腫瘍班研究
Oncology groupの研究
われわれは当教室の一貫したテーマとして「尿路性器悪性腫瘍の細胞遺伝学的アプローチによる遺伝子変異がその予後に与える影響」について主に臨床検体を用いた検討を行ってきた。また近年は一塩基多型(SNP)やメチレーションによるエピジェネティック変化が癌の発生・悪性度・予後・有害事象に与える影響も検討してきた。最近はプロテオミクス・エクソン発現解析より得られたデータを基に新規遺伝子を抽出し、その機能解析に重点をおいた研究をすすめている。以下に研究の概要をのべたい。
1)腎細胞癌におけるゲノム一次構造異常が予後に及ぼす影響
腎細胞癌はVHL geneなど特定遺伝子変異による特定家系に集中した発生が報告されている。同様の変異は散発(sporadic)発生例のなかにもみられ、特定癌抑制遺伝子の機能喪失やc-myc geneなどの癌遺伝子増幅が癌の発生のみならず進展やその後の予後に強い影響を与えていることが推測される。これまでFluorescence in situ hybridization (FISH) 法を用いた細胞遺伝学的解析やマイクロサテライトマーカーを用いたフラグメント解析によりゲノム一次構造異常を検討し、その異常が腎細胞癌患者の予後に与える影響を研究している。腎細胞癌において染色体5番長腕(5q22.3-23.2)のコピー数増加は予後良好、減少は予後不良の予後因子となること1、腎細胞癌の最も多い染色体3番短腕欠失は8番長腕(c-myc)コピー数増加を合併例では有意にhigh stage症例が多いこと2、染色体5番長腕(5q22.1-23.1)の欠失と喫煙との間に密接な関連があること3、18番染色体長腕(18q21.3)欠失が癌の家族歴を有する淡明細胞型腎細胞癌患者で有意に多く、同領域上のDCCまたはSMAD4の機能喪失による癌発生の可能性を報告した4。また腎細胞癌109例に対してマイクロサテライトマーカーをもちいた9番染色体の欠失解析を行い、9q22内のPTCH geneの高頻度の欠失を報告した5
2)尿路上皮癌におけるゲノム一次構造異常が予後に及ぼす影響
FISH法を用いた細胞遺伝学的解析や免疫組織染色、免疫蛍光染色を用いて染色体不安定性が予後(特に再発、腫瘍進展)に及ぼす影響を研究している。膀胱癌の遺伝子変異のなかでも頻度の高い7、9、10番染色体異数体異常をFISH法により検索し、7番染色体trisomyおよび9番染色体のmonosomyが膀胱癌に多く、これらの変化が腫瘍周囲の病理組織学的に正常な膀胱粘膜にも認められることを報告した6。この結果をもとに表在性膀胱癌で尿細胞診陰性検体をもちいたFISH法により9番染色体monosomyが法頻度に細胞診陰性検体にみられること、monosomy症例が1年以内の再発の予後予測因子となりうることを報告した7。また膀胱癌のp53遺伝子が存在する17番染色体13.1領域の欠失をFISH 法により検索し、同部の欠失が進行性膀胱癌における腫瘍抑制機能喪失に重要な役割を果たしていることを証明し、genetic markerとしての有用性を報告した8。さらにこれらの染色体コピー数異常を制御している中心体複製異常に着目し、ヒト膀胱癌臨床検体を用いた検討において中心体複製異常が再発や腫瘍進展を予測する予後因子であることを証明した9-13。またarray CGH解析より5p15.33領域コピー数増加が膀胱癌の病期進展因子であること14、上部尿路上皮癌においては20q13.2領域(Aurora-A)コピー数増加が腎尿管全摘術後の膀胱内再発の予測因子であること15、array CGHによるコピー数異常がlymphovascular invasion (LVI)症例で誘因医多いこと16を報告した。
3)前立腺癌における8番染色体短腕を中心とした欠失の臨床的意義
