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膠原病基礎研究について

近年，様々な細胞の小胞体上のカルシウムイオン放出チャネルであるリアノジン受容体（RyR）が自己免疫疾患発症に関与している可能性が示唆されています．膠原病グループは，「自己免疫疾患とRyR」についての基礎研究を行っており，関節リウマチのモデルマウスであるコラーゲン誘発性関節炎マウス（CIAマウス）に対して，RyR安定化薬を投与することで，関節炎発症や異常抗体の産生が抑制されることを報告しています（Biochemical and Biophysical Research Communications.2022;624:141-145）．
また，RyR安定化薬が全ての免疫細胞に作用するのではなく，病的な免疫細胞に選択的に作用する免疫調節薬である可能性を見出しました（Scandinavian Journal of Rheumatology.2024;53:217-219 in press）．基礎研究で見出された知見に関しては特許出願を行い（特開2023-178240，特願2023-209822），研究で得られた成果を臨床の場に応用することを目指しています．

代表論文（基礎研究関係）

1. Nawata T, Honda T, Sakai H, Tsuji S, Otsuka M, Uchinoumi H, Kobayashi S, Yamamoto T, Asagiri M, Yano M. Dantrolene, a ryanodine receptor stabilizer, is a candidate immunomodulator for treating rheumatic disease. Scandinavian Journal of Rheumatology, 2024;53(3):217-219.
2. Nawata T, Sakai H, Honda T, Otsuka M, Fujita H, Uchinoumi H, Kobayashi S, Yamamoto T, Asagiri M, Yano M. Dantrolene, a stabilizer of the ryanodine receptor, prevents collagen-induced arthritis. Biochemical and Biophysical Research Communications.2022;624:141-145.

特許

1. 名和田 隆司, 矢野 雅文, 小林 茂樹, 内海 仁志, 朝霧 成挙, 本田 健, 酒井 大樹, 大塚 まりな, 山本 健．特開2023-178240：自己免疫疾患の抑制用医薬組成物、自己抗体の産生抑制剤、及び異常免疫の調節剤
2. 名和田 隆司, 矢野 雅文, 小林 茂樹, 内海 仁志, 朝霧 成挙, 本田 健, 酒井 大樹, 大塚 まりな, 山本 健．特願2023-209822：2型リアノジン受容体を標的とする抗原性抗体の産生調節薬の評価方法
3. 内海 仁志, 矢野 雅文, 小林 茂樹, 澁谷 正樹, 名和田 隆司, 山本 健．特開2023-182349：慢性腎臓病の進展抑制剤、及び、蛋白尿及び/又は糸球体硬化の進展抑制剤