ヨコハマトリエンナーレ2011

横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫、横浜創造都市センター 八月六日―十一月六日


授業の目標

公募展と企画展の違いを理解する。

国際美術展の開催意義について考察する。


1.ヨコハマトリエンナーレ2011概要

会期:2011年8月6日(土)〜11月6日(日)

会場:横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫、ヨコハマ創造都市センター

参加作家数:77名/組以上

展示作品数:300点以上

 ※トリエンナーレ=3年に1回開催

第1回(2001年) メガ・ウェイヴ
第2回(2005年) アート・サーカス
第3回(2008年) タイム・クレヴァス
第4回(2011年) アワー・マジック・アワー

企画概要


2.横浜美術館

横浜美術館

1. ウーゴ・ロンディーネ(スイス)《月の出、東、11月》 2006年

2. ウーゴ・ロンディーネ《月の出、東、6月》 2006年

3. 島袋道浩《ハムはできるか? 復興と発酵》(1)(2)

4. 前田征紀《The Seven Seasons - Jupiter(木星)》(展示風景)

ウィルフレド・プリエト(キューバ)《One》 /冨井大裕《 ゴールドフィンガー》展示風景

5. ウィルフレド・プリエト《One》(部分)

6. 冨井大裕《 ゴールドフィンガー》(部分)

展示風景(マグリット、石田徹也、ブランクーシなど)

7. 薄久保香《Unidentified Garden》 2009年

8. 薄久保香《D&D Delicate Discovery》 2007年

9. ミルチャ・カントル(ルーマニア)《幸せを追い求めて》 2009年

10. 八木良太《ポルタメント(ホーメイ、シンセサイザー、ヴァイオリン)》(1)(2) 2006-11年

湯本豪一コレクション展示風景

11. 林熊太郎《妖怪百物語(地)》 明治時代

12. 砂澤ビッキ《午前3時の玩具》 1987年 、(展示風景)

13. マッシモ・バルトリーニ(イタリア)《オルガン》 2008年

岩崎貴宏の作品を鑑賞する観客

14. 岩崎貴宏《アウト・オブ・ディスオーダー(コスモワールド)》

15. 岩崎貴宏《アウト・オブ・ディスオーダー(メディアタワー)》

16. オノ・ヨーコ《DREAM》

 アーティスト・ファイルB オノ・ヨーコ


3.日本郵船海岸通倉庫

日本郵船海岸通倉庫

17. ヘンリック・ホーカンソン(スウェーデン)《根の付いた木》(1)(2)(3) 2010-11年

18. デワール(イギリス) & ジッケル(フランス)《無題》

19. リヴァーネ・ノイエンシュワンダー(ブラジル)《プロソポーピア》(1)(2)(3) 2010-11年

20. 落合多武《猫彫刻》 2007年

21. シガリット・ランダウ(イスラエル)《死視》 2005年

22. ジュン・グエン=ハツシバ《呼吸することは自由 12,756.3: 日本、希望と再生、1,789km》(1)(2)

23. ジルヴィナス・ケンピナス(リトアニア)《5番目の壁》(1)(2)(3) 2002/2011年


4.横浜創造都市センターほか

24. ピーター・コフィン(USA)《無題(ハンド・フラッグ)》(1)(2) 2007年

25. ピーター・コフィン《無題(グリーンンハウス)》 2002-11年

26. 丸山純子《ユートピア トトピア》(1)(2)


企画趣旨と作品選定

ガイドブックより(1)(2)


オープニング・レセプション

会場風景(1)(2)(3)

市長あいさつ

総合ディレクターあいさつ

ヨコハマトリエンナーレ/オープン横浜


5.UBEビエンナーレ(公募展)と横浜トリエンナーレ(企画展)

 <開催の流れ>

公募展:募集要項作成→募集→審査
企画展:テーマ設定→作家選定→招待・参加依頼

 <展示作品>

公募展:予期しない作品との出会い←→応募者の顔ぶれが固定化
企画展:統一感のある展覧会←→作品がテーマの絵解きになったり、観客にとって難解な場合も

 <テーマ>

現代日本彫刻展:ときめく宇部(第21回)、響(ひびく)(第20回)、凛(街とモニュマン) (第19回)
ヨコハマトリエンナーレ2011:アワー・マジック・アワー


企画展における「キュレーター」の役割

・テーマの設定

・作家の選定、参加依頼、出品交渉

・展示プランの決定(会場の選定、会場構成の検討、会場設営の監督)

・展覧会の広報(展覧会テーマや出品作品の説明・解説、記者資料や展覧会図録への執筆)

・展覧会資金の調達(文化助成金の申請、協賛企業への説明と協力依頼)


6.まとめ

 ・公募展と企画展の違い

―キュレーターの有無
―展覧会全体を統一するテーマやメッセージの強弱
―公募展:作品の意図/個人的な美意識に訴える
―企画展:展覧会の意図/社会的な問題意識に訴える

 ・国際美術展の開催意義

―先行きの見えない不安定な時代/美術の柔軟な創造力
―「文化芸術創造都市」=先進的な街づくり
―世界へ向けた文化発信
―観光キャンペーンの起爆剤


過去の講義ノートへのリンク

二〇一一年前期 <第四講> 横浜トリエンナーレ

二〇一〇年前期 <第六講> 日本の国際美術展(一)横浜トリエンナーレ

二〇〇九年前期 <第四講> 事例研究(四)横浜トリエンナーレ

二〇〇八年前期 <第六講> 事例研究(四)横浜トリエンナーレ

二〇〇七年前期 <第二講> 国際美術展の歴史(二)アジア

二〇〇六年前期 <第三講> 横浜トリエンナーレ二〇〇五紹介/<第四講> 横浜トリエンナーレをめぐって

二〇〇五年後期 <第六講> 横浜トリエンナーレ2005