前立腺癌の染色体前立腺癌は欧米では男性の臓器別腫瘍では最も発生率の高い腫瘍の一つであるが、近年本邦でもその発生率が急増している疾患であり、その発生、増殖および進展のメカニズムの解明が急務となっている。これまでに染色体8番短腕に仮想腫瘍抑制遺伝子が存在することが多くの論文で報告されているが、その実態は未だ明らかにされていない。特定領域欠失(8番短腕(8p22, 8p23-pter領域)、10番長腕(10q24-qter領域)および16番長腕(10q24-qter領域))をFISH法にて解析し17、8番短腕領域の欠失が高頻度で腫瘍の病期や分化度と相関があること18, 19、同部の変異はCGH (comparative genomic hybridization) 法との比較でも相関性が高いことを報告した20。また16番染色体長腕(16q24)欠失が前立腺癌の転移能と相関があること21、上記染色体変異が環境因子と複雑に影響しあいながら前立腺癌が発生することを報告した22。
4)前立腺癌における人種間の遺伝的背景因子の比較
日本人前立腺癌の発生頻度は欧米人より明らかに低い。そこでその遺伝的背景を探る目的でスウェーデンカロリンスカ研究所(Peter Ekamn教授)との共同研究をおこなった。スウェーデン人前立腺癌と日本人前立腺癌の染色体8番22領域の比較を行い、同部の変異は人種差を認めないこと、同領域の欠失は前立腺限局癌では有意に少なく術後の腫瘍進展の独立予後因子であることを証明し、術前遺伝子診断の可能性を示唆した23, 24。またComparative genomic hybridization (CGH) 法をもちいて前立腺癌のゲノム一次構造異常を網羅的に解析し、日本人前立腺癌における13番染色体長腕欠失の頻度は欧米人に比べ、有意に少ないこと25、array CGH法は従来のCGH法に比べ欠失部位をより正確に判定できることを報告した26。またX染色体長腕上のアンドロゲン受容体のCAG繰り返し配列の長さをスウェーデン人と日本人の前立腺癌および非癌組織間で比較し、スウェーデン人前立腺癌はCAG繰り返し配列が短いものほど発生しやすいが、日本人はCAG繰り返し配列の長短と前立腺癌の発生は関連がないことを報告した27。またドイツJan Fichtner教授との共同研究を行い、13q14領域の変異が日本人とドイツ人(Caucasian)前立腺癌の生物学的性質の差異に関連している可能性を報告した16。また遺伝子融合(TMPRSS2-ERG fusion)の人種間の差異や、その予後に及ぼす影響の検討など、現在も研究を継続中である。
5)遺伝子多型が泌尿器癌の進展・予後に及ぼす影響についての検討
近年の分子生物学的手法の発達により、腫瘍はいくつかの癌遺伝子・癌抑制遺伝子・細胞周期関連遺伝子・DNA修復遺伝子・血管新生関連遺伝子等の癌関連遺伝子の一次構造もしくは発現変化の集積によって発生し、さらに進展することが明らかにされ、腫瘍細胞におけるこれら癌関連遺伝子変化と、腫瘍の臨床的・病理学的性質および進展・予後との関係について多くの検討がなされてきた。しかしながら、腫瘍の発生・進展は腫瘍細胞周囲の正常細胞との関係にも強く依存しているとされることから、宿主個々の遺伝的背景(生殖細胞変異、主に遺伝子多型)は腫瘍発生のリスクだけでなく、腫瘍進展(増大・浸潤・転移)・予後(治療に対する反応性・生存率)にも影響を及ぼすことが予想された。われわれは腎細胞癌および尿路上皮癌において、癌関連遺伝子に一定頻度以上存在し、かつコードする蛋白発現を変化させると考えられる機能的遺伝子多型について、腫瘍の進展および、治療に対する反応性(効果・有害事象)を含めた予後との関連性に関する研究を施行し、これまでいくつかの成果を国内外の学会や論文で発表してきた28-32。また最近、健常人においてもある特定の遺伝子の数自体に個人差(コピー数多型)があることが明らかにされた。しかもこのコピー数多型は、一塩基多型をはるかに上回るヒトゲノム全体の12%を超える広い領域に存在することから、コピー数多型は一塩基多型以上に個人間のゲノム配列の差、すなわち多様性を生み出していることが考えられた。われわれは遺伝子多型に関する研究をさらに発展させ、このコピー数多型と泌尿器癌の進展・予後との関連性についての研究も開始し、現在継続中である。
