
メンバー
チーフ | 岡村 誉之 |
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メンバー |
小田 哲郎(スーパーバイザー) |
診療案内
心血管カテーテルインターベンショングループでは、狭心症や心筋梗塞をはじめとする冠動脈疾患に対するカテーテル検査および治療のほか、最近では弁膜症などの構造的心疾患に対するPCI以外のカテーテル治療も行っています。
当院では3室の心血管造影室を備え、昨年の総カテーテル件数は944例、PCIは264例を施行しました。PCIに関しては、従来のバルーン拡張術やステント留置術に加え、以下のような高度な治療にも対応可能です。
心臓カテーテル検査・冠動脈インターベンション(PCI)
冠動脈造影検査およびPCIの際には、血管内イメージングデバイス(IVUS/NIRS-IVUS/OCT/OFDI)による詳細な評価や、冠血流予備量比(FFR/iFR/RFR/dFR)の測定を実施し、エビデンスに基づいた最適な治療に努めています。また、当院では冠微小循環評価(CRF/IMR)も可能であり、近年注目されているMINOCA(Myocardial Infarction with Non-Obstructive Coronary Arteries)やINOCA(Ischemia with Non-Obstructive Coronary Arteries)の精査も行っています。慢性完全閉塞(CTO)や左冠動脈分岐部病変などを含む複雑病変の治療や、重症心不全患者・二次性心筋症を疑う患者への血行動態評価(右心カテーテル検査・心筋生検)なども積極的に行っております。
PCIに関しては、バルーン拡張術やステント留置術に加え、以下のような治療も行っています。
〈重度石灰化病変に対するデバイス〉
・Rotablator(高速回転式アテレクトミー)
・OAS(オービタルアテレクトミー)
・IVL(ショックウェーブ)
〈多量血栓に対する焼灼〉
・ELCA(エキシマレーザー)
〈多量偏心性プラークに対する切削〉
・DCA(一方向性冠動脈アテレクトミー)

冠動脈インターベンション(PCI)以外のカテーテル治療
・末梢動脈疾患(PAD)に対する血管内治療(EVT)
・重度大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)
・バルーン大動脈弁形成術(BAV)
・機能的僧帽弁閉鎖不全症に対するM-TEER(MitraClip/PASCAL)
・慢性血栓塞栓症性肺高血圧症に対するバルーン肺動脈形成術(BPA)
・機械的サポートデバイス挿入術(IABP/Impella/ECMO)
・卵円孔開存閉鎖術(PFO治療)
・経皮的左心耳閉鎖術(LAAC)
詳しくはそれぞれのページをご覧ください。
年間症例数と対応可能な治療技術
当院では3室の心血管造影室(心カテ室)とハイブリッド手術室2室を備え、B棟1階の心カテ室でPCI/EVT/BPAを、A棟4階内のハイブリッド手術室でTAVI/M-TEER/PFO/LAACを実施しています。
診療実績(2024年)
心臓カテーテル検査総数 | 944 |
冠動脈造影検査 | 431 |
冠動脈イメージング | |
IVUS | 153 |
OCT/OFDI | 131 |
冠生理学的検査 | |
FFR/iFR/RFR/DFR/DPR/FFRangio | 73 |
CFR/IMR | 48 |
冠動脈インターベンション(PCI) | 264 |
緊急PCI | 71 |
構造的心疾患(SHD) | 160 |
経カテーテル大動脈弁治療(TAVI) | 111 |
バルーン大動脈形成術(BAV) | 23 |
経皮的僧帽弁接合不全修復術 | 17 |
経皮的卵円孔開存(PFO)閉鎖術 | 7 |
経皮的左心耳閉鎖術 | 9 |
バルーン肺動脈形成術(BPA) | 78 |
末梢血管治療(EVT) | 24 |
機械的サポート | 47 |
IABP | 13 |
PCPS | 20 |
IMPELLA | 14 |
チーム医療と治療成績向上への取り組み
当グループでは、すべてのカテーテル検査・治療の前後にカンファレンスを実施し、治療方針の決定、手技の選択、治療後のフィードバック を行うことで、治療成績の向上に努めています。特にSHD(Structural Heart Disease:構造的心疾患)においては、心臓血管外科や麻酔科とも連携し、治療方針を決定しています。
また、未来の医療に貢献することを目指し、臨床研究や最新の知識・技術を積極的に取り入れながら、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供する体制を整えています。
患者さん・ご家族の方へ
ホームページにお越しいただき、ありがとうございます。心臓病でお悩みの方やそのご家族の皆さまに、少しでもお役に立つ情報をご提供できれば幸いです。
進化する心臓病治療
この10年間で、心臓病の治療法は大きく進歩しました。命を守る新しい薬が開発され、体への負担が少ないカテーテル治療も広く使われるようになりました。以前は大きな手術でしか治せなかった弁膜症なども、カテーテルという細い管を使った治療で改善できるようになっています。特に高齢の方や手術のリスクが高い方にとって、選択肢が広がりました。
心臓を長持ちさせるために
人生100年時代と言われる今、生まれたときからの「心臓」を大切に使うことが重要です。心臓のケアは、家や車のメンテナンスに似ています。
日々のケア
– 健康的な生活習慣
– 適度な運動(心臓リハビリ)
– 医師の指示に従ったお薬の服用
定期点検
– かかりつけ医での定期的な受診
– 心臓の音、心電図、レントゲン、エコー検査などによる確認
必要に応じた修繕
– 異常が見つかった場合の精密検査
– 適切なタイミングでの手術やカテーテル治療
治療後のメンテナンス
– 血液をサラサラにする薬
– コレステロールを下げる薬
– 血圧を調整する薬の継続
皆さまが「心臓」を大切にケアし、心臓病の症状に悩まされることなく、健やかな毎日を送られることを心より願っています。
山口大学心血管カテーテルインターベンショングループ一同
(文責:岡村誉之)
研修医・学生の皆さんへ
ようこそ!循環器カテーテル治療の最前線へ -カテーテル治療が医療の未来を変える-
循環器領域のカテーテル治療(インターベンション)は、今まさに革命的な進化を遂げています。この10年間だけでも、医療の風景を一変させる様々な革新的技術が次々と登場しました。
そして進化は続き、間もなく承認見込みの治療法も控えています。
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- ・TriClip治療(三尖弁逆流症への挑戦)
- ・腎デナベーション治療(難治性高血圧へのアプローチ)
これらの最先端治療を適切なタイミングで提供し、術後も患者さんと長期的な関係を築きながら経過を見守る―これこそが循環器内科医の醍醐味です。数年、時には数十年にわたって患者さんの人生に寄り添い、その心臓の健康を守る旅に同行できる特別なやりがいがここにあります。
実践的なスキルを身につけるチャンス‼
山口大学心血管インターベンショングループでは、カテーテル治療に興味を持つ皆さんに様々な機会を提供しています。
- 最前線の治療を間近で体験! 実際の手技見学
- 実践的な技術を安全に学べる! PCIシミュレーターによるハンズオンセミナー(年2回)
- 研究活動から発表までをバックアップ! 学会発表のサポート

ハンズオンセミナー

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CVIT総会

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日本循環器学会中国地方会
あなたの1歩が未来を変える
最先端医療の現場を体験してみませんか?いつでも山口大学附属病院カテーテル室(B棟1階)にお越しください。あなたの好奇心と情熱が次世代の循環器医療を創り出す原動力になります!
未来の循環器スペシャリストとしてのあなたの1歩を、私たちは心から応援しています。
山口大学心血管カテーテルインターベンショングループ一同
(文責:岡村誉之)