システム生物学・RI分析施設
Institute of Systems Biology and Radioisotope Analysis
沿革・現況

沿革

 山口大学農学部、教養部、文理学部、教育学部および経済学部が、山口市吉田 地区に統合移転するにあたり、吉田地区における理学、生物学系の学部および宇部地区医学部、工学部、工業短期大学関係学科のRI利用による研究、教育を行うために、1970年(昭和45年)、山口大学(吉田地区)放射性同位元素総合実験室が設置された。当初の建物は、管理室1、実験室3、測定室1より成る150m2(延べ175m2)で、 36核種が使用可能であった。その後、核種の追加あるいは削除を経て、1983年(昭和58年)19許可核種となった。

 その後、施設の老朽化に伴い、使用核種の限定が行われた時期があったが、新施設の完成により19核種使用可能となった。 1997年にはP-33が追加され、20許可核種となった。26年間利用された旧施設は、1997年9月、正式に廃止された。

 2003年4月より,山口大学総合科学実験センターに統合され,同センターRI実験施設(吉田)と改称した。2004年4月より,同センターアイソトープ分析施設と改称した。 2010年4月より,同センターシステム生物学・RI分析施設と改称した。2011年4月より,使用核種を削減し,7許可核種となった。


現況

 現在の施設(2階建て、延べ596m2)は1996年4月に完成し、2011年4月に改修を行った。1階は管理室 と管理区域から成る。管理区域には汚染検査室1、貯蔵室1、廃棄物保管室1、廃棄作業室1、生化学実験室1、試料調製室1、放射線測定室1、および動物乾燥室1 が含まれる。生化学実験室はP2レベル実験室として使用可能である。2階はシステム生物学実験支援の設備を備える。教員居室1,教員実験室1,共用実験室3,低温室1,暗室1から成る。共用実験室のうちひとつは P2レベル実験室として使用可能である。


放射線管理
 本施設は、最新の放射線防護設備を備え、取扱者の管理区域への入域・退出,換気はコンピュータ管理されている。また,管理区域内の空間線量および排気の放射線濃度は継続して自動測定されている。

入退室管理
 非接触式磁気カードにより入退室者氏名および時刻が自動的に記録される。登録利用者はあらかじめ暗証番号を登録しておき、入室時に本人の照合を行う。照合した場合のみ入口ドアが開錠される。

在庫管理
 使用者の申告に基づいてコンピュータに入力され、RIの在庫の状況、年間最大使用数量、一日最大使用数量を超えていないか、等がチェックされる。

排水管理
 実験室排水は、前置槽(10トン×1)、貯留槽(10トン× 2)、希釈槽(30トン×1)の4槽から成る地上式ステンレス製の貯留槽に貯留され、 放射能の減衰後、コンピュータからの指示により自動的に採水、放射能測定が行われ る。また万一貯留槽から廃水が漏れても自動的に回収される構造となっている。

排気管理
 管理区域からの排気は2系統(1F系統および貯蔵室 -廃棄物室系統)に分かれ、プレフィルタ、ヘパフィルタ、およびチャコールフィルタにより浄化された後、屋上より排気される。排気口にはガスモニタ、ダストモニタ、およびオートマチックヨウ素モニタが設置され、24時間放射能を測定し、コンピュータに記録されている。