6)KLEIPの発癌機構における役割についての検討
新規タンパク“Kelch-like ECT2 binding protein(KLEIP)”を単離した33。KLEIPはアクチン結合タンパクであり、MDCK細胞では細胞接着部位のアクチン束とco-localizationしていることから、細胞接着時のアクチンの再構成に関与している可能性を示唆した。後に、血管内皮細胞において、KLEIPがVGEFを介する内皮細胞の移動、血管新生を制御していることが、Kroll.J等によって明らかにされた。また、Yamaguchi等はWntシグナルによりKLEIPの発現量が制御されていることを示し、皮膚の色素沈着にKLEIPが関与していることを示唆した34。このように、KLEIPの細胞生物学的な役割は多岐にわたっていると考えられるが、KLEIPの細胞生物学的意義はあまり解明されていない。殊に、癌細胞における生物学的役割については未だに検討されていない。KLEIPはアクチン結合タンパクであり、様々な細胞骨格の変化に関与していると思われる。同じくアクチン結合タンパクであるアクチニン-4は癌の浸潤、転移に関与していることが知られており、KLEIPもまた癌の浸潤、転移に関与することが推測される。泌尿器癌を対象に、KLEIPの発癌における役割を解明できたらと考え、研究をしている。
7)新規治療ターゲットの探索
腎癌の病理組織型の中で、その80%を占める淡明細胞癌では、von Hippel-Lindau(VHL)遺伝子の体細胞変異が生じていることが多く、その発癌において重要な役割を果たしている。淡明細胞癌では、このVHL蛋白の機能が喪失しているため、HIFが分解されずに蓄積され、中でも蓄積したHIF-αは核内に移行してHIF-βと結合し、hypoxia-inducible遺伝子の制御ドメインに存在するhypoxia-responsive elementに結合することで、数々の低酸素関連遺伝子の転写を亢進させており、癌細胞内は低酸素類似環境となっていると考えられている。近年の淡明腎細胞癌におけるHIF-VEGF axisに関する研究は、臨床的に有用な数多くの分子標的治療薬を生み出してきており、現行のvascular endothelial growth factor (VEGF)やmammalian target of rapamycin (mTOR)を標的とした分子標的治療は、進行腎細胞癌患者の生命予後を2年以上延長させたことが報告されている。われわれは、淡明腎細胞癌における有望な治療ターゲットを探索する目的でエクソンアレイ解析を行った35。また、淡明腎細胞癌と正常腎組織に対してトランスクリプトーム解析を行い、癌細胞において高発現する低酸素、pH制御、エネルギー代謝関連遺伝子を同定した。これら遺伝子はHIFによる制御を受けていると考えられ、現在、これら遺伝子の内pH制御に関する遺伝子およびエネルギー代謝に関連する遺伝子を治療ターゲットとした研究を行っており、いくつかの遺伝子においては発現を抑制することにより、癌細胞の増殖が抑制されることを確認している(unpublished data)。前立腺癌に関しては、プロテオミクス解析にてactinin-4の発現低下が癌発生に重要な役割を果たす可能性を報告した36。今後われわれは、これらの新規治療ターゲットとしての可能性を追求する予定である。
参考文献
-
Nagao K, Yoshihiro S, Matsuyama H, et al. Clinical significance of allelic loss of chromosome region 5q22.3 approximately q23.2 in nonpapillary renal cell carcinoma. Cancer Genet Cytogenet 2002; 136(1):23-30.
