美学・美術史概論T(芸術論概説T)二〇〇七


授業の概要

「西欧美術史学」の歴史について講義します。日本の美術史学も西欧美術史学の発展とともに多様に展開してきました。地球時代に日本の大学で美術史を学ぶことの意義を、受講生の皆さんとともに考えてみたいと思います。


授業の一般目標

一、西欧美術史学の知的遺産の基本部分を学ぶ。
二、西欧美術史学を相対化して捉える視点を身につける。


授業の到達目標

知識・理解の観点

 西欧美術史学で使用される専門用語のいくつかについて説明ができる。

思考・判断の観点

 西欧美術史学の古典的な著作を読むにあたり、今日的で批評的な視点で読解し、有用性と問題点とをそれぞれ指摘することができる。

関心・意欲の観点

 自ら美術作品の鑑賞体験と幅広い読書体験とを養うことに努める。

 

 

授業計画

美術史について全般的な見取り図を得るため、最初、西洋美術の流れ、日本近現代美術の流れ、をそれぞれ概括したのち、講義の後半で西欧美術史学の歴史をたどる、という手順で講義を進めます。

四・九

   <零>    オリエンテーション

四・十六

 (休講) ※アジア太平洋トリエンナーレ調査(ブリスベン)

四・二十三

<第一講> 西洋美術史(一)古代・中世

四・三十

 振替休日(休講)

五・七

<第二講> 西洋美術史(二)ルネサンス

五・十四

<第三講> 西洋美術史(三)近代

五・二十一

<第四講> 西洋美術史(四)現代

五・二十八

<第五講> 日本近現代美術史(一)戦前

六・四

<第六講> 日本近現代美術史(二)戦後

六・十一

<第七講> 西欧美術史学の歴史(一)列伝史と様式史

六・十八

 (休講) ※第五十二回ヴェネツィア・ビエンナーレ、ドクメンタ12、ミュンスター彫刻プロジェクト2007調査

六・二十五

 (休講) 同上 ※この 二週間分は中間レポートの提出を課題とする

七・二

<第八講> 西欧美術史学の歴史(二)イコノロジー

七・九

<第九講> 西欧美術史学の歴史(三)芸術心理学と芸術社会学

七・十六

 海の日(休講)

七・二十三

<第十講> 西欧美術史学の歴史(四)新しい美術史と植民地主義以後の思潮

 

 

七・三十

 期末試験

リンクシラバス


参考図書

佐藤道信『美術のアイデンティティー―誰のために、何のために』(吉川弘文館、二〇〇七年)

宮下規久朗『食べる西洋美術史 「最後の晩餐」から読む』(光文社、二〇〇七年)

ロバート・S・ネルソン、リチャード・シフ編『美術史を語る言葉 22の理論と実践』、加藤哲弘、鈴木広之、秋庭 史典訳(ブリュッケ、二〇〇二年)

グザヴィエ・バラル・イ・アルテ『美術史入門』、吉岡健二郎・上村博訳(白水社、一九九九年)

ポール・デューロ、マイケル・グリーンハルシュ『美術史の辞典』、中森義宗・清水忠訳(東信堂、一九九八年)

高階秀爾・三浦篤編『西洋美術史ハンドブック』(新書館、一九九七年)

ウード・クルターマン『美術史学の歴史』、勝國興、高坂一治訳(中央公論美術出版、一九九六年)

マルシア・ポイントン『はじめての美術史』(スカイドア、一九九五年)

高階秀爾『美の思索家たち』(青土社、一九九三年) (新潮社版:一九六七年)