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教員の活躍
片山助教(堤研究室)が第60回(令和元年度)宇部興産学術振興財団「学術奨励賞」を受賞しました!
今回の受賞は、地球規模の課題であるCO2排出量削減への新たなアプローチへの期待の現れであると考えています。今後は、研究室メンバーとともに提案したシステムの社会実装を目指して研究を進めていきたいと思います。チャレンジングな課題に積極的に取り組み、様々なアイデアを出しながら頑張ってくれた学生の皆さんに感謝です! 山口大学HPのトピックスへのリンク 宇部興産学術振興財団HPの助成実績へのリンク
一緒に研究を頑張っている研究室メンバーの集合写真です。最後列左から5人目が片山助教 創成科学研究科の西形孝司准教授が国際賞「Thieme Chemistry Journals Award 2019」を受賞しました
大学院創成科学研究科工学系学域応用化学分野(IoLセンター所属)の西形孝司准教授が、Thieme Chemistry Journals Award 2019 を受賞しました。本賞は、Thieme 社が発行している 科学論文誌「Synthesis, Synlett, Synfacts」の 編集者(主要大学教授陣)により審査が行われ、世界中の若手科学者の中から特に優れた業績を持つ者に授与される国際賞です。
今回の受賞は、西形准教授のグループが20年近く取り組んできた金属触媒による新たな反応原理に立脚した革新的有機合成手法が高く評価されたものです。金属周りで形成される特殊な反応場は、従来では実現が困難な選択性や効率で分子を変換することができます。これまでに、パラジウムによる「カチオン性金属反応場」、金属クラスターによる「配位不飽和金属反応場」、金属ナノ粒子の「表面反応場」、そして、一価銅による「金属近傍ラジカル反応場」と多数の反応場を創出・発見し、これにより効率的な合成が実現した分子は数百に上ります。
本受賞に対して西形准教授は、「今回の受賞は、分子変換手法開発に大きなブレークスル-をもたらしたことが評価されたことは間違いないですが、それを一緒に実現してくれた学生や先生方も含めたチームとしての成果であると確信しております。新たな挑戦に積極的に取り組み、そして、苦楽を共に頑張ってくれた学生たちに感謝するとともに、今後も優れた反応原理の創出のために精進していきたいと思います。」と述べています。
研究のコンセプト 表彰状 日本分析化学会主催 第78回分析化学討論会の開催
公益社団法人日本分析化学会主催の第78回分析化学討論会が5月26日(土)と27日(日)の2日間,山口大学工学部(常盤キャンパス)を会場に開催します。
実行委員長: 中山雅晴教授 テーマ: 分析化学の継承と新しい価値の創成を目ざして ホームページ: http://conference.wdc-jp.com/jsac/touron/78/ 公益社団法人日本分析化学会は、1952年に設立された歴史ある学会です。理・工・農・薬・医・歯学など、幅広い学問分野の大学・専門学校、公立研究機関、および産業界の分析化学関連の研究者や技術者から構成され、会員数は約6,000名に達しています。
分析化学領域では世界最大の学術団体であり、基礎科学の立場から、多岐に渡る科学技術分野の発展を支えてきました。第78回分析化学討論会は、本学科中山雅晴教授のとりまとめのもとに常盤キャンパスで開催されます。
「分析化学の継承と新しい価値の創成を目ざして」をテーマに掲げ、革新とその礎となる知の継承を目ざす8件の討論主題を取り上げます。本討論会では、それぞれの分野で活躍中の研究者による依頼講演を含む主題討論講演、一般講演、テクノレビュー講演、若手ポスター講演など、計367件の最新の研究成果が報告されます。本学科からは吉本 誠准教授,藤井健太准教授が依頼講演を行う予定です。
創成科学研究科の西形孝司准教授が平成29年度有機合成化学奨励賞を受賞
大学院創成科学研究科工学系学域応用化学分野の西形孝司准教授が、平成29年度有機合成化学奨励賞を受賞し、2018年2月15日(木曜日)に如水会館において開催された有機合成化学協会第81回通常総会で表彰されました。
本賞は、有機合成化学及びその関連産業の分野で優れた研究または発明を行った40歳未満の若手研究者に贈られるものであり、若手有機化学者の登竜門として位置づけられている賞です。選考過程は、2回の書面審査を経たのちに17名から成る審査委員に対して業績説明を行うという3段階で構成されており、受賞への道のりが非常に厳しいことで知られています。
今回の受賞は、「α-ブロモカルボニル化合物を用いる官能性第4級炭素の構築法確立」の業績が認められたものです。この研究は、有機合成化学において難題の一つとして認識されている第4級炭素化合物の効率的合成法に関するものです。炭素はその原子周りに4つまで置換基を持つことができますが、4つ目の置換基導入は立体的に非常に困難であり、従来法では多くの制限がありました。西形准教授のグループはラジカルが持つ高い反応性に着目することで、この難題を解決するための基礎理論を構築することに成功し受賞に至っています。医薬品や天然物をはじめとする様々な有用物質の効率的合成への応用が期待されます。
なお、本受賞に対して西形准教授は、「私は、この受賞は取り組んできた研究テーマが評価されたというよりは、それを達成する優れた技能・知性を持つ学生が当有機化学研究室に所属していることを示す結果であると捉えております。今後も素晴らしい学生とともに研究を楽しんでいきたいと思います。」とコメントをしています。