-
Yamaguchi S, Yoshihiro S, Matsuyama H, et al. The allelic loss of chromosome 3p25 with c-myc gain is related to the development of clear-cell renal cell carcinoma. Clin Genet 2003; 63(3):184-91.
-
Korenaga Y, Matsuyama H, Hirata H, et al. Smoking may cause genetic alterations at 5q22.2 approximately q23.1 in clear-cell renal cell carcinoma. Cancer Genet Cytogenet 2005; 163(1):7-11.
-
Hirata H, Matsuyama H, Matsumoto H, et al. Deletion mapping of 18q in conventional renal cell carcinoma. Cancer Genet Cytogenet 2005; 163(2):101-5.
-
Fukunaga K, Wada T, Matsumoto H, et al. Renal cell carcinoma: allelic loss at chromosome 9 using the fluorescent multiplex-polymerase chain reaction technique. Hum Pathol 2002; 33(9):910-4.
-
Matsuyama H, Bergerheim US, Nilsson I, et al. Nonrandom numerical aberrations of chromosomes 7, 9, and 10 in DNA-diploid bladder cancer. Cancer Genet Cytogenet 1994; 77(2):118-24.
-
Tsukamoto M, Matsuyama H, Oba K, et al. Numerical aberrations of chromosome 9 in bladder cancer. A possible prognostic marker for early tumor recurrence. Cancer Genet Cytogenet 2002; 134(1):41-5.
-
Matsuyama H, Pan Y, Mahdy EA, et al. p53 deletion as a genetic marker in urothelial tumor by fluorescence in situ hybridization. Cancer Res 1994; 54(23):6057-60.
-
Yamamoto Y, Matsuyama H, Furuya T, et al. Centrosome hyperamplification predicts progression and tumor recurrence in bladder cancer. Clin Cancer Res 2004; 10(19):6449-55.
-
Yamamoto Y, Matsuyama H, Kawauchi S, et al. Biological characteristics in bladder cancer depend on the type of genetic instability. Clin Cancer Res 2006; 12(9):2752-8.
-
Yamamoto Y, Matsuyama H, Kawauchi S, et al. Overexpression of polo-like kinase 1 (PLK1) and chromosomal instability in bladder cancer. Oncology 2006; 70(3):231-7.
-
Yamamoto Y, Matsuyama H, Chochi Y, et al. Overexpression of BUBR1 is associated with chromosomal instability in bladder cancer. Cancer Genet Cytogenet 2007; 174(1):42-7.
-
Yamamoto Y, Misumi T, Eguchi S, et al. Centrosome amplification as a putative prognostic biomarker for the classification of urothelial carcinomas. Hum Pathol 2011; 42(12):1923-30.
-
Yamamoto Y, Chochi Y, Matsuyama H, et al. Gain of 5p15.33 is associated with progression of bladder cancer. Oncology 2007; 72(1-2):132-8.
-
Akao J, Matsuyama H, Yamamoto Y, et al. Chromosome 20q13.2 gain may predict intravesical recurrence after nephroureterectomy in upper urinary tract urothelial tumors. Clin Cancer Res 2006; 12(23):7004-8.
-
Misumi T, Yamamoto Y, Miyachika Y, et al. DNA copy number aberrations associated with lymphovascular invasion in upper urinary tract urothelial carcinoma. Cancer Genet 2012; 205(6):313-8.
-
Matsuyama H, Pan Y, Yoshihiro S, et al. Clinical significance of chromosome 8p, 10q, and 16q deletions in prostate cancer. Prostate 2003; 54(2):103-11.
-
Matsuyama H, Pan Y, Skoog L, et al. Deletion mapping of chromosome 8p in prostate cancer by fluorescence in situ hybridization. Oncogene 1994; 9(10):3071-6.
-
Oba K, Matsuyama H, Yoshihiro S, et al. Two putative tumor suppressor genes on chromosome arm 8p may play different roles in prostate cancer. Cancer Genet Cytogenet 2001; 124(1):20-6.
