
メンバー
チーフ | 大野 誠 |
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メンバー |
小林 茂樹(アドバイザー) 福江 宣子(アドバイザー) |
研究内容
心不全は一度発症すると、増悪と寛解を繰り返しながら徐々に進行し、患者の生活の質と生命予後を著しく低下させます。JROADHF研究(2017年)において、心不全入院患者の退院後の生命予後規定因子のうち最も有意であった因子が、退院時の日常生活動作能力(ADL)を評価する「Barthel Index」であったと報告されています。また、FRAGILE-HF(2018年) 研究やKochi YOSACOI研究(2020年)では、高齢心不全患者の「フレイルの有無と程度」によって心不全の転帰(心血管死や心不全再入院)に有意な影響を与えることが示されており、心不全患者におけるフレイルの層別化の重要性が明らかになりました。身体機能や生活機能をも心不全の治療指標の一つとして評価することが求められています。また同時に、心不全患者の心不全再入院予防やQOL向上に有用な心臓リハビリテーションの外来継続率が全国的に10%に満たないことも乗り越えるべき大きな課題です。
このような臨床的ニーズを見据えて、2025年度から「宇部・小野田地区の慢性心不全患者に対する心臓リハビリテーション多職種共同前向き観察研究(CO-CARE Ube-Onoda研究)」を計画しています。当院で心臓リハビリテーションを開始した患者さんの退院後の転帰を、心血管イベントの発生日を主要エンドポイント、要介護2以上の認定日もしくは不可逆的な外来通院不能となった日を二次エンドポイントとして追跡し、当院と宇部・小野田地区の心臓リハビリ施設の多職種スタッフが共同で、外来心臓リハビリの継続の有無と、各職種のそれぞれの観察項目(下肢運動機能やセルフケア習慣化の有無など)をモニターしていく内容となっています。
研究実績
論文
2024年度
大野誠(医師)
・山口県内科医会誌(第24号)「みんなで心臓リハビリ連携!心不全に負けない地域づくり」
学会報告
2024年度
熊野未来(理学療法士)
・第30回日本心臓リハビリテーション学会学術集会「併存疾患による身体機能・ADL低下を認めた心不全患者- 外来心リハへの移行を見据えた連携に着目して-」
・第8回日本循環器理学療法学会学術大会「認知機能低下・フレイル・心不全の悪循環により心不全StageDへの移行が推察された低左心機能患者への介入」
前原達哉(理学療法士)
・第10回日本心臓リハビリテーション学会中国支部地方会〈YIAセッション〉「多発脳梗塞や両側腓骨神経麻痺を合併したLVAD装着患者の在宅復帰を多職種・地域連携を経て獲得できた一例」
2023年度
藤村達大(医師)
・第123回日本循環器学会・心臓リハビリテーション学会中国地方会-ジョイントセッション-「当院における多職種連携と地域における役割」
前原達哉(理学療法士)
・第9回日本心臓リハビリテーション学会中国支部地方会シンポジウム「始めてみよう!みんなで考える心臓リハビリテーション(心不全編) 理学療法士の立場から」
中原稔喜(理学療法士)
・令和5年領域別研修 内部障害系理学療法症例検討会「stageDの心不全患者に対し水分制限に難渋した症例-マズローの欲求段階説に着目して-」
2022年度
前原達哉(理学療法士)
・第8回 日本心臓リハビリテーション学会 中国地方会「心臓リハビリテーションカンファレンスの効果検証〜旧体制と新体制を比較して〜」
熊野未来(理学療法士)
・第38回 山口県リハビリテーション研究会「治療・内部アドヒアランスの改善に難渋した慢性心不全患者の一症例」
小山勝真(薬剤師)
・第32回 日本医療薬学会年会「多職種チーム介入の体制変更による心不全患者への効果の評価」
藤田美穂(医師)
・第8回 日本心臓リハビリテーション学会 中国地方会「慢性心不全患者における大腿部と腰部骨格筋量の予後予測能評価」
講演
2024年度
大野誠(医師)
・第6回山口心臓リハビリテーション研修会(2024/7/7)「病診連携・多職種チームで挑む萩地域の心リハの変革」
・第2回 多職種で地域の心不全診療を考える会(2024/9/24)「みんなで心臓リハビリ連携!心不全に負けない地域づくり」
2022年度
前原達哉(理学療法士)
・長門・美祢・萩方面における循環器診療連携を考える会「心臓リハビリテーションの現状と課題 〜理学療法士の立場から〜」
金井和明(理学療法士)
・山口県理学療法士会 令和4年度後期研修 領域別研修会(内部障害領域)「内部障害領域におけるリスク管理 〜循環器疾患について〜」
小林茂樹(医師)
・各地域における循環器診療連携を考える会 山陽小野田・宇部方面(7/13)山口・防府方面(8/18)、長門・美祢・萩方面(8/23)(12/6)下関方面(8/24)(12/21)、周南方面(8/31)
藤村達大(医師)
・各地域における循環器診療連携を考える会 〜診療連携を進める上での提案〜 山陽小野田・宇部方面(7/13) 長門・美祢・萩方面(12/6) 下関方面(12/21)