のうち、側鎖に枝分かれした炭素鎖をもつアミノ酸のことで、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つのアミノ酸のことです。体のタンパク質を増やす働きや、運動時のエネルギー源として重要な役割を果たします。(BCAA・・・Branched Chain Amino Acid)



Q8. 肝硬変の人は、なぜBCAAを摂取する必要があるの?
 
A8. 肝硬変の患者さんは、肝機能の低下に伴い、肝臓の代わりに筋肉でアンモニアが処理されますが、その時にBCAAが使用されます。また糖質の肝臓での貯蓄が低下し、エネルギー不足となった時にBCAAが使われ、BCAAが低下します。栄養状態の改善や肝臓でのタンパク質合成促進のため、不足したBCAAを補給する目的として、リーバクト®(BCAAのみの製剤)、アミノレバンEN®(BCAAを含むアミノ酸製剤)等の薬剤を内服することがあります。



Q9. コーヒーは摂取しても良いの?
 
A9. コーヒーや、お茶等しぶい飲み物は、タンニンが含まれているため鉄吸収が抑制できるといわれています。食事とともに摂取しましょう。



Q10. 食事に酢を使ってもいい?
 
A10. 毎食食べるものではないので、時々ならかまわないでしょう。酸っぱいものや柑橘類には、クエン酸が含まれており、鉄分と一緒に摂取すると吸収を促すため、食間に摂取するようにした方が良いでしょう。



Q11. 肝疾患の人はみな、鉄制限食が必要ですか?
 
A11. 血液検査で、貧血傾向がみられれば、鉄制限食にする必要はありません。鉄制限療法を行うにあたっては、独断で実施しないで、主治医の先生および栄養士に相談してください。



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 山口大学医学部附属病院 肝疾患センター事務局     yuh-kan@yamaguchi-u.ac.jp