-
Joos S, Bergerheim US, Pan Y, et al. Mapping of chromosomal gains and losses in prostate cancer by comparative genomic hybridization. Genes Chromosomes Cancer 1995; 14(4):267-76.
-
Pan Y, Matsuyama H, Wang N, et al. Chromosome 16q24 deletion and decreased E-cadherin expression: possible association with metastatic potential in prostate cancer. Prostate 1998; 36(1):31-8.
-
Ekman P, Gronberg H, Matsuyama H, et al. Links between genetic and environmental factors and prostate cancer risk. Prostate 1999; 39(4):262-8.
-
Matsuyama H, Pan Y, Oba K, et al. Deletions on chromosome 8p22 may predict disease progression as well as pathological staging in prostate cancer. Clin Cancer Res 2001; 7(10):3139-43.
-
Matsuyama H, Oba K, Matsuda K, et al. Haploinsufficiency of 8p22 may influence cancer-specific survival in prostate cancer. Cancer Genet Cytogenet 2007; 174(1):24-34.
-
Matsuda K, Matsuyama H, Hara T, et al. DNA sequence copy number aberrations in prostate cancers: a comparison of comparative genomic hybridization data between Japan and European countries. Cancer Genet Cytogenet 2004; 152(2):119-23.
-
Yano S, Matsuyama H, Matsuda K, et al. Accuracy of an array comparative genomic hybridization (CGH) technique in detecting DNA copy number aberrations: comparison with conventional CGH and loss of heterozygosity analysis in prostate cancer. Cancer Genet Cytogenet 2004; 150(2):122-7.
-
Li C, Gronberg H, Matsuyama H, et al. Difference between Swedish and Japanese men in the association between AR CAG repeats and prostate cancer suggesting a susceptibility-modifying locus overlapping the androgen receptor gene. Int J Mol Med 2003; 11(4):529-33.
-
Sakano S, Wada T, Matsumoto H, et al. Single nucleotide polymorphisms in DNA repair genes might be prognostic factors in muscle-invasive bladder cancer patients treated with chemoradiotherapy. Br J Cancer. 2006; 95(5):561-70.
-
Shinohara A, Sakano S, Hinoda Y, et al. Association of TP53 and MDM2 polymorphisms with survival in bladder cancer patients treated with chemoradiotherapy. Cancer Sci. 2009; 100(12):2376-82.
-
Sakano S, Hinoda Y, Okayama N, et al. Gender-specific association of methylenetetrahydrofolate reductase genotype and haplotype with the aggressiveness and prognosis of clear cell renal cell carcinoma in Japanese patients. BJU Int 2010; 106(3):424-30.
-
Sakano S, Hinoda Y, Sasaki M, et al. Nucleotide excision repair gene polymorphisms may predict acute toxicity in patients treated with chemoradiotherapy for bladder cancer. Pharmacogenomics 2010; 11(10):1377-87.
-
Kawai Y, Sakano S, Okayama N, et al. Association of RASSF1A genotype and haplotype with the progression of clear cell renal cell carcinoma in Japanese patients. BJU Int 2012; 110(7):1070-5.
-
Hara T, Ishida H, Raziuddin R, et al. Novel kelch-like protein, KLEIP, is involved in actin assembly at cell-cell contact sites of Madin-Darby canine kidney cells. Mol Biol Cell 2004; 15(3):1172-84.
-
Yamaguchi Y, Passeron T, Hoashi T, et al. Dickkopf 1 (DKK1) regulates skin pigmentation and thickness by affecting Wnt/beta-catenin signaling in keratinocytes. FASEB J 2008; 22(4):1009-20.
-
Ito H, Honda K, Satow R, et al. Combined functional genome survey of therapeutic targets for clear cell carcinoma of the kidney. Jpn J Clin Oncol 2011; 41(7):847-53.
-
Hara T, Honda K, Shitashige M, et al. Mass spectrometry analysis of the native protein complex containing actinin-4 in prostate cancer cells. Mol Cell Proteomics 2007; 6(3):479-91.