- 有機合成化学奨励賞の歴代受賞者一覧(公益社団法人有機合成化学協会HPより)
- 西形准教授の受賞内容(公益社団法人有機合成化学協会HPより)
表彰式の様子 川本拓治助教が有機合成化学協会九州山口支部の優秀論文賞を受賞
大学院創成科学研究科工学系学域応用化学分野・川本拓治助教が、インパクトファクターの高い国際雑誌に掲載された研究業績に対して贈られる有機合成化学協会九州山口支部の優秀論文賞を受賞し、2017年11月1日に九州工業大学戸畑キャンパス百周年中村記念館(北九州市)で開催された第2回有機合成化学講演会において表彰されました。
今回の受賞は、応用化学系最高峰の雑誌であるAngew. Chem. Int. Ed.誌 (IF=11.99, 2016年) に本年に発表した「Synthesis of α-Trifluoromethylated Ketones from Vinyl Triflates in the Absence of External Trifluoromethyl Sources」の業績が認められたものです。
受賞対象となった研究内容は、有機合成化学において難題の一つであるフッ素置換基の自在導入に関しラジカル反応による新たな切り口を提案したものであり、医薬品や天然物をはじめとする様々な有用物質の効率的合成への応用が期待されます。
山口大学附設生命分子インターネットワークセンターの設置認定
山口大学では学際的国際研究拠点の確立を目指して、拠点形成事業を行っています。平成29年度は、山口大学を代表する9名の若手研究者がコアメンバーとして主導する「生命分子インターネットワークセンター」の設置が8月3日に認められました。
センター長: 西形孝司准教授 センターコアメンバー: 創成科学研究科(工学部)
西形孝司(センター長)
創成科学研究科(工学部)
隅本倫徳
創成科学研究科(工学部)
藤井健太
創成科学研究科(工学部)
川本拓治
創成科学研究科(理学部)
上條真(副センター長)
創成科学研究科(理学部)
原裕貴
創成科学研究科(農学部)
佐合悠貴
共同獣医学部
高野愛
医学系研究科(医学部)
堂浦智裕テーマ: 医理農工獣医学の垣根を越えた生命活動の理解 活動内容: 現在、食糧問題や長寿を全うするための健康問題は喫緊の課題となっています。
この問題解決の鍵を握っているのが、炭素、水素、酸素、窒素原子などで構成されている生命分子です。生命分子は、分子レベルや細胞レベルから生命活動そのものに及ぶあらゆる局面に影響しています。しかし、この生命分子に関する研究は医・理・農・工・獣医学分野でそれぞれ目覚ましい発展を遂げたものの、さらに優れた技術の創出のためには分野の垣根を越えたブレークスルーが必要です。そこで、各専門分野の研究者が力を終結させた「生命分子インターネットワーク」拠点を山口大学に形成することとしました。
「生命分子」をキーワードに各専門分野を相互に接続する「インターネットワーク」を構築します。本拠点では、分子がどのようにつくられ、どんな挙動を示すのかを調べ(1.基礎ステージ)、そしてそれが細胞内でどのように作用するのかを解明し(2.応用ステージ)、その結果、どのように健康の維持増進や食料の安全安定供給といった恩恵が受けられる(3.実用ステージ)のかを、3つの研究ステージに分けて解明していきます。境界領域で鍵を握る生命分子の抽出と生命分子を抽出するための分野を横断した相互理解が可能な学際的研究拠点を形成していきます。センター概要: http://yulifemol.chem.yamaguchi-u.ac.jp/ 麻川明俊助教の「日本結晶成長学会 第14回奨励賞」受賞
大学院創成科学研究科 (工学系学域応用化学分野)の麻川明俊助教は日本結晶成長学会(会員数:およそ700名)の「第14回奨励賞」を受賞し、平成28年8月7 日に催された学会賞授与式(名古屋国際会議場)で表彰されました。
この賞は、第一著者として権威ある学術雑誌に論文を発表し、その論文が注目され、将来結晶成長学の進歩・発展に貢献が大いに期待できると認められた37才以下の研究者に授与されます。
今回、受賞対象となった研究題目は「氷の表面融解によって生成する2種類の疑似液体層の熱力学的安定性の解明」です。麻川 助教は、熱力学に基づいた氷の表面融解の従来の描像を覆し、表面融解の物理的描像を再構築する上で基盤となる発見をしました。
これらの成果は著名な学術雑誌であるProc. Natl. Acad. Sci. USAやCryst. Growth Des.に掲載され、高く評価されたため、同氏は受賞しております。
上野和英助教の「平成28年度 電気化学会進歩賞・佐野賞」受賞
大学院創成科学研究科 (工学系学域応用化学分野)の上野和英助教が公益社団法人電気化学会(会員数:5,484名、2016年 4月現在)の「平成28年度 電気化学会進歩賞・佐野賞」を受賞し、平成28年3月29 日~31日に開催された電気化学会第83回大会(大阪大学 吹田キャンパス)にて表彰および受賞講演が行われました。
この賞は、電気化学および工業物理化学に関する研究または新しい技術開発を進め、その進歩が顕著であると認められた満35才以下の研究者に授与されます。
今回、受賞対象となった研究のタイトルは「イオン液体および常温溶融錯体のイオン輸送特性の解析と蓄電デバイスへの応用に関する研究」です。
上野 助教は、これまで新しい液体であるイオン液体という物質に関して、その基礎的側面を明らかにするのみならず、「溶媒和イオン液体」という新しい種類のイオン液体を提唱し、更にそれをエネルギーデバイスの電解質として応用する研究も行っており、これらの一連の研究業績が高く評価されました。