2025年10月6日
このたび、当講座の中村吉秀先生が令和7年度「山口大学医学会 中村賞」を受賞されました!
この賞は、故・中村正二郎元山口大学長の遺志により設けられたもので、医学の発展に大きく貢献する独創的な研究に贈られる賞です。
「リアノジン受容体を標的としたドキソルビシン心筋症の革新的な予防法」。
がん治療において非常に強力な抗がん剤であるドキソルビシンは、心臓への毒性(心毒性)が大きな課題となっています。これまで有効な予防法は確立されておらず、多くの患者さんが副作用に苦しんでいました。
中村先生の研究では、心筋内のカルシウム放出チャネル「リアノジン受容体」に着目。
この受容体を安定化させることで、ドキソルビシンによる心毒性を抑えられることを実証しました。
さらに、リアノジン受容体の安定薬「ダントロレン」を短期間だけ併用することで、十分な予防効果が得られることも判明。
これは、臨床応用への大きな一歩となる成果です。
この成果は、がん治療の安全性を高めるだけでなく、患者さんの未来に希望をもたらすものです。より優しい医療へとつながることを願っています。




