授業の概要
この講義では、国内外で開催されている国際美術展の現況について解説します。デジタル画像やビデオの上映を交えながら国際美術展の歴史、代表的な国際美術展を紹介したのち、特に1990年代以降のグローバリゼーションの影響について、ヨーロッパとアジアとの対比の中で見ていきます。
授業の一般目標
1.国際美術展の現況について理解する。
2.現代美術に関心をもつ。
授業の到達目標
知識・理解の観点 |
1.現代美術の面白さ、展覧会の面白さがわかる。2.代表的な国際美術展について簡単な説明ができる。 |
思考・判断の観点 |
1.幅広く深い教養を背景に、美術作品の好悪巧拙の判断ができる。2.国際美術展について肯定的な側面と課題とを指摘できる。 |
関心・意欲の観点 |
1.自分の感性を絶えず磨き続ける。2.幅広い教養を身につける。 |
態度の観点 |
1.国内で開催されている展覧会情報をチェックし、心の琴線に触れた展覧会には実際に出掛けてみる。2.海外旅行に出掛ける際には、旅先の美術館や美術展を訪れる。 |
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授業計画
前半は、ヨーロッパとアジアの国際美術展を対比的に論じ、国際美術展におけるグローバリゼーションの問題について基礎的な観点を確認する。中盤では、 国際美術展と万国博覧会との関係を解説。後半は、今年開催されるヴェネツィア・ビエンナーレを紹介する。
4/12 |
オリエンテーション:国際美術展とは何か |
4/19 |
マニフェスタ: ノマド型国際美術展と現代美術のサイト・スペシフィック性 |
4/26 |
マニフェスタ5 :東進するEU、キュレイターのコラボレーション |
5/10 |
光州ビエンナーレ:参加観客制度の試み |
5/17 |
光州ビエンナーレ:グローバリゼーションとアートの民主化 |
5/24 |
<中間まとめ>国際美術展の現在 |
5/31 |
万博と国際展1:万博の歴史 |
6/7 |
万博と国際展2:日本の博覧会 |
6/14 |
(休講:課題レポートA) |
6/21 |
(休講:課題レポートB) |
6/28 |
第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ報告1:ジャルディーニ/イタリア館 |
7/5 |
第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ報告2:ジャルディーニ/イタリア館以外 |
7/12 |
第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ報告3:アルセナーレ |
7/19 |
第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ報告4:市内の各国館 |
7/26 |
期末試験 |
リンク:シラバス
参考図書
◆ヴェネツィア・ビエンナーレ
『12人の挑戦―大観から日比野まで』、茨城新聞社、2002年
石井元章『ヴェネツィアと日本―美術をめぐる交流』、ブリュッケ、1999年
『ヴェネツィア・ビエンナーレ―日本参加の40年』、国際交流基金、毎日新聞社、1995年
◆万国博覧会
吉見俊哉『万博幻想―戦後政治の呪縛』、筑摩書房、2005年
椹木野衣『戦争と万博』、美術出版社、2005年
前田栄作『虚飾の愛知万博』、光文社、2005年
『日本の博覧会 寺下勍コレクション』(別冊太陽)、平凡社、2005年
山下裕二『岡本太郎宣言』、平凡社、2000年
吉見俊哉『博覧会の政治学―まなざしの近代』、中央公論社、1992年
◆国際美術展
伊東正伸ほか『アートマネージメント』、武蔵野美術大学出版局、2003年 ※国際展の急増、横浜トリエンナーレ