2025年7月18日
国内に34万人おられる血液透析患者さんは、透析をすることで命をつなぐことができますが、透析後の倦怠感や透析に関連する合併症に絶えず悩まされています。
山口大学医学部第二内科腎臓班では抗酸化作用を持つ水素に着目し、透析患者さんの自覚症状や予後の改善を目指した透析システムの研究を行っています。
今回、ドクターズ・マン社と共同で独自に開発した高濃度水素水作成装置を搭載した血液透析システムの概要、イヌを用いた水素の体内動態の検討と安全性の評価を行った研究成果をまとめた論文が、米国人工臓器学会(ASAIO)の学会誌に掲載されました。
この研究は、佐野教授ご指導の下、セントヒル病院の藤井院長および透析スタッフの皆さま、共同獣医学部の谷教授および動物医療センターの皆さま、泌尿器科の腎臓班の先生方、ドクターズ・マン、日機装、JWSといった企業の皆さま、そして前回の水素飽和生理食塩液の点滴実験に引き続いて当講座の内海先生と一丸となって進めて参りました。この場を借りて、研究グループの皆さまに改めて感謝申し上げます。
さらに、今後は水素吸入透析、水素飽和腹膜透析液の研究も行っており、あらゆる透析手法に水素の導入を目論んでおります。
水素透析の効果を一日も早く患者さんの元に届けられるよう引き続き研究を進めて参ります。
腎臓班 澁谷
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ASAIO Journal とは?
ASAIO Journalは、人工臓器、医療機器、透析・補助循環装置などの分野における世界有数の専門誌です。