
メンバー
メンバー |
小林 茂樹 奥田 真一 |
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診療案内・実績
CCU
CCUおよび病棟の診療体制は3-4人からなるチーム体制で行っています。CCUとは、本来『Coronary Care Unit』として急性心筋梗塞や狭心症などの重症冠動脈疾患に対応する集中治療室とされていますが、当院では先進救急医療センター(AMEC3)内に『Cardiac Care Unit』として、冠動脈疾患はもちろん、急性心不全や重症不整脈など幅広い循環器疾患に対して、先進的で高度な医療技術を用いた集中治療管理を24時間体制で行っています。
診断 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
急性冠症候群 | 101 | 91 | 58 | 71 | 81 | 68 | 84 |
心不全 | 92 | 93 | 69 | 71 | 97 | 108 | 78 |
不整脈 | 21 | 15 | 17 | 22 | 42 | 35 | 56 |
弁膜症 | 18 | 39 | |||||
重症感染症 | 14 | 11 | 6 | 4 | 12 | 19(内IE6例) | 6(内IE4例) |
心肺停止蘇生後 | 6 | 5 | 2 | 2 | 4 | ||
たこつぼ型心筋症 | 7 | 4 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 |
呼吸器関連疾患 | 10 | 7 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 |
肺高血圧 | 1 | 1 | 2 | 1 | 3 | 1 | |
心嚢液貯留/心タンポナーデ | 2 | 5 | 2 | 2 | 4 | 5 | 5 |
肺塞栓症 | 7 | 4 | 1 | 7 | 4 | 1 | 4 |
劇症型心筋炎 | 0 | 4 | 2 | 0 | 2 | 1 | 4 |
腎不全 | 7 | 1 | 4 | 5 | 2 | 5 | 2 |
膠原病 | 2 | 4 | 1 | 0 | |||
解離 | 1 | 2 | 1 | 1 | |||
その他 | 6 | 8 | 7 | 12 | 5 | ||
計 |
<当院におけるCCUの特徴>
- 当院のCCUでは、心筋梗塞、不整脈、心不全などの緊急対応に迅速かつ的確に対応できる体制を整え、複数人で一人の患者さんに対応するチーム医療を行っています。
- 重症心不全や心原性ショックに対して、IABP(大動脈内バルーンポンプ)やECMO(体外膜型人工肺)、IMPELLA(補助循環用ポンプカテーテル)などの高度な機械式循環補助装置(Mechanical Circulatory Support)を使用し、これらの装置を熟練した専門医が適切に管理をおこなうことで、高い救命率を実現しています。
- 大学病院の強みでもある教育と研究にも力を入れており、最新の医学知識と技術を取り入れた医療スタッフの育成にも注力しています。また、臨床研究を通じて、さらなる治療法の向上を目指しています。
重症心不全治療
重症心不全に対する高度かつ包括的な治療体制
山口大学医学部附属病院では、重症心不全に対して薬物治療から非薬物治療まで、非常に高度で集約的な医療を提供しています。
非薬物治療には、両室ペーシング治療、ECMOやインペラなどの機械的循環補助、植込型補助人工心臓(VAD)の管理まで幅広く対応しており、重症例にも的確に対応可能な体制を整えています。
診断面では、以下のような高度医療技術を活用しています:
・心筋生検(必要症例には電子顕微鏡や免疫染色も実施)
・PET/CT・MRIなどの画像診断
・次世代シーケンサーを用いた独自の遺伝子解析
これらを組み合わせ、患者さん一人ひとりに最適な個別化医療の提供を目指しています。
植込型補助人工心臓(VAD)管理認定施設としての取り組み
当院は2024年11月に、植込型補助人工心臓管理認定施設に承認されました。
重症心不全に対しては、心移植への橋渡しとしての治療だけでなく、移植を前提としない**Destination Therapy(DT治療)**としてのVAD治療の選択にも対応しています。
植込型補助人工心臓の管理は、循環器医師、看護師、臨床工学技士など多職種が連携して行う外来管理体制を構築しています。
心臓リハビリテーションの推進
また、多職種チームによる心臓リハビリテーションにも力を入れており、入院中から積極的に介入を行い、外来での継続的なリハビリテーションを目指しています。
地域の関連病院やかかりつけ医とも密に連携し、患者さんの社会復帰や生活の質向上をサポートしています。
心アミロイドーシス
心アミロイドーシスに関しては、県内唯一のタファミジス処方の日本循環器学会認定施設であることから、県内および県外(特に島根県から多く)の患者様が来院されています。2024年には、36症例に新規処方していますが(図3)、ピロリン酸心筋シンチによる診断法の進歩により、新規に診断される患者さんの数は爆発的に増加してきています(図4)。紹介元の基幹病院やかかりつけ医の先生と連携をとりながら、早期診断・早期治療を目指しています。
心サルコイドーシス
心サルコイドーシスに関しては、100症例以上のデータベースに基づいた豊富な実績を土台に、最善の治療を提供できるよう